サムス・アランに緊急指令! SR388に巣食うメトロイドの群れを殲滅せよ!
概要
本作は海外のファンが交流を繰り返し、互いに意見を交換しながら10年の製作期間を費やして作り出された非公式のメトロイドⅡリメイク、Another Metroid 2 Remakeである。AM2Rはその頭文字を取った略称であり同時に正式名称でもある。
高い完成度に加え過去作へのリスペクト、オリジナルにはない多数のギミックの追加、操作性の良さ等により高いクオリティを誇り、新たに描き直されたアルファ形態以降のメトロイドによって多くのファンを感動させた。
なお2016年度末に開かれたゲームアワードでのファン制作部門で入賞となっていたが、任天堂の圧力により取り消し処分となっている。(このアワードはゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドのお披露目でもあった)
結局は公開停止されてしまったこの作品であったのだが、2017年6月に任天堂公式がメトロイドⅡのフルリメイク「メトロイド サムスリターンズ」をニンテンドー3DSでリリースする事を発表した。
公開停止からまだ一年も経たない中での公式からの発表にAM2Rを知る者を驚かせた。
別メンバーで現在も非公式に開発が続行されており、バグ修正や機能追加、新要素追加が進んでいる。
メトロイドシリーズの故郷、日本でもファンの間で人気かつ有名であり、一ファンの手で「AM2R Databace」というサイトまでできている。日本ユーザーは困った時に見てみるといい。
ミッション
- SR388に巣食うメトロイドの群れの殲滅
- 派遣された調査隊の救助
- 通信の途絶えた救助部隊の捜索
これらはダンジョン内の探索で必然的に接触するため、プレイ中常に頭に入れておく必要はない。が、アクションとともに原作から大幅にパワーアップされたストーリーや世界観においては非常に重要なポイントでもある。
進化する恐怖
クラゲのような姿で浮遊しながら獲物が砂と化すまでエネルギーを吸収するメトロイド。しかしながら、本当のメトロイドの恐怖とはこんなものではない。メトロイドとは本来、進化する種であり、クラゲのような水棲生物から昆虫のような姿になり最後は陸に上がった爬虫類へと急激な変態を遂げる進化生命体である。この進化こそがメトロイドをつかさどる真の恐怖なのである。
アルファメトロイド
第一段階の変態を遂げたメトロイドの姿。硬い外殻に鋭い角を備えた昆虫形態。凍結への高い耐性の獲得とより素早い動きが可能になり、角を活かした突進攻撃が可能となった。
同じアルファ形態でも脚の発達した個体をしばしば目撃することになるが、これはその種が次の形態への進化を迎えつつあることの兆しである。
ガンマメトロイド
第二の変態を遂げたメトロイドの姿。複眼を備えさらに発達した頑丈な外殻と立派な角に加え、3つの角の中心から電撃を放って攻撃する能力を得た。
脚部は標的の拘束に発達しており、ひとたび脚部に相手を捕らえると動きを封じた獲物に電流を流し込み感電させる。
ゼータメトロイド
第三の変態を遂げたメトロイド、発達した脚で陸上を歩行する。前二形態とはケタ違いのパワーと耐久力を持ち、鋭い爪は衝撃波を発生させ、口からは得体のしれない緑の液体を吐く。
ミサイルを叩き落して無効化するなど既に完成された強さを持った化け物だが、もう一段階だけ成長の余地を残している。
オメガメトロイド
最終形態へと成長を遂げたメトロイド。T-REXを彷彿させる姿にゼータの何倍にも匹敵する破壊力を得た。その挙動の一つ一つが大地を震撼させ、その巨体が飛び上がるだけで地震が巻き起こる。
さらなる進化により体内で火エネルギーを生成する能力を獲得。生成された火エネルギーはゼータの段階で口から吐き出された液体に着火、火炎放射となりあらゆるものを焼き尽くす。
オメガメトロイドは惑星SR388最強の生命体であり、いかなる原生生物でもオメガの強さに勝てるものはいない。
SR388の各エリア
黄金の神殿
鳥人族によって建設された黄金の神殿。優れた技術により大昔の遺産とは信じられないほどに原形を保っており、多数のガードロイドが今も稼働している。
育成エリアA
メトロイドの飼育用に作られた空間。周囲の植物は生物の命を奪い大変危険。浮遊する変態途上のメトロイドには格好の餌場である。
浄水場
多数のパイプで形成された巨大な浄水施設。今もその役目を果たしており、この施設でも警備用のガードロイドが稼働し続けている。
育成エリアB
浄水場の奥に設置された空間でここにも危険な植物が生えている。構造そのものは育成エリアAとそう変わりないが・・・?
工場地帯
完全な全自動でガードロイドの開発を続ける無人の工場。ガードロイドに限らず開発用の製造機械からも行く手を妨害される。
暗黒地帯
薄暗いメトロイドの育成エリア。ところどころに棘の生えた植物があり、植物に集まる虫の光がこの暗闇で頼れる照明となる。
巨大停電施設
停電中の巨大な建物。ガードロイドも全て停止している。その地下深くには電力の供給源となる大きな発電施設が設けられている。
浸水施設
建物の半分が水に沈んだ施設。変わったタイプのガードロイドが稼働しており、一部には電磁波により武器の使えないエリアも存在する。
オメガの巣
限られた生物だけが存在できる暗黒の巣。この暗闇の中を生きられる生物、最強のメトロイド・オメガメトロイドの住処となっている。
研究所
惑星SR388の奥深く、星の水源の上に築かれた巨大な研究施設。急成長を繰り返す化け物たちの生まれ故郷。その奥では怒れる女王が静かに怨敵の到着を待ち受けている。
大型調査船
ミッションの一つである調査隊の隊員が乗ってきた大型船。船内にも研究設備が設けられており、生物の再生装置も用意されている。
ここのミッションは弾薬やエネルギータンク以外のアイテムが無いため、任意でパスすることが可能。
ボス
ガーディアン
黄金の神殿を守護するガードロイドの一体。巨大な鳥人の顔。ビームや火炎弾を放ってくる。
浄水場に潜む宇宙アルマジロ。頑丈な皮膚で覆われており丸まっての突進攻撃を得意とする。
鳥人像
お馴染みの動く鳥人像。やっぱり足元がお留守、なのだが今回は戦闘を続けていくと・・・?
テスター
停電施設に眠る円状の巨大兵器。多数のビーム兵器やミサイルを搭載しており侮れない。
フュージョンより登場。浸水施設を水没させた犯人。硬い鱗に覆われ高速移動する海龍。
ジェネシス
フュージョンより登場。再生されたSR388最古の生命体。暗闇に潜んで襲い掛かる習性をもつ。
クイーンメトロイド(シグマメトロイド)
惑星SR388に巣食うメトロイドの産みの母。長い首と強靭なアゴを持つ。メトロイドを倒すごとに起こる巨大地震の正体であり、子供たちを殺され復讐鬼と化した女王。
「サムスリターンズ」との違い
公式リメイクの「サムスリターンズ」と非公式リメイクの本作は、何かと比較されることが多い。
主なものは、次の通り。
- グラフィック
AM2Rはあくまでも従来の2Dメトロイドシリーズのような背景のみの奥行きを表現しているが、サムスリターンズは2D作品でありつつも3Dオブジェクトを用いて全て奥行きが表現されている。また、AM2Rはそれまでの2Dメトロイド作品の「ドット感」を重視しているのに対し、サムスリターンズはハードの性能上グラフィックの粗さが残ってはいるが、できるだけ3D寄りの美しい見た目になるように作られている。また、敵キャラのデザインも数えきれないほどの違いがある。
- 新エリア開放の演出
原作はエリア内のメトロイド全滅時に都合よく地震が発生。これについてAM2Rは「関係性の不明な地震」と、「判明していない」扱いで追及を回避しており未解決なのに対し、サムスリターンズはチョウゾの封印で、エリア内の全メトロイドを撃破し各個体のDNAを像に注入して開放、という少々難はありつつも辻褄は合っている設定になっている。
- アルファメトロイド、ガンマメトロイドの倒しにくさ
原作やサムスリターンズより攻撃の挙動が読みにくいほか、アルファメトロイドに関しては複数体の群れで登場することもあるためそれぞれの対処が大変になる。また、サムスリターンズは特定の状況でメレーカウンターを決めることで大ダメージを与える隙を作ることができるが、AM2Rにはそういった倒しやすい隙はあまりないことも難しさに拍車をかけている。
- Xの扱い
サムスリターンズはエンディング後に「Xが自然に復活した」となっているが、AM2Rは更に演出を掘り下げている。詳しくは実際にやりこんでほしい。ただし、公式である新作でフュージョン以降での「X」の真実が明かされている。
- 登場キャラや、その行動の違い
サムスリターンズでは削除されていたセプトーが至るところに登場するほか、敵キャラクターの挙動もゲーム性が違うことでかなり異なっている。その他、サムスリターンズには登場しないキャラクターやオリジナルキャラクター、メトロイドフュージョンからの意外な登場キャラクターなどもいる。
また、連邦軍に関してはどちらも登場するが、サムスリターンズの方は特に個人の特定できないようなスーツだけの登場だったが、AM2Rの方はメトロイドプライム フェデレーションフォースに登場したようなキャラクターも登場する。
- 汎用性や拡張性
AM2RはPCやスマホ、サムスリターンズは今のところ3DSのみ。移植されれば話は別だが、AM2Rは現行開発中のためメンバーやOS制作側がその気になれば次世代OSにも対応するのに対し、サムスリターンズは3DSのみ。
- 入手性
これはどっちもどっち。AM2Rは無料だがインターネット必須で入手性が良くも悪くもない。サムスリターンズはダウンロードなら「nintendo e-shop」(2023年まで)、カートリッジなら通販サイトか中古屋(成人のファンが多いため、おもちゃ屋さんや家電量販店には並んでいないことが多い。)で購入できる。
- ストーリーの捏造・矛盾
これに関しては二次創作なので仕方がない。再三言うが、AM2Rは本家本元かつ原作者である任天堂とは一切関係ない非公式作品である。
関連リンク
https://en.wikipedia.org/wiki/AM2R
関連タグ
・・・っでこれ結局完成してるの?
結論から言うと本当はまだまだバージョンアップの予定があり、一応ゲームクリアまで進めるようにはなっているが正式には完成していない。
そのため未修正のバグや中に入れない転送装置など未完成の要素は存在するが、通常プレイ自体大した問題はない。
その後
公開停止に関してはAM2Rの製作中心となっていたDoctorM64氏は「既に公開停止が来るリスクがある事を覚悟はしていたが、思っていたよりも早く来た事にショックは受けた」との事であったが、本家本元の任天堂がメトロイドⅡのフルリメイクを発表した事に喜び、サムスリターンズの製作を担当する企業のTwitterアカウントには応援のメッセージを贈る等非常に歓迎していた様子。その後氏はこのAM2Rで得た物をプラスと考えており、既存のipに頼らない作品の製作に意欲を見せているという。
なお、サムスリターンズは2015年頃からプロジェクトが始まっていたが、坂本賀勇氏は実はこのAM2Rの存在を知らなかったらしく、公開停止を受けたという話で知ったらしい。
入手方法
当時こそ公式ホームページから簡単かつ安全にダウンロードできた本作だが、公開停止に伴い複雑なものばかりとなってしまった。ここでは主なものを紹介する。
- torrent経由
海外サイト「reddit」の非公式版AM2R公式アカウントのページから該当ページにアクセスし、記載されているマグネットリンクを用いてtorrentでダウンロードする方法。
この方法自体は安全だが、両サイトともに英語のためややこしい。またtorrentの使いずらさもあり、決して万人向けなやり方ではない。
- uptodown経由
pcソフトダウンロードサイト「uptodown」で入手、終わり。
恐らく一番見つけ易く、楽な方法。だが、このサイトそのものが非常に怪しいため、おすすめできない。もしダウンロードするなら、「過去のバージョン」から「v1.1」を選択したほうが、後々都合がいい。
- Malavida経由
PCソフトダウンロードサイト「Malavida」で入手、終わり。
「AM2R ダウンロード」と検索しないと、中々出てこないサイトでの入手。配信はv1.1のみのため、間違えることはない。なお、このサイトはノートン開発元のシマンテックも「危険ではない」としているため、前述のuptodownよりは幾らか安全であるが、過去にスパム報告も数件されているので、インストールの際は慎重かつ自己責任で。
初期セットアップ方法
非公式版は現在も開発が続いており、ランチャーなども配信され便利になった反面、初心者にはわかりにくくなっている。ここでは初期セットアップ作業について簡単に解説する。
- AM2RLancher、AM2Rv1.1を用意する。
- ランチャーを起動し、指示に従う。
- AM2Rv1.1を要求されるので、選択する。
- 再度指示に従い、セットアップ完了。AM2R本体自動起動。
- 必要なら、ランチャーの「Settings」から言語を日本語にしておく。ランチャーが日本語になる。
- modを入れたいときはランチャーの「Mod Settings」「MOD設定」から指示に従って希望のMODを選択し、ランチャーにインストールする。
- AM2R本体も「OPTIONS」⇒「DYSPLAY OPTIONS」⇒一番下の項目「LANGUAGE」を左右キーで「JAPANISE」とすれば、隅から隅まで安直な翻訳感の無い自然な日本語にできる。しかし、MODによっては英語で起動しないとエラーで起動できないので、あらかじめ「LANGUAGE」を「ENGLISH」にするように。
- セットアップ時ののダウンロードが中々進まないときは、回線環境を確認した方が良い