新生・日本戦車
STA-1(ST-A1)は、冷戦初期の1950年代に試作された、戦後日本で最初の国産戦車。
防御力より機動力重視の軽量化、低車高の追求など、レオパルト1やAMX-30といった後世の次世代戦車にも類似する先進的な設計を有した。
しかし、低車高で切り詰められた車内に旧軍戦車から引き継いだRF配置(※1)による長大なシャフト構造が組み込まれた結果、STA-1の内部空間は乗員にとって極めて窮屈なものとなってしまった。
また、車体が長大となり過ぎたことによる旋回操作の不具合、エンジン上面の突出による砲俯角の背後における制限といった欠点もあり、STA-1の設計が採用されることはなかった。
(※1:エンジン後置・トランスミッション前置、すなわちリアエンジン・フロントドライブのこと。)
STA-2から61式戦車まで
STA-1に次いで開発されたのが、第2案のSTA-2。
武装やRF配置の駆動系は同等ながら、低車高の追求を省かれたことで車内がSTA-1と比べて広くなり、また砲塔位置が高くなったことで砲俯角に関する問題も解消されたため、概ね好評とされた。
その後、STA-2の設計はSTA-3に引き継がれ、最終的に61式戦車としての採用が決定。
1960年代から2000年代までの長期にわたって運用された。