概要
アイテム番号:SCP-1786-JP
オブジェクトクラス:Euclid
SCP財団日本支部が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「水族館の牢獄」。
2013年の8月2日からとある場所で観測されている異常現象。この現象により、ある一人の女性(現在は財団の管理下に置かれており、「SCP-1786-JP-1」とされている)はその地点から脱出できていない。
その現象が起きた場所は元々は普通の水族館であり、SCP-1786-JP-1は当時その水族館の職員として働いていたごく普通の女性であった。しかし、彼女が館内にある巨大な淡水水槽の掃除を終え、水槽から出ようとしたところで事件が起きた。凍り付いたわけでもないのに水面が超硬質化し、水中に閉じ込められてしまったのである。
彼女の救出のために一時は消防隊も出動する騒ぎとなるが、結論から言って彼女はどうやっても水槽から脱出できなかった。水槽の水はただそれだけなら特に異常性が見られないが、彼女本人が脱出を試みたり他人が彼女を脱出させようとすると、その都度水面が硬質化してしまう。そしてその硬質化は一時的にでも脱出が断念されるまで半永久的に継続される。硬質化した水面の強度は高硬度の鋼に匹敵するほどで、硬質化が維持されている限りは人間の手だけではどうあがいても突破不可能。ドリルなどで強引に穴を開けても、水が取り除かれたそばから即座に硬質化してしまう。遂には水槽から水を全て抜いてしまう作戦に出るも、硬質化した水面と水槽の底に彼女が挟まれ圧死しかねない状況となり失敗。急遽再び水を張って命だけは繋ぎ止めるが、これによって消防隊も打つ手が無くなってしまう。
事態の発生から4日後、この日を以て当施設は財団の管理下に置かれる事となり、水族館としての役目を終えてサイト-8196となった。今現在においても水槽内に閉じ込められている彼女は、定期的に酸素ボンベやウェットスーツを交換し、チューブを通した流動食を中心とした食生活と水分補給を強いられながらも財団の管理の下でどうにか生きている。
その原因は諸説語られており、中にはSCP-1786-JP-1に何らかの原因があるのではないかという意見も挙げられているが、どの説にも確たる証拠は無く、事態の打開に繋がるような情報も無い。
ところで、ある年にSCP-1786-JP-1から新たな魚複数種を水槽内に入れてほしいという要望が出された(骨伝導を利用した水中トランシーバーにより明確な意思の疎通は可能となっている)。協議の末にこの要望は通り、後日水槽には希望された魚が新たに追加された……のだが、その旨を報告すると共に彼女にインタビューを行った研究員が、数日後に突然異動依頼を出してサイト-8196とは別のサイトへ移った。さらにその後実施された財団忠誠心評価テストにおいて、当該研究員が以前より大きく下回る得点を記録した事が判明。この一件からSCP-1786-JP-1に「何か」がある可能性が疑われているようで、SCP-1786-JP-1への尋問が検討されている。