概要
アイテム番号: SCP-100-JP
オブジェクトクラス: Safe→Euclid→Keter
メキシコ、ユカタン州の████に存在する1922年に建てられた木造建築の2階建ての屋根裏部屋がある家屋。 2階に付けられた梯子から屋根裏部屋へと登った場合、あきらかに表から見た建物のサイズからかけ離れた木造の空間が延々と続いており、その空間は無重力且つ真空。 そしてその空間内には(様々な家具を分解したあとのような)木材を粗雑に組み合わせた直径10センチ前後の球状の「惑星」と、これらの木材の内側に電球を組み込んだそれよりはるかに巨大な「恒星」が浮遊している。(電球を点灯させる電力がどこから来ているのかは完全に不明) 惑星や恒星の配置は現在の我々の宇宙と観測する限りは一致していることが財団の天文学部門によって解明されている。
また、これら惑星や恒星は簡単な衝撃で崩壊する。
まだこれだけならいい。
しかしこのSCP、オブジェクトクラスはSafeから最終的にKeterまで引き上げられている。
それもそのはず、空間内の惑星や恒星にダメージを与えると、現在の我々の宇宙のそれに同期する惑星や恒星にもダメージが与えられてしまい、「壁」に与えられたダメージは宇宙空間そのものに同じようなダメージを与えるのだ。
過去に財団の研究チームが誤って恒星の一つを破壊した際には、██年後に対応する星だったおうし座付近にある恒星█████が恒星寿命に関係なく超新星爆発を引き起こしてしまった。
この時は「気を付けていれば大丈夫」ということでEuclidに格上げされて終わったが、事はそれだけでは終わらなかった。
200█/█/██、地震によって家屋の一部が損壊。 屋根裏部屋の壁に穴が開き、また多数の"惑星"・"恒星"が破壊されてしまった。 (この結果何が起こったのかはレベル5クリアランス未満の職員には非公開とされている)
そう、築100年近くの小屋の屋根裏部屋である以上、何時小屋ごと倒壊してもおかしくないのだ。 屋根が潰れて"宇宙"が崩壊すれば、こっちの宇宙空間も同じことになってしまう。
仮に直接屋根が潰れなくても、"地球"に相当する"惑星"が何かの弾みでも破壊されるだけで地球に存在するこの"宇宙"も結果的に崩壊する危険性がある。
即ち、いつ「宇宙完全崩壊」というKクラスシナリオのトリガーとなっても何ら不思議ではない危険な存在なのだ。(実際に"宇宙"が破壊されたときに何が起こるかはあくまで予想でしかない。だが、内容が内容なのでそれを確かめることはできない)
このため現在は天文学者及び武装戦術チームを混成させた機動部隊イオタ-8("星守")が駐留し監視しており、無許可でサイト-103の半径5km内に侵入した者は即座に終了(=射殺)される。
因みに、全体的に「破壊不能」、「破壊されても再生する」SCPオブジェクトが多かった初期に作られたSCPには珍しい「不可逆的な破壊がされ」、「破壊されることで取り返しのつかない事態に発展する」オブジェクトである。
これは当時流行していた「破壊不能」なオブジェクト案の横行に対するメタとして作られたかららしい。
そして、日本支部の誕生のタイミングと近かったことも有って、このSCPは日本支部に投稿されたらしい。