概要
『薬屋のひとりごと』の登場人物。
高順の次男で、代々皇帝家の護衛を勤めてきた名持ちの一族・馬の一族の次期当主。壬氏とは同い年の乳兄弟の関係にあたり、幼い頃からの付き合いである。武芸に秀でており、王宮づきの武官を勤めている。
猫猫に対しては当初は何故主が連れ回すのか理解できずにいたが、徐々に彼女の実力を知り、扱いは雑なものの信頼している。
本来なら兄の馬良が次期当主になる筈だったが、皇帝家の護衛となる一族でありながら運動神経が皆無であり、向いていないということで馬閃が次期当主となった。その兄は有能な文官でありながら人づきあいができないため、壬氏の直属となって彼個人の書類を管理する仕事を与えられている。
もうひとり高順の長子である姉の麻美がいるが、二児の母でありながら気が強い女傑で、弟たちも壬氏も彼女には頭が上がらない。
性格は真面目で律儀であり、融通が効かずポーカーフェイスが苦手。壬氏の悪口を聞くと相手が誰であろうとつい激昂してしまうため、本当に重要な会合の時は主に高順が護衛を勤めており、その率直すぎる性格から高順に拳骨を喰らうこともしばしば。
この通り壬氏の付き人としてはまだまだ発展途上であるが、護衛や武官としては非常に優秀。
常人離れした腕力と体力を持ち、危機的状況になると逆に今取るべき対処法を一瞬で理解でき、ライオンをひとりで撃退するほど。普段の稽古もハンデで素手で戦っても並の相手なら圧倒しており、馬閃が武器を持って稽古するのは壬氏や李白くらいである。身体も異常に頑丈で、大怪我を負ってもすぐに治るらしい。猫猫曰く人の皮を被った熊。
今でこそ力加減ができるものの、幼い頃に喧嘩した時に常人離れの腕力で姉の麻美を怪我させてしまった事がある。それ以来加減が難しいということで女性が大の苦手になり、更にその性格上政略結婚には向いていない為、家族からは子作りを絶望視されている。
しかしある事件がきっかけで上級妃である里樹妃を気にかけるようになり、猫猫に彼女が帝の妃だと指摘されながらも徐々に好意を抱くようになる。里樹もまた何度も危機を救ってくれ、裏表がない真っ直ぐな馬閃に好意を抱くようになっていく。
里樹は後に再び出家して後宮を去った為、馬閃にもチャンスが巡っており、猫猫もふたりの恋路を応援している。皇帝も猫猫から話を聞いて察したのか、里樹の命を救った馬閃に褒賞として願いをひとつ叶えることを約束している。
……と言うより、里樹の出家の期間と馬閃の褒章の内容を決定する期限が何故か一致していることから、事実上の婚約であるというのが関係者と読者の認識である。
里樹の心中を慮った皇帝ほか関係者らの差配であろう。