人間は脳の容量の70%を使用していないと言われている。
人間のもつ不思議な力はこの中に秘められていると考えられている。
この使用されることのない脳の70%は「HIGHT HAED」と呼ばれることがある。
概要
1992年10月から1993年3月までフジテレビほかで放送されたテレビドラマ。
深夜枠にもかかわらず圧倒的な人気を得て後に映画化、小説化、漫画化、ゲーム化もされている。
さらに2006年には「NIGHT HEAD GENESIS」の題で、2021年には「NIGHT HEAD 2041」というタイトルで、それぞれアニメ化されている。
2つのアニメ版の詳細はそれぞれの該当記事を参照。
テレビドラマ「世にも奇妙な物語」の中の一話(第191作目)、飯田譲治氏が脚本・演出を務めた「常識酒場」・「トラブル・カフェ」が原案であり、そのストーリーはHIGHT HEADの一話にも流用されている。その時、霧原直人を演じていた今井雅之はテレビ番組の好評を受けて製作されたスペシャル番組「NIGHT HEAD THE OTHER SIDE」で主演の刑事を演じている。
超能力を持つ兄弟を主人公にしたサイキックドラマ。超能力と、それによって引き寄せられる数々のトラブルに兄弟が苦悩し立ち向かっていく終始シリアスなストーリー展開であり、超能力用語が多数登場し、神話や古代文明、精神世界の要素も組み込まれている。
主題歌に、爆風スランプの名曲『神話』は、本ドラマをイメージして作曲されている。
ストーリー
サイコキネシスの超能力を持つ兄・霧原直人と、リーディングの超能力を持つ弟・霧原直也の兄弟は、その力故に幼い頃から両親から引き離され、人里離れた研究所で隔離されて育つ。研究所には特別な結界が張られており、二人は逃げ出すことができなかった。
15年後、結界が消え「普通の生活」を求め二人は研究所から脱出する。だが、二人の超能力は外の世界のマイナスのエネルギーを集め、二人に過酷な試練が次々と降りかかってくることになる。
やがて二人を導くかのように現れる謎の少女、双海翔子。超能力者の組織「ARK」。そして「変革」とはなんなのか。
登場人物
物を動かしたり破壊したりするサイコキネシスの能力を持つ超能力者。直也の兄。
精神の力で周囲の物を破壊する大きな能力を持ち感情的になると怒りの大きさに比例して強力になり、無意識の内に周囲の物や人を傷つけてしまう。序盤はその力に振り回されており常に自身の「枠」の中に抑え込んでいたが終盤になるとその力を受け入れ力は弟を守るためだと悟るようになり、双海翔子が示した「変革」への道を直也と2人で探すようになる。のちテレポーテーションを会得する。
相手の心を読み取るリーディングの超能力を持つ。直人の6歳年下の弟。
直人と同じ様に能力のコントロールが出来ず、他人に少しでも触れてしまうと無意識かつ強制的に相手の考えが見えてしまい、嫉妬や殺意等ネガティブな感情や欲望、時には読み取られた本人ですら気づかない潜在意識の底にあるものまで読み取ってしまいその度に大きなショックを受け昏倒してしまっていたが徐々にコントロール出来るようになり兄と共に歩んでいく。のちヒーリング能力を会得する
周囲の人物
御厨恭二郎
超能力を研究している科学者で「超能力研究所」の所長。
15年前、直人と直也を引き取った張本人。テレビ版では19話のみに登場。
姿は見せず5話では兄弟に依頼をしたり、11話では2人に能力を抑止する薬を送ったり手紙でのやり取りが主でどんな人物なのかは詳しい事は分からなかったがスペシャル番組や他媒体によりその性格や人物像が見えてきており不器用ながらも彼なりに二人を見守っており時には陰ながらサポートしていた。どの媒体でも最終的には別れ際に和解している。
友枝麻理子
「超能力研究所」の職員。
テレビ版での登場は4話のみで兄弟とは顔見知り程度の関係で特に強い関わりはなく生活費を兄弟に渡し兄弟は連絡先を教えるなど兄弟と御厨との橋渡し的な役割。
他媒体では友人関係に乏しい兄弟を心配して御厨が連れてきた女性で直人に一目惚れをし彼と対等でいる為に他職員とは違い普通に接していた。芯が強い部分もあり直人に助言し距離が近づいた事もあって直人とは一度だけ関係を持ったが淡いまま終わる。
岬老人
研究所近くに住んでいた老人で絶大な力を持つ超能力者。
エネルギースポットでもある場所に「超能力研究所」を建設を御厨に依頼した人物で完成後は敷地一帯に結界を張っていた。兄弟が外に出られなかったのはこれが原因だが結界で閉じ込めたように見せていたが実は外敵から保護していた。彼の死後、結界は解かれ兄弟は外を出るきっかけとなった。その名に於いては「御先(ミサキ)」と記す場合もあり死後もその魂は消滅することはなく彼岸と此岸の狭間とでも言うべき境地で兄弟を見守り続けた。
霧原幸彦
直人と直也の父親。
おもちゃ会社を経営しており試作品を持ち帰っては直人たちに遊ばせていた優しい父親だったが2人の能力を目のあたりにし日に日に力が増大していく兄弟の力に日常生活が破綻、御厨の研究所に招致するという苦渋の決断をする。
霧原直美
直人と直也の母親。
ごく普通の主婦で家族で一緒にいる事を幸せに感じる家庭的な女性だったが、我が子が特別な力を持ってしまったことにより、精神を疲弊させていってしまう。
テレビ版では強制的に家から連れ出された兄弟だが他媒体では飲み物に薬を入れ昏睡した時に家から連れだしていた。後半に起きた出来事で兄弟と岬老人、そしてエネルギースポットの力が連動り現実が変わった。両親と兄弟が望んだ過去を忘れる方向に(他媒体では兄弟の研究所脱走時に「両親に捨てられた」というマイナスの意識から時間にひずみが生じ現実が変化した形もある)
過去の生家は消失し、両親は全く別の場所で小さな時計店を営んでおり、この現実では兄弟は超能力も持たない普通の人であり幼い頃、事故で亡くなった(他媒体では池で溺死した)という形に世界が変わってしまったことが判明する(小説版では苗字も「桐原」に変化している)。
しかし形が変わっても兄弟は再び両親に拒絶されてしまう事になってしまった。
超能力者
双海翔子
「予知」「タイムトラベル」「サイコキネシス」等、様々な超能力の極限に至り肉体が消滅して精神体となった少女で霧原兄弟の前にたびたび現れては二人を導く。
神谷司にはそのビジョンを「天使」と称された。最後はより高位の異世界に旅立つ道を選び、兄弟に分かれを告げる。ロンゴロンゴと呼ばれる文字にメッセージを乗せ、直也に届けたことがある。
秋山唯
3、9話に登場したOL。リーディング能力を持つ。
3話では少しだけの能力だったが9話にてとある男に出会い触発され能力が制御が出来なくなる。
湯島昌幸(良朗)
5話に登場した小学生。マインドコントロールの能力を持つ。
飼っていた犬を轢き殺した高校生を無意識にマインドコントロールし死に導いた。
アニメ『GENESIS』などでは偶然会った翔子に懐いており、親に無理言って一緒に写真を撮ってもらった。超能力者として惹かれ合うものがあったと考えられる。
朝倉友香
7話に登場したOL。
直人の心を読み取り彼が望んだ世界を作り上げた。
少女
12話に登場した白服を着た少女。
アパートに監禁されており周囲の大人たちに利用されている。
堀川友里
13話に登場した喫茶店を経営している姉妹の妹。
姉との距離が近すぎて、姉の傍に誰も近づかせない様にする為にポルターガイスト現象を起こす。
神谷司
15話に登場した予知能力者。
普段はサラリーマンとして日常生活を送っているが休日には彼の信者に未来予知を披露している。
花輪正太郎
16、17話に登場した老人。
能力を使い人を殺めてしまった贖罪として人々を治療し続けている。
曽根崎道夫
18、20話に登場したマインドコントロールを持つ能力者。
霧原兄弟より先に御厨が超能力研究所に連れてきた初めての超能力者だが醜悪な心を持つ
変わった現実で両親と再会した霧原兄弟との間に入って関係を決裂させた張本人。
双海芳紀
21話に登場したARKの社員。自分の意識を通信機器を使って飛ばすことが出来る能力を持つ。
双海翔子と親類関係にあることを匂わす描写が僅かにあるが、明確にはされていない。
坂口修
21話に登場。奥原の秘書で感情や生命力に乏しい男。
「反能力」という全ての超能力が一切効かない特殊な能力を持つ。映画版にも登場している。
谷口吾郎
瀬田明夫
薗田弘美
21話に登場したARKの社員。19話では遠隔で兄弟と御厨を襲った
最終的には直人に倒されてしまう。
他キャラ
Y
邪悪な気を放つ不気味な男でその正体はふたりのマイナスの意識が具現化した存在。
兄弟が超能力という特殊な力を受け入れるにつれて姿を見せなくなる。
錦戸
警視庁上層部の幹部。御厨とは旧知の仲で超能力が関係するであろう事件の情報を御厨にリークしていた。研究所に保護される超能力者は錦戸からの情報も多い。テレビ版には登場していない。
立花美紀
双海翔子の親友。
霧原兄弟が超能力研究者を脱走した直後、完全に肉体が消滅した翔子の帰りを待ち侘びている。
翔子が残した意味不明な文字で書かれたノートを持っており、そこに記された通りに霧原兄弟と邂逅して以降、超能力絡みの事件に巻き込まれる。
映画版
『NIGHT HEAD 劇場版』のタイトル上映。ストーリーはテレビシリーズの完結編となっている。
直人と直也はある日、何者かに追われている男が彼らに何かを訴える残像に遭遇しその行方を辿っていった2人は、天元早紀枝という自閉症気味の高校生に出会い彼女も2人と同じように能力者だった。折しも彼女と彼女をいじめていた5人の女子高生がプールに集団入水自殺を起こす事件が起こったが早紀枝だけが助かり自分の感情が他人に感染するという「感染能力」を持つ早紀枝は女子高生たちを自分が殺したのだと罪悪感にかられていた……
天元早紀枝
とある高校の女子生徒。
自分の感情が周囲に伝染してしまう特殊な能力を持つが自分では全くコントロールが出来ず、唯一幼い頃から味方でいた妹以外には周囲から疎んじられていた。伝染しないよう感情を押し殺し自らの境遇に悲観している。がある事件がきっかけでARKに目をつけられてしまう。
奥原晶子
ARKの女社長であり予知能力者。
老婆の姿をしているがこれは能力で酷使しすぎた為でその実40代の女性。社員の脳開発と変革を防ぐ為にアーク・コーポレーションを創立する。現実を変えるほど大きな能力を持つ霧原兄弟に対しては「不確定要素」としてその動向を窺っていたがARKに入社する可能性が無いと知った時には、「消去」として抹殺にかかる。
三雲玄吾
ARKの社員でマインドコントロールの能力を持つ。
長身で端正な身のこなしを持つ反面、残忍で冷酷な一面もあり人の殺害とかも平気でこなすが「死」への抵抗がなく心の底でいつの日か自分を殺してくれる相手が現れるのを待っていた。
都築洋介
天元早紀枝を監視するためにARKから派遣され高校教師を勤める。
能力は微々たるものだが天元早紀枝へ恋愛感情を抱いたことがきっかけでARKへ疑問を抱くようになる。
テレビスペシャル
『NIGHT HEAD THE OTHER SIDE』のタイトルで製作されたスペシャル番組。
本編のサイドストーリーであるため、霧原兄弟はわずかしか出てこない。
劔木浩一(演:今井雅之)
本編の主人公の刑事。現場に憑りつかれたかの様に事件を追いその事で不幸を呼んでると思い込んでる妻との夫婦仲は冷めていた(息子が交通事故で死んだのもそのせいだと思っている)
現実的で超能力は全く信じていなかったが霧原兄弟に助け出されてから信じられないながらも超能力という存在を感じている。
百目鬼法一
宗教団体の教祖。だがその実は炎を生じるパイロキネシスの能力があるかのように振る舞い、イカサマの超能力を披露しそれを本物のように見せ、そのカリスマで多くの信者を獲得し多額の寄付金を集めていたが最終的には霧原兄弟により教団は消滅した。