登場怪獣
宇宙商人マーキンド星人
あらすじ
脳が異常収縮した男の遺体が発見され、DEUSはエイリアンによるキャトルミューティレーションの可能性を挙げる。
一人公園に来ていたジンは、タマルという眼鏡にスーツ姿の男に声をかけられた。タマルはジンに仕事をしないかと持ち掛けてきた。気が向いたら連絡をくれとタマルは名刺を渡して帰っていった。
DEUSの指示で、脳の収縮死体を調査していたジンとケイは被害者の持ち物の中に大量の現金とジンももらったタマルの名刺が入っているという共通点を見つけた。タマルが事件のキーパーソンとみなしたジンたちは、タマルの仕事を受けることにする。
夜の公園で待っていたジンとケイ。そこには数多くの人間たちが集まっていた。彼らは住所も定職もない「ホープレス」と呼ばれる人々、ケイ曰く「夢も希望もない負け犬」であり、ジンもホープレスの一人と間違われて誘われたようだった。一応、ホープレス対策として政府が仕事の斡旋を行って入るものの、その多くは他の人間がやりたがらないような類のものであり、成果はいまひとつなのだという。
ジンはケイに「どうして危険な仕事であるエージェントをしているのか?」と問う。それに対しケイは「地球を守る為には給料が安すぎる。しかし、それでもエージェントとして働こうとする強い信念がある」と返す。
ジンは他のホープレス達と共に地下工場へと連れてこられた。タマルが提示したのは「時給はまぁまぁでキツイけれどリスクの無い仕事」と「時給は凄く良くて楽だけれどリスクのある仕事」の二つ。前者は単なる体力仕事だが、後者はヘッドホンのようなものをつけられてボーっとしているだけというもの。一人の青年がタマルにお礼を言うが、その直後に倒れてしまった。「やめとけって言ったのに」と呟くタマル。実はこの仕事は脳からエネルギーを吸収しているのであって、脳が収縮しているのはこれが原因だった。
タマルは自分はビジネスをしているだけと言うが、ジンは侵略兵器の開発に手を貸している以上は同罪だと断じる。しかし、それでは事情を知っていても仕事に加わった地球人達も同じように倒すのかと言うタマルの問いにジンは迷った末にタマルとホープレスは違うと答える。
ジン達は雇われたホープレス達を解放しようとするが彼らに強く抵抗される。あなたたちは地球征服の兵器作成に利用されているんだというジンに、ホープレス達は死んだような目で
「それがどうかしたの?別に関係無いしー」
「私達は今お金がいるのよ。お金くれー!」
ジンが
「地球がどうなってもいいのか!あなたたちは命を削ってるんだぞ!」
と叫んでも
「そんな事より明日の生活の方が問題だよ。どうせ未来なんて真っ暗なんだし」
と抗議してくる始末。
ケイは労働作業場でウルトラガンを発砲し強引に言うことを聞かせていた。
タマルを追いかけクライアントの名前を言えというジン。タマルの正体はマーキンド星人と言うエイリアンだった。
「私を倒す気らしいが、それならさっきの連中も倒すんだろうな?自ら望んで侵略兵器にエネルギーを与えてる。奴らだって私と同罪だ。違うか?」
「地球の滅亡に手を貸す人間、自らの命を売りに出す人間…お前はそんな連中のために戦うのか?」
ジンはウルトラセブンXに変身。タマルも眼鏡をはずしマーキンド星人としての姿を現した。
ビルの中で等身大で戦うセブンXとマーキンド星人。戦闘のさなか、星人は語る。
「お人好しのお前に教えてやろう。私に、あの侵略兵器を頼んできたクライアント…それは、人間だ!」
直後、側頭部にアイスラッガーが命中しマーキンド星人は爆散するのだった。
かくしてマーキンド星人の野望は防がれ、ホープレス達は救出された。しかし……
「あーあ、楽だったのになー」
助けてもらったことに感謝もせず愚痴をこぼしながら町へ消えていくホープレス。果たして彼らを救ったことは間違いだったのか?星人の言ったことは正しかったのか?苦虫を嚙み潰したような表情でジンはその場を去るのだった。