この記事は『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』の終盤に関するネタバレが含まれているため、ゲームをエンディングまで攻略し終えてからの閲覧をお勧めします。
「我は… 万物を統べる… 全能の王なり!!」
「認めぬッ! たかが 人の子一匹に!!」
「最早 自我も肉体も要らぬ!」
「貴様らを地獄の道連れに 永劫の闇で 世界を終わらせてくれるわ!!」
【龍化せし魔王 黒龍】
概要
勇者リンクに追い詰められた魔王ガノンドロフが勝利のために全てを捨てて至った最終形態。
自身の敗北を受け入れまいとしたガノンドロフは、額に身に着けていた秘石を自ら引き千切って喰らい、人としての自我と肉体を捨て、巨大な黒き龍へとその姿を変えた。
最早ガノンでもガノンドロフでもない、目の前にあるものをただ破壊するだけの厄災。
この黒龍こそが『ティアーズオブザキングダム』におけるラスボスである。
外見
当初は厄災ガノンの怨念形態を彷彿とさせる瘴気の塊だったが、徐々に実体化して龍としての姿を現す。
全体的には三大精霊龍と同じく、六本の脚と背中から連なるように突き出ている龍岩石の突起を備えた長い胴体という東洋龍に近い姿をしているが、彼らと比較して一回りも二回りも長大で、その名の通りの体表は黒い鱗で覆われている。
そして頭部は顔周りを赤い髪と髭で覆われた王冠のごとく湾曲して伸びる複数の角が特徴の如何にも邪龍らしい禍々しいものである。
急激な変貌のせいか、体表には闇の力が吹き溜まったようなコブが幾つかできており、そこが弱点となっている。
戦闘に至るまで
秘石を飲んだガノンドロフに捕まり空中へ運び上げられたリンクは、黒龍の牙の合間に挟まり、身動きが取れずにいた。
万事休すかと思われたところに、咆哮と共に白龍──ゼルダが飛来。
黒龍が白龍に噛み付くために咬合を解いたことでリンクは自由になり、身をかわした白龍に掴まった状態でさらなる高空へ移動する。
二頭の龍が睨み合う中、白龍の頭上に立つリンクがマスターソードを抜き放ち、最終決戦が始まる。
戦闘
これまでのプレイで経験したことのない龍同士の空中戦が始まり困惑するが、戦い方の基本はフリザゲイラとそう変わらず、黒龍の吐いてくるブレス弾を掻い潜りながら黒龍に接近し、コブを攻撃すればいい。
チューリが不在であるので横方向の移動が若干厳しく、グライドシリーズがあるならば着込むと楽になる。
攻撃に被弾するとハートが破壊されるが、密度こそあれど狙いは緩くほぼ当たらないとみて良い。それどころか白龍が急降下で庇ってくれるので、被弾することはほぼ無い。
コブを潰すと振り落とされるが、自動的に白龍に拾い上げられるので、再度上空からコブを狙おう。
他の龍と同じように、黒龍も背中に乗る事が出来る。瘴気ダメージを受けてしまうが、屋外戦闘のため離れればヒビの入ったハートはすぐに回復するので何ら問題ない。ただし、一定時間乗っているかコブを一つ潰すと、振り落とされてしまう。
だがそれを踏まえても、弓矢で遠くからチクチク狙うよりも、コブの近くに降りてマスターソードで殴る方が安定するだろう。
全てのコブを破壊すると、周囲の空が赤く染まっていき巨大な赤い月が浮かび上がる。共に黒龍の額の秘石が輝き、ダメージを与えられるようになるのでそこを集中攻撃。
すると表面が壊れて内部が露出し、イベント後に「とどめ」を選択することで秘石が完全に砕け散り、勝利となる。
最期
勝利のために全てを捨て、漆黒の巨龍へと変貌したガノンドロフ。今の彼にとってリンクなど、取るに足らないちっぽけな存在も同然――のはずだった。
しかし、同じく白龍となったゼルダが駆け付けたことで形勢を覆される。ゼルダもまた自我無き存在のはずだが、決して暴走することなくリンクの支えとなっていた。
大空の死闘の末、ゼルダの想いを受け取ったリンクによって黒龍は要の秘石を砕かれ敗北。
体を維持できなくなった黒龍は崩壊しながら何かを求めるように天へと昇っていくが、やがて光の大爆発となって消え去った。
こうして長きに渡ってハイラルの民を苦しめてきた魔王は完全に滅びたのである。
ガノンドロフの力は確かに強大であった。
だがしかし、人であることを捨てた者が、挫けぬ“勇気”を剣に込め、優れた“知恵”で道具を使いこなし、仲間との“力”で道を切り開いて来た人間に勝てるはずがなかったのだ。
ガノンドロフの最大の敗因。それは1人の女性を殺してまで奪い取った“便利な力”に最期まで縋ったこと――そうすることしか出来ない生き方だったのかもしれない。
余談
ちゃんとウツシエの撮影対象だが、良い感じの写真を撮る難易度は高い。浮遊石を使用するかコブのあった場所から撮影すると良い。
白き龍となったゼルダの頭部にあるマスターソードを引き抜き、黒き龍となったガノンドロフの額をマスターソードで貫く──という風にそれぞれ対照的に描写されている。
両者が手にした武器・道具に関しても「1人の女性の犠牲によって強化され託されたマスターソード」「1人の女性を殺して奪い取った秘石」と対照的。
実はマスターソードの入手は任意であり、引き抜かないでラスボスまで来ることが出来る。その場合、このバトルの始まりでマスターソードを引き抜くイベント(通常はがんばりゲージ2周分必要だがここでは不要)が発生し、自動的にマスターソードを入手することになる。
その際はラスボス戦の直前にゼルダの祈り・願いがイメージとして描かれるため、絶対に負ける気がしないラストバトルとなる(引き抜いた際のイベント自体は同じ)。