概要
主人公・シュウジと同じ高校に通う3年生の少女。シュウジ曰く、成績は中の下だが世界史だけは得意で、英語は苦手。
口ぐせは「ごめんなさい」。座右の銘は「強くなりたい」。
シュウジを「シュウちゃん」と呼ぶ(これはシュウジの母が息子を呼ぶ時と一緒)。幼い頃は病弱ではるばる東京の病院に通うこともあったが、このことが最終兵器に選出されるきっかけになってしまう。
元々は普通の人間だったが(第1話でシュウジとキスをした際、シュウジが彼女の心音に驚く描写がある)、多国籍軍の侵略戦争が始まった結果国土防衛に備え、自衛隊によって最終兵器へと改造された。カワハラ曰く、“たまたま”兵器が馴染む体質を持っていたらしい。しかしちせ本人の意向は完全に無視され、彼女が一人の時を狙われて拉致された挙句、ちせも知らない間に身体があれよあれよと兵器にされたという鬼畜の所業が1話時点で示唆されている。
物語序盤、札幌空襲で迎撃に向かった際、たまたま買い物に来ていた恋人のシュウジに兵器としての姿を見られてしまう。「ごめんなさい、あたし、こんな身体になっちゃった…」と絞り出すのが精一杯のちせだったが、ちせの身に起きた事態があまりに現実離れしていたせいか、シュウジが兵器としてのちせを受容するまでには暫し時間を要することになる。ちせは正体を知られたこともあり、彼と別れることも視野に入れていたが、彼女の境遇をただ一人知る者として、不器用ながらもちせの理解に努め、できる限り彼女のために何とかしようと足掻くシュウジにちせは彼への愛を募らせていくことになる。
制服や簡単な備品の支給、肉体の調整(メンテナンス)は受けているようだが、まだ10代の少女で元はただの一般人でしかないちせの精神面のケアは全く行われていない。その上、軍の性質や余裕の無い環境であることを差し引いても扱いはまさに最悪の一言。肉体の兵器化という重大事にもかかわらず家族や友人らへの秘匿は完全にちせ任せで、召集のために生活を放棄し続けた結果、両親との関係は破綻。軍事作戦を彼女ありきで進める上層部に使い潰され、戦闘の激務や兵士たちの陰口などのストレスに苛まれ、更には肉体の兵器の部分が僅かに残った人間の部分を侵蝕するという、最早ちせ自身手に負えない段階にまで状況は悪化した。
しかし自分の人生を完膚なきまでに壊されてなお、シュウジやテツといった想いを寄せる男性たちに手を差し伸べられ(OVAでは同様の境遇にある女性自衛官のミズキの激励もあり)、恋をしている間は普通の少女で居られるという自己暗示により、自分の、そして地球に訪れる過酷な運命に自ら立ち向かっていく。
その性能は現実の技術力および科学力を遥かに超越しており、背中の6枚の翼での飛行が可能で戦闘機顔負けの絶大な機動性(初期でもマッハ2)を持つ上、武装として右腕のガトリング砲のほか、小型ミサイルを生成することも可能。初期の状態でさえ、並の戦闘機程度であれば一蹴する。
更には戦闘経験に応じて武器が成長する学習機能も搭載されているらしく、戦えば戦うほど強くなる性質も帯びている。しかし作中終盤ではこの機能が完全に壊れた事で、ちせが瀕死の重体に陥る原因となる。
後半では「特定の人間に対してだけ拒絶の意思を伝達する」能力も身に付けた。
本来は心優しい少女であるが、戦場では兵器として圧倒的な力で敵を殲滅する。時には自分の力を制御しきれずに暴走し、味方や周囲の街も消し飛ばすため、敵どころか味方の兵士にすら恐れられ、死神、化け物、悪魔などと罵倒され、上層部からすら厄介物扱いされている。
ただし戦力としては信頼されており、その可憐な容姿から彼女を慕う兵士もいることはいる。
当初は兵器として戦うことにかなりの抵抗を持っていたが、度重なる任務で精神をすり減らし続けた結果、戦うことに慣れてしまう。これに加えて戦争の陰に隠された真実に触れたことから、諦観に満ちたリアリスト的言動をすることも増えた。
しかし戦争という残酷な現実に触れ、日本は疎か地球そのものが滅亡する危機に直面したことで、自分なりに何が出来るのか、何をすべきなのか、何がしたいのかを真摯に考えるようになる。
そしてできるだけ多くの人々を苦しまないように逝かせ、シュウジを最期まで愛し続けるという結論を出す。
原作後半においては、シュウジをはじめとする気を許した人間の前でだけ昔のようなおっとりした様子を見せるようになっているが、一方で兵器としての進化が進みすぎてしまい、最後は暴走した「兵器」に食われてしまった。
その後は自衛隊に戻され一命を取り留めたものの、過去の記憶を一時失うことになる。なお、この時点で既に見た目は元の姿と変わりないが既に「人間」ではないらしく、生殖能力は失った模様。
その最期は原作とアニメでかなり異なっており、原作では肉体が羽根のような柱状のモニュメントになり果て、精神は小さな光になってしまったが、シュウジの中に残っていた“ちせの記憶”を元に、在りし日の姿を取り戻した。
番外編では特にそのような描写もなく、ごく普通の(初期と同じ)女子高生として登場する。
三国志大戦
ビッグコミックスピリッツとのコラボ企画にて、小喬として登場。
使用する計略『最終兵器』は使用するたび威力の上がる敵城直接攻撃。
3回使ってもダメージは合計4割程度だが、4回目の威力はなんと即死レベル。テーレッテー
しかし4回の『最終兵器』発動もかなり厳しい条件を必要とする為、ロマンとして扱われる。
裏書きのセリフに『ごめんね……周(シュウ)ちゃん……』というネタまで仕込んである。