概要
iDとは、ドコモが運営する電子決済サービスである。
ソニーが開発した非接触ICチップFeliCaを搭載したクレジットカード、又はスマートフォン。スマートウォッチで利用する事ができる。
当初はドコモの機種しか対応していなかったが、後にソフトバンクの機種にも対応し、2022年にはKDDIも対応している。
使える店は大手コンビニやドラッグストア、自販機で使用できる。加盟店はQUICPayよりiDのほうが多い反面、意外と対応カードが少なく、そこがネックになっている。
現在は政府のキャッシュレス決済促進事業に伴い、先のQUICPayと、他のQRコード決済が幅を利かせるようになっていき、iDの優位性である加盟店が少しずつ崩れてきており、むしろデメリットである対応カードの少なさが浮き彫りになっている状況と言える。
Edyと発音が似ているためか間違えられやすいという報告が各所で見られる。
「iD」「アイディ」、「Edy」は「エディ」となり、どちらも母音から始まるので、この母音をはっきりと発音すると間違えられにくくなる。
現在ドコモは主力事業であるスマートフォン向けに特化したd払いという電子決済サービス(分類としてはQRコード決済)に注力しており、iDはすぐに廃止こそされないものの、強い方針を打ち出さない先細りの電子決済サービスとなっている。
サービス内容
ポストペイ型
事前チャージの必要がないが、利用するためにはクレジットカードが必要。
料金は紐付けされたクレジットカードの支払日に請求され、付与ポイントは同じく紐付けされたクレジットカードに依存する。
仕組みとしてはクレジットカード決済そのまま。基本的にはQUICPayと同じ要領で使えるのだが、利用の都度オーソリという処理を行い、決済額が一定のラインを超えると不正利用防止のため暗証番号入力が求められる。
先述の通り、対応カードが少ない。発行会社によって変わるというのもあるが、QUICPayが37社もあるのに対し、iDは12社なので結構な差がある。本家本元のdカードの他、ネットで人気なものだと三井住友カードやイオンカード位しか対応していない。
提携カードは三井住友カードの他にも、ライフカードやポケットカード辺りが提携カードを多く出している。かつては提携カードを多く出しているクレディセゾンも対応していたが、2024年に新規受付が終了した。
プリペイド型
事前にチャージして使うプリペイド型。利用可能枠はチャージ金額に依存する。
残念ながら対応カードは少し限られてくる。
ANA Pay、ソフトバンクカード、チケットレストランタッチ、d払い(タッチ)、d CARD プリペイド、はまPay、メルペイ、LINEPayで使用可能。
デビット型
デビットカードに付帯するタイプで、利用分は即時引き落とし。利用可能枠は口座の残高に比例する。
対応カードはポストペイ型やプリペイド型に比べて非常に少ない。
SMBCデビット、GLOBAL PASS、住信SBIネット銀行の3カードのみ(QUICPayも同じく3カードだが、JCBグループという名の通り、JCBが委託を受けてカード業務を行っている会社が入るので実際の母数は意外に多い)。