Stgw57(独:Sturmgewehr 57) / Fass 57(仏:Fusil d'Assaut/伊:Fucile d'Assalto 1957)は、1950年代後半にスイスで開発された自動小銃。SG510とも。
1959年(60年とも)にスイス軍に採用され、1990年代にSIG550で代替されるまでスイスの主力小銃であった。
概要
スイスでは、シュミット・ルビンM1889(K31)の更新のために1948年から自動小銃の開発を開始。
ベルン造兵廠とSIGの両者で試作され、審査の結果SIG製が採用された。
作動方式はH&K G3に似たローラー遅延ブローバックで、セミオートの他にフルオート射撃も可能である。マガジンは20発入り。
銃身にはバレルジャケットが巻かれ、手前側に硬質ゴム製のハンドガードが備わる。
バイポッドは、長さの他に装着位置の変更(バレルジャケットの前側か後側)もできる凝った造りであった。
ただし、「突撃銃」と名付けられてはいたものの、弾薬は従前のM1889と同時に採用された7.5×55mm弾で、本銃に使われたものは1911年に装薬を変更し尖頭弾化した「GP11」である。つまり、第二次世界大戦どころか第一次大戦前の大型・強力な小銃弾がそのまま使用され、他国で本銃と同時期に開発されたアサルトライフルのように、弾薬の小型化はなされなかった。
実は、StG44と同様に弾薬の短縮化が検討されたものの、周囲のNATO諸国が7.62×51mm弾を採用したためにそれまでの弾薬を継続して使うことになったという。
結果、全長1,105mm・重量は単体で6.1kgという堂々とした仕上がりになった。M14やG3、L1A1はだいたい4.5kgくらいなので、歩兵用としてはかなり重い銃と言える。
スイス軍では、歩兵が使用していた小銃、軽機関銃、短機関銃を本銃で一括して更新した。
輸出はされたものの、価格の高さと重量が敬遠されたためか実績は振るわなかった。7.62×51mm(NATO弾)仕様がチリやボリビアなどで採用されたが、主力小銃にはなっていないようである。
西ドイツとフィンランドでも主力小銃の候補には入ったが落選している。
スイスでは、SIG550の登場で退役した個体が1991年から2014年の間に兵役を終えた民間人へ譲渡されている。2015年に軍が予備火器として保管していた個体が退役した。