概要
マッドマックスシリーズの主人公・マックス・ロカタンスキーの搭乗する対暴走車両迎撃用特殊改造車で、同人物の愛車でもあり、後述する漆黒の精悍なボディやボンネットより突き出したスーパーチャージャーと言った特徴的なデザインは、世界各地でレプリカ車が作られる等、同シリーズの象徴として人気を集めている。
基本設定
1973年製フォードファルコンXB GT クーペをベース車両とした角張った形状の精悍なフロントマスクを持つ漆黒のボディに加え、太めのリアタイヤ、ボディサイドより突き出した四対のマフラーを備えている他、最大の特徴はボンネットより突き出したシルバーカラーのスーパーチャージャー及びダブルオーバーヘッドカムシャフト(劇中での呼称はツインオーバーヘッドカム)搭載のV8エンジンである。シリーズ内でこのエンジンは度々、『Last V8(最後のV8)』と呼ばれており、排気量351立法インチ(5.8リッター)、最大出力600PSの性能を発揮する代物で、マックスからもその完成度は一目置かれている。
尚、変速機に関してはマニュアルトランスミッション(MT)かオートマチックトランスミッション(AT)かは不明。
又、現実に於いてスーパーチャージャーは通常、常時稼動する物だが、本車のV8エンジンに搭載された物は、シリーズを通して切り換え式になっている場合が多く、シフトレバーに備わった赤いプッシュプルスイッチを引く事でスーパーチャージャーのプーリーが回り出し、過給をON、押す事でプーリーの回転が止まってOFFと言った形で切り換える事が可能となっている。尚、本車のギミックとして象徴的なこのシステムだが、劇中車のスーパーチャージャーはダミーで、演出のため電気モーターで動作する物となっており、これは世界各地で作られるレプリカ車の仕様も同様。実際に劇中通りのメカニズムとなっている物は未だに存在しない模様。
シリーズを通しての劇中での活躍
『マッドマックス』
主人公マックスの所属する警察組織・メインフォース・パトロール(以降、M.F.P.)にて製作される。又、元々M.F.P.に於いては対暴走車両用の改造車として、同様にV8エンジンを搭載したパシュート・スペシャル(ベース車両はモナーロHQ)が製作されていたが、序盤にて同車を強奪した暴走族・ナイトライダーの逃走の際の運転ミスによって大破した事から新たに製作された2台目となる。劇中では、ブラック・パシュート・スペシャル(吹き替え版では黒のインターセプター)と呼ばれていた。
製作理由としては、警察官として誰よりも高い技量を持ちながら、前々から辞職を申し出ていたマックスを引き留めるべく、隊長のフィフィの指示によって作られた。製作を担当した整備士のバリーによると、有り合わせのパーツでエンジンを作ったとの事で、当初よりマックスからその完成度の高さに一目置かれていた。
しかし、終盤にて妻・ジェシーに重傷を負わせ、長男・スプロッグや僚友・グースを殺したトーカッター暴走族一味への怒りから狂気に取り憑かれたマックスは、それまで乗っていたM.F.P.パトロールカーでは無く、確実に復讐を遂げるためか、本車を無断で持ち出し、孤軍復讐に繰り出す。最終的にインターセプターの卓越した追跡能力でトーカッター一味を全員轢き殺す(厳密には一人は射殺、もう一人は焼殺)が、最愛の家族を失ったマックスの気持ちが晴れる事は無く、インターセプターに乗ったまま、何処へとも無く、走り去っていった。
本作での外見的な特徴としては、ボンネットより突き出したV8エンジンのスーパーチャージャーはウェイアンド製で、フロントマスク下部にはアンダースポイラーが備わっている他、四対のマフラーは先端がファンネル形状となっている。又、ボディサイドにはM.F.P.のエンブレム、車体後方のナンバープレートはナンバーの代わりに『MFP』の3文字がそれぞれ入っており、助手席側には青いパトランプが備わっている(ポスタービジュアルではルーフレールが備え付けられ、その上に赤と青のパトランプが付いている)等、今作に於ける本車は後のシリーズに登場する物と比較して、パトロールカーとしての印象が強い。
『マッドマックス2』
前作に引き続き、登場。前作終盤で無断で持ち出して以降、マックスの愛車となっており、前作で生きる希望を失ったマックスはこの車に乗って相棒の犬と共に宛もなく走り続けていたが、道中燃料を付け狙ってきたウェズら暴走族をカーチェイスの末に追い払う。
ある時、道中襲撃されながらも返り討ちにしたジャイロ・キャプテンの案内でマックスはインターセプターの燃料の残量が少なくなった事もあり、周辺区域を縄張りとするヒューマンガス率いる暴走族の襲撃に日々脅かされている石油精製所へと辿り着く。マックスはパッパガーロ率いる石油精製所の面々と接触し、燃料を見返りに彼等が脱出に用いるためのトレーラーを運び込むため、一旦インターセプターは彼等に預けられる事となる。トレーラーを調達したマックスは報酬の燃料をインターセプターに補充すると、パッパガーロ達の引き留めも聞かず、再び走り去ってしまう。
しかし、再びウェズ達に襲撃され、カーチェイスの末にフロントガラスを粉砕されてインターセプターは転倒。マックスも放り出されてしまう。しかし、ウェズ達が積算した燃料を狙ってタンクに手を出した事によって車内に組み込まれた爆破装置が作動。インターセプターはウェズ達を巻き込んで大爆発を起こす。
本作では長旅の中で錆と砂にまみれた年季が入った姿となっている他、マックスの手によってか、改造が施されており、前作とはやや違った印象を受ける。又、前述のウェズ達の襲撃の際、敵の車に体当たりしたため、序盤でノーズが破損する。
最大の特徴であるボンネットより突き出したV8エンジンのスーパーチャージャーは交換されたのか、SBCクラガー製になっており、軽量化のためかフロントカウル下部のアンダースポイラーも取り除かれている他、ボディサイドのM.F.P.のエンブレムは無くなり、四対のマフラーはファンネル形状からストレートな形状となっている。車体裏側には不意打ち用のナイフに加え、前述のスイッチを切らずに燃料タンクのキャップを開けると起爆する爆破装置が仕掛けられている。
又、車内に関しては旅路に必要な様々な物資がシート後方に乱雑に置かれ、ステアリングコラム上にガソリン警告灯付きのフューエルゲージが後付けされている他、前作ではシフトレバー前側に備わっていたスーパーチャージャー起動用のプッシュプルスイッチは、後ろ側に備わっており、車体後方のトランクはリッドが取り除かれた上で長距離移動用のためか、大型燃料タンクが二つ追加されている事に加え、補充用の燃料を入れたポリタンク、スペアタイヤも積載されている。
『マッドマックス/サンダードーム』
前作で破壊されたため、シリーズ内で唯一登場しない。
『マッドマックス 怒りのデスロード』
※前日談も含む。
劇中序盤に登場。前日談コミックである『マッドマックス 怒りのデス・ロード COMICS & INSPIRED ARTISTS』に於いて、マックスは優勝者にはV8エンジンが賞品として贈られるガスタウン開催のサンダードームのデスマッチに参加し、2で自爆した残骸をベースに、最終的には愛車を自ら復元すべく奔走するストーリーが描かれている。
このデスマッチを制したマックスは無事、エンジンを手に入れるも、自分の優勝に不満を持った盗賊一味・バザード達の襲撃によって奪われる。しかし、ある女性によって助け出され、バザードに捕らわれた娘・グローリーの救出を彼女から依頼されたマックスは、バザードの住処でグローリーを救出した傍ら、その住処でエンジンの車体搭載を完了したインターセプターを発見。それに乗ってグローリーと共に脱出を果たす。しかし、バザードのリーダーによる襲撃を再び受け、マックスの手でリーダーの男は倒されるも、グローリーとその母親を死なせてしまう結果となる。
この事が原因となり、映画本編に於いてマックスは、前述のコミック版に登場した少女・グローリーを始めとする助けられなかった者達の幻覚に苛まれており、それから逃げる様に旅を続けていたが、序盤でイモータン・ジョーの軍勢であるウォーボーイズによる襲撃を受ける。マックスはインターセプターに乗って逃亡を図るが、カーチェイスの末に転倒する。そのまま大破したと思われていたインターセプターだったが、ウォーボーイズによって奪われた上に改造され、彼等の車両として中盤に再び登場するも、最期は大型車両2台に挟まれて、横転、爆発しつつその車両のタイヤの接触によって飛散する。
デザイン的には全体として2の物の残骸をベースに復元されているため、基本的には同様だが、エンジンに関しては前述の通りコミック版に於いて、ガスタウンで開催されたサンダードームのデスマッチの優勝賞品として出されていた物である事が明かされ、モデルはボス351クリーヴランド V8エンジンと語られている。又、最終的なエンジンの車体搭載はバザードのメカニックによって行われたため、ヤマアラシとも称される車体全体に大量の棘が付いたバザードの車両の様に、発見された当初は棘が多少付いていたが、脱出した後、マックスによって取り除かれる。
その他の特徴としては、右側のヘッドライトカバーが割れており、トランクに搭載された燃料タンクは左側1つのみで右側に物資を積んでいる他、マフラーの形状も角度が斜め後ろに変更され、砂地の荒野を走行するためか、タイヤはチェーンの様なカバーで覆われている。又、これまでの作品と異なり、スーパーチャージャーはシフトレバーに備わった赤いプッシュプルスイッチを操作して起動する描写が無く、エンジン作動と同時に起動している事から、現実のスーパーチャージャーと同様の常時稼動する仕様となっている模様。
ウォーボーイズによって奪われた後は銀色に塗り直され、後部に機関銃と手動落下式の有刺具、過給器のスプロケットとプーリーの増設、オフロードタイヤ装着といった改造が成された。
マッドマックス(PS4版ゲーム)
作中、序盤と終盤に登場。『怒りのデスロード』とは一部同様の設定こそ見られるが、パラレルワールドの世界観となる今作に於いても、マックスは助けられなかった者達の幻覚に苛まれており、加えてそれを鎮めるべく、沈黙の荒野という想像上の場所を目指しているという設定となっており、インターセプターに乗って旅を続けていた。しかし道中、イモータン・ジョーの三男であるスキャブロス・スクロタス率いるウォーボーイズの襲撃を受け、難なく撃退するも、倒したウォーボーイズの車から燃料を奪った事で直後にスクロタス本人に襲撃され、身包みを剥がされた上でインターセプターをも強奪される。
マックスは文字通り裸一貫になりながらもスクロタスにしがみついて深手を負わせるが、叩き落とされる。道中出会った猫背の奇妙なメカニック・チャムバケットの協力でインターセプターが回収されたウォーボーイズの砦を発見するも、その一部始終から一時はインターセプターはバラバラに解体されたと思われていた。しかし、実際はスクロタスの第2の愛車として装飾を加えた上で、彼の愛車であるランドムーバーに搭載されていた。
終盤、互いに惹かれ合った女奴隷のホープとその娘・グローリー(前述のコミック版の少女と同じ名前だが、キャラクターとしては殆ど別)を殺された事で再び狂気に取り憑かれたマックスの強襲によってランドムーバーに搭乗したスクロタスは崖っぷちに追い込まれるも、搭載されたインターセプターに乗って脱出。再びマックスに襲い掛かるが、激闘の末に戦いの衝撃で取り付けられた装飾は外れ、スクロタスもマックスによって倒される。マックスは取り戻した愛車に乗り込むと、その感触を確かめる様にエンジンを始動させた後、沈黙の荒野を目指してか、また一人で走り去って行った。
今作では、デザインは『2』の物と殆ど同様だが、四方のウィンドウガラスが無く、ヘッドライトカバーは両方とも割れており、『怒りのデスロード』と同じく、シフトレバーのプッシュプルスイッチを操作する描写は無く、エンジン始動と同様に起動している他、助手席側には死んだ妻と娘(前述の通り、『1』では息子)の写真が飾られている。又、今作ではボディカラーに肖ったブラック・オン・ブラックという通称でも呼ばれている。
今作に於いてマックスは、前述のメカニック・チャムバケットの製作したマシンであるマグナム・オプスを主に乗り回すため、作中でのストーリー上の登場は前述の通り、序盤と終盤のみ。しかし、ゲーム本編をクリアすると、マグナム・オプス以外に搭乗する車両を選択するマシン・コレクションに特典として追加され、運転操作が可能となる。
又、前述のマグナム・オプスはカスタマイズの一つとして、ボディを変更する事が可能だが、その中にはインターセプターと同様、フォードファルコンXB GTクーペをベースとした、ワイルドハントも存在する。