概要
型式番号ADFX-01(02) コードネームはモルガン
ベルカ公国の南ベルカ国営兵器産業廠が試験開発した全天候多目的戦闘攻撃機。試作型の特殊兵装を多数有し、1995年のベルカ戦争時には計2機が存在した。
ADF-01 ファルケンの原型機であり、前進翼や内向き斜め双垂直尾翼のエンテ型、離して搭載されている大型の双発エンジンなどファルケンの意匠を含むが、ステルス性を持たない旧世代機らしい現実的な外観となっている。(ただし機体が大柄なためフロント・リアギア共にダブルタイヤであるなど重量面で苦労しているようである。)
機体名の由来はアーサー王伝説に登場する魔女(妖精)、モルガン・ル・フェ。
※本記事には『エースコンバットZERO』の重大なネタバレが記述されています。※
※閲覧の際はご注意下さい。※
主な装備
特殊装備として以下の三つを搭載。
- TLS(Tactical Laser System:戦略レーザーシステム)
- MPBM(Multi-Purpose Burst Missile:多用途炸裂弾頭ミサイル)
- ECMP(Electronic Counter Measure Pod:内蔵型ECMポッド)
また、通常の戦闘機同様の機銃とミサイルを有する。
ADF-01と違い特殊装備を内蔵することはできず、多くの装備は機体外部に装着される。
TLS
文字通りの外付け式レーザー砲モジュールで、モジュール先端のレンズ部から赤色のレーザーを目標に照射する。
また、光学偏向させることが出来、偏向角の範囲内であれば自動的に追尾・照射が可能であり、機体から伸びるそれはまるで剣のようである。
絶大な破壊力を誇るが、照射から有効なダメージを与えるまでに若干のタイムラグがあり、その間に追尾範囲外から逃げ出すことで回避は可能である。
開発の遅れにより本来想定していたサイズよりも大型のものを機体に無理矢理接続しているため機動性能を阻害するだけでなく、戦闘機動によってレーザーユニットに想定以上の強い荷重がかかりハードポイントを中心に機体本体にまで損傷を与える可能性がある。
それを防ぐべく7Gの荷重リミッターが掛けられているが、ADFX-02はリミッターを外して運用された。
MPBM
ポリ窒素を使用した対地対空両用の範囲攻撃兵器で、捕捉した目標に接近後、弾頭が炸裂し子爆弾を散布、炸裂地点から広範囲の目標に相当の損害を与える。
拠点攻撃に使用した際の火力は1発で中規模基地をほぼ壊滅させられるほど絶大で、前作の潜水空母シンファクシ級に搭載された散弾ミサイルを思わせる。
ポリ窒素の安定のため威力が抑えられた未完成の兵器であり、完成型であるSDBMでは数十倍の威力となり、小型核弾頭並みの火力を発揮する予定だった。
ECMP
機体内蔵型の強力なECMで、一切の誘導・照準装置を狂わせてしまう。
ミサイルを機体到達前に自爆させ、ガンレティクルを狂わせる効果があり、通常のECMとは一線を画している。
ただし、母機のエアインテークはECMの効果範囲外であり、正面からの攻撃のみ無防備となる。
このためサイファーはヘッドオンでの格闘を強いられる。
また、明らかにこちらの攻撃が当たっているのにノーダメージとして扱われることに関しては、一部では「光学ステルス」的な撹乱装置の可能性があると解釈されている。
ただし01に搭載される物は通常のECMと同等のものである。
二機のモルガン
このように、AC3以来のチート満載のラスボス戦闘機であり、最終面まで勝ち抜いたプレイヤーの前に、最後にふさわしい相手として立ちはだかる。
撃墜相当のダメージを与えることでTLS、MPBMと武装を喪失させていくが、最後に残るECMPが真に厄介で先に説明されたとおりヘッドオンでしか攻撃が効かない。
ドッグファイト、と言われるように基本的には相手の後を追いかけて距離を詰めて攻撃するのがゲームの基本戦術であり、最初の交差でし止め損ねてしまった場合この基本戦術を捨ててあえて敵に無防備な後をさらしてレーダー情報だけを頼りにミサイルをかわしながら、再び正面から迎え撃てる距離まで引き離さなければならないのである。
しかしプレイヤーが使用できるのは、連合軍が試験機を接収して完成させたADFX-01であり、
こちらはプレイヤー仕様ということもあってか性能は抑えめで、上記の特殊兵装のうち、作戦ではひとつしか選択することは出来ず、その上どれもチート面で劣化している(おそらくゲームバランス調整のためのものと見られる)。
- TLSは捕捉距離が短く、偏向角度も数度しかない。更に後継機のADF-01に比べて照射時間も短い。
- MPBMはADFX-02と違い、発射ごとに一発ずつリロードされる(02は外すと即座に次弾を撃ってくる)。
- また厳密な条件は不明だが、HUD内に目標を捕らえていると、ロックオンしなければ射出できなくなる。
- ECMP作動中は、こちらもミサイルが使用不可能。
しかし、基本的な機体性能に大きな差異は見られず、その非常に高い機動性はそれだけで十分脅威であるといえる。
ストーリー中での活躍
劇中では、かつての盟友と袂を分かち『国境なき世界』へと身を寄せた『片羽の妖精』ことラリー・フォルクがADFX-02に搭乗。
最終ステージにおいてアヴァロンダム要塞の防衛戦に投入され、戦力であると同時に核ミサイル 『V2』管制の役目も担っていた。
PJをTLSで撃墜し、主人公・サイファーに戦いを挑んでくるが、死闘の末にサイファーによって撃墜される。
このミッションでの彼の台詞は必聴。『国境なき世界』の演説などに匹敵する、本作屈指の名台詞のオンパレードが待っている。
また、本機体は型式番号を見ればわかると思うが、後のADF-01へと繋がっていく。
デザインは登場順では先行するFALKENのボディに「04」より登場するX-02の機首を掛け合わせた外観で実機らしさを持たせて、パネルラインを増やすことで架空機ながらゲーム内の時代設定に合わせた1世代前の機体の雰囲気を出している。
エースコンバットインフィニティ
F2Pゲーム「エースコンバットインフィニティ」にADFX-01 Block1及びADFX-01が登場。
ADFX-01 Block1はZEROに登場した機体のプロトタイプとなっており、期間限定のチャレンジを達成することで購入可能となる。
最初期の試作品のためにさまざまな部分が劣り、TLSは使用可能回数が少ないうえに威力は低く、強化しても防御以外の機体性能は低いままであり、強化には桁違いの資金を必要とするなど、よほどのファンでない限りは愛用するのは困難である。
また、MPBMは使用できない。
購入資金は安価なため、開始初期のある程度優秀な機体を手に入れるまでのつなぎ程度には使える。
(1分28秒あたりに登場。カラーリングは未塗装状態のPAK-FAを意識?)
ADFX-01は期間限定ドロップまたは特別支給チケットとの交換で使用可能となっていたが、
2015年1月22日のアップデートで、通常機体ツリーに追加され、通常のプレイでの購入が可能となった。
特殊兵装TLS、MPBM、ECMとなっている。
機体のカラーリングはADFX-02のような右主翼が赤で塗られた片羽の妖精仕様となっていたが、
通常機体ツリーへ追加された機体は黒一色仕様となっており、これまでの片羽仕様のモルガンは「ADFX-01 -Pixy-」と名称が変更された。
今作はZEROとは異なり現実世界を舞台としているため、
CFA-44同様、それに合わせた設定になっており、某国の計画案を元に国連軍が試作したプロトタイプとなっている。
また、ゲームシステムの小変更により、ECM使用中に切り替えることで通常のミサイルを使用する事が可能となっている。
TLSユニットは蝶使いのQFA-44が指揮するMQ-90L Quox bisにも搭載されており、母機であるQFA-44へのミサイルを撃墜する盾となるだけでなく、パイロットのバイザーに反応してレーザーを照射する無差別兵器となっている。
エースコンバット7
シーズンパス対象のDLC機体としてADFX-01が2019年7月31日に実装。
兵装はTLS、MPBMは変わらないが、ECMがIEWS(Integrated Electronic Warfare Syetem:統合電子戦システム)へと強化改修が施されECMとESMを同時に展開する兵装となっている。
IEWSの使用で一定時間広範囲の敵ミサイル誘導能力を低下させ、自機のミサイル誘導能力の強化を行う。
MPBMはZEROやインフィニティと比べると効果範囲は抑え気味となっている。
プラモデル
2019年10月、第59回全日本模型ホビーショーのコトブキヤブースにおいて、
ACECOMBAT架空機シリーズ第4弾の文字とピクシーの台詞「戦う理由は理由は見つかったか?相棒」が記されたフリップが展示された。1/144半塗装済みキットでモルガンが製品化されることが公になった瞬間である。
そして2021年3月。ADFX-01及び同FMEとして発売。公式ブログにはピクシー機にする場合の指南まで記されており、モデラ―に転身したかつての鬼神たちの財布にTLSをぶち込みまくっている。
関連動画
公式によるADFX-01 コメンタリー