曖昧さ回避
- ファイナル・カット - 2004年にアメリカで公開された、ロビン・ウィリアムス主演のSFサスペンス映画。
- ファイナル・カット - 1998年にイギリスで制作・公開されたドキュメンタリー映画。
- Final Cut - 米Appleが販売する、Macintosh向けのノンリニアビデオ編集を目的としたアプリケーション群。
- 「FINAL CUT」:フジテレビ系列で放送されたドラマ。本項ではこちらを解説。
概要
『FINAL CUT』は2018年に放送されたテレビドラマ。
カンテレ制作・フジテレビ系の「火9ドラマ」枠(現在の「月10ドラマ」枠)で放送された。
主演は亀梨和也。主題歌は、KAT-TUNの「Ask yourself」。
あらすじ
WEBサイト「MP.info.net」の管理人で警察官の中村慶介には、12年前・2006年3月12日、母・早川恭子が経営する保育園「ルミナスキッズ」に通う女児が死体で発見され、マスコミによって、あたかも母が殺人犯であるかのように報道され、母が自殺に追い込まれたという過去があった。しかし、女児の死体が発見された現場付近では保育園の上階で法律事務所を営む弁護士・小河原達夫の息子、 祥太が目撃されていた。しかし、マスコミは祥太のことは全く報道せず、恭子を一方的に犯人に決めつけたのである。
慶介は12年前の事件の真相を知るため、警察官となって事件に関する書類に近づく機会をうかがうと同時に、報道被害者のためのサイトを開設し、恭子を犯人として取り上げた東都テレビワイドショー番組「ザ・プレミアワイド」のスタッフに復讐するための情報を収集していた。そして、サイトに寄せられた情報をもとに「ザ・プレミアワイド」のプロデューサー・井出正弥の本性を映した映像を作成すると、それを使って、井出を操り人形に仕立てることに成功する。さらに、井出以外の番組スタッフたちにも不正の証拠をつきつけ、彼らを自らの復讐の駒としていった。一方、慶介は祥太に関する情報を収集するため、素性を隠して祥太の姉妹・雪子と若葉に接近する。
ここから、慶介の復讐劇が始まっていく…。
登場人物
WEBサイト「MP.info.net」の管理人。警察官。階級は巡査長。1987年6月23日生まれ。旧姓:早川。12年前、母・恭子が経営する保育園にて女児殺害事件が起き、ワイドショー番組「ザ・プレミアワイド」にて、あたかも彼女が犯人であるかのように取り上げられたことで、彼女がマスコミに追い詰められ、自殺をしたことから、事件の真犯人探しと復讐を目論む。「これがあなたのFINAL CUTです」が脅す時の決め台詞である。いつも自宅にコーンフレークを常備しており、そればかり食べている。
若葉の前では会社員「高橋守」、雪子の前では小学校教師「吉澤優」という名を名乗っている。
ザ・プレミアワイド
- 百々瀬塁(演:藤木直人)
司会者。「OFFICE 100」経営。趣味はクロスワードパズル。時間さえあれば、常に解いている。家族構成は若年性アルツハイマーを患い入院中の妻とシンガポールに留学中の息子。12年前に慶介の母の事件を取り扱っており、芳賀からの情報をもとに恭子を犯人扱いし、あたかも恭子が犯人であるかのように世論を誘導した。
不都合が起きても要領良く対応する手腕を持っているが、自分の能力を超える不都合が起こった際にはヒステリックに荒れる一面を持つ。
ワイドショーの司会者を江戸時代の瓦版売りのようなものだと考えており、大衆を熱狂させる情報を常に提供する義務が自分にあるという自負を持っているが、それだけに顔を隠していた瓦版売りとは異なり、常に顔をさらしているため、絶対に自分に恥をかかせない番組を作るよう、スタッフに圧力をかけている。
- 小池悠人(演:林遣都)
若手ディレクター。目黒区西目黒3-2-6在住。実家は祖父:小池礼町、祖母:小池タエ、父:小池克哉、母:小池優子。もともとは報道志望だったが、現在はネットで収集したネタを担当しており、同業者達からミスター暇ネタと呼ばれている。自身はそのことを快く思っておらず、その鬱憤晴らしとして、犯罪・迷惑行為を行った人物を対象に、個人情報をネットに晒して断罪することでネット上では神と呼ばれている。仕事の納期を守れないなど能力的には未熟。
しかし、慶介に自身の問題行動と個人情報を掴まれ、半ば強制的に復讐に協力させられる。
- 皆川義和(演:やついいちろう)
取材対象を執拗に追い回し、根負けした相手から強引にコメントをとる手法を得意とする。競馬中毒であり、私生活は自堕落。12年前は恭子を執拗に追い回して精神的に追い詰めた。さらに有名子役転落事件後は、犯人と目された成田光喜を子供であるにもかかわらず執拗に追い回し、怪我までさせたうえに強引に犯人と認めさせた。このような強引な手法や盗撮した映像を横流しして利益を得ていたことなどを慶介につかまれ、彼も慶介の復讐に半ば強制的に協力させられることになる。
- 井出正弥(演:杉本哲太)
番組プロデューサー。敏腕のジャーナリストして知られるが、実際は部下の手柄を横取りし、失敗は部下に押し付けるといったあくどい手で今日の地位を築き上げたに過ぎない。傲岸な性格だが根は小心であり上司には卑屈な態度で接している。
恣意的な映像編集で特定の人物を貶める手法を得意とし、12年前に慶介の母・恭子を自殺に追い込み、さらに江藤みずきの主治医が医療ミスを犯したかのように報道し、バッシングの対象とした。慶介に自身の本性を掴まれ、慶介の操り人形に仕立て上げられたうえに、みずきの主治医に関する報道に関して、謝罪と訂正を行うよう強要された。慶介から脅迫を受けた際はしどろもどろな口調で言い訳を繰り返し、謝罪はしなかった。
- 真崎久美子(演:水野美紀)
番組ディレクター。フリー記者出身。既婚で娘が一人いる。上昇意識の強い冷酷な性格であり周囲からは恐れられている。失業中の夫を支えるなど家庭では良妻賢母である。
12年前、恭子に味方のフリをして近づき、独占インタビューをおこなうものの、恭子の疑惑を深めそうな部分だけを放送に使い、恭子を精神的に追い詰めた。
アパート大家殺害事件の発生後、警察の自粛要請を無視して、容疑者に接触し、容疑者が逃亡する原因を作っている。その後、金銭と引き換えに逃亡中の容疑者からインタビューを引き出し、その内容が虚偽であることであることを知りながら放送しようとしたが、その事実を慶介に掴まれ、さらに娘の存在を把握していることも示唆されたため、スクープを自らの手でボツにすることを余儀なくされ、編集会議で自己批判させられた。慶介から脅迫を受けた際は、強気な態度を崩さず一貫して謝罪を拒否した。
小河原家
- 小河原雪子(演:栗山千明)
本作のヒロイン。事件の鍵を握る姉妹の姉。光の森美術館で学芸員をしている。純粋に美術を愛しており、採算主義の方針に館長たちに内心反発している。
12年前、事件のあった晩に死体発見現場で恭子を見たと証言している。
温厚で冷静な性格をしており、慶介の正体に早くから感づいたが、その後も彼に好意を抱き続けている。
- 小河原若葉(演:橋本環奈)
事件の鍵を握る姉妹の妹。グローバルソフトジャパン受付嬢。
12年前に祥太のアリバイを証言している。慶介の思惑を知らず、のめり込んでいく。
天真爛漫だが周囲(特に姉)を振り回す悪癖がある。
慶介の正体を知った後、彼に祥太のことを調べるかわりに恋人にして欲しいと願い出るが断られる。
- 小河原祥太(演:山崎育三郎)
雪子・若葉の兄。1981年8月8日生まれ。若葉からは慕われている。
12年前に女児の遺体が見つかった現場で目撃されるも、若葉が自宅で一緒にいたと証言したため、捜査の対象から外された。12年前の事件のあった日、雪子には「父の事務所で司法試験の勉強をする」と伝えていたが、雪子が訪ねた時には不在であった。同じ日、病気のため自宅の2階で寝ている若葉が1階に下りた時には、1階にいた。しかし、慶介はそれを「嘘のアリバイ」だと推測し、彼が真犯人であることを主張している。
- 小河原達夫(演:升毅)
小河原家の父。小河原法律事務所所長弁護士。娘・若葉いわく、仕事人間。
12年前、司法試験勉強中の祥太に悪影響が及ぶことを怖れ、芳賀に祥太を捜査対象から外すよう依頼した。
雪子に祥太の疑惑について問い詰められると、防犯カメラにて12年前の事件は祥太の犯行であることを確信し、どうしようか悩んでいたところ、恭子が犯人として取り上げられるようになっていたが、当時雪子は高校生、若葉は小学生であり、そのことを思うとどうしても真実を話せなかったことを明かす。
警視庁
- 高田清一郎(演:佐々木蔵之介)
新宿中央署副署長。12年前の事件の担当刑事。小河原達夫の法律事務所の防犯カメラを調べるよう上司に進言した途端、担当から外された。その後、テレビで恭子を犯人とする報道が流れたことに疑問を覚える。そこで、神野・芳賀に接近し、12年前の事件を再調査する機会をうかがっていた。
百々瀬と癒着している芳賀寄りの言動が多く、百々瀬とは情報の交換はおこない、持ちつ持たれつの関係を築いているが、彼から連絡があったときには不快感を露わにするなど、芳賀ほど百々瀬との関係は深くない。また、自殺防止のために公務執行妨害の容疑で逮捕した矢口透を殺人犯扱いし、両親に謝罪のコメントまで出させていた百々瀬の放送を見て激昂するなど、「ザ・プレミアワイド」の報道姿勢も嫌っている。
慶介が目を通す前に12年前の事件に関する書類に目を通していた。慶介が12年前の事件の重要参考人の息子であることやWEBサイト「MP.info.net」の管理人であることを把握しているが、特にそれを公言することはなく、慶介を見守っており、彼の調査にも協力している。一方でメディアや警察に歯向かうことの恐ろしさを慶介に忠告するなど親のような立場で接している。
- 芳賀恒彦(演:鶴見辰吾)
警視庁の刑事部部長。階級は警視監。1965年12月29日生まれ。百々瀬と癒着しており、高田から苦言を呈されている。
12年前、娘が起こした万引き事件を示談にしてくれた小河原達夫の依頼を受け、祥太を捜査の対象から外すべく、百々瀬に捜査情報の一部をリークし、恭子に疑いの目が向くように仕向けた。