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概要編集

サンスクリット語で「少女」、「処女」を意味する名を冠する、多くの人々から信仰を集めるネパール生きた女神

額から鼻筋にかけて赤い化粧が施されているという特徴を持つ。


絶大な力を持ち、国の預言者にして幸運をもたらす存在だとされており、そのほか病気の治療や願望をかなえる祈祷を行い、9月に行われるクマリを称える祭“インドラ・ジャートラー”では、山車に乗って街を巡りながら人々の繁栄と成功の力を授けてくれるといわれている。


密教女神であるヴァジラ・デーヴィーヒンドゥー教の女神ドゥルガーが宿っており、ネパール王国の守護神である女神タレージュアルナプルナの生まれ変わりだとされ、国内の満月の日にウマラら仏教徒の少女が初潮を迎えるまで、その役割を果たすとされる。


かつて国王すらもひれ伏したとされる首都カトマンドゥにあるクマリの館で暮すロイヤル・クマリが最も有名で、クマリという場合は概ねロイヤル・クマリを表している。またネパールの各地の村や町にも多数存在しているクマリはローカル・クマリと呼ばれている。


また、クマリが主役となり、王がクマリの下を訪れて跪き祝福のティラカを受けるとされる。


選考方法編集

初潮前の幼い少女から選ばれ、更にその中から32にも及ぶ条件やそのほかの細かい多くの条件が課せられるとされており、チベット仏教活仏であるダライ・ラマカルマパらの選定プロセスに似ているといわれている。


ネワール族の仏教徒の僧侶。金細工師カーストのサキャの家柄の生まれでなければならないという条件もあり、身体的に怪我の後や不自由が無く、動物の頭部が並べられた暗い部屋に閉じ込められても耐え切る事ができ、国や国王との占星術との相性が良くなければならないという条件もあり、これら全てを満たした少女がクマリとして選ばれるという。


余談編集

社会から断絶した生活を強いられるクマリの状況は人権擁護団体などから幼児虐待や軟禁状態に当たるとして非難されており、2006年にネパールの最高裁はクマリの伝統が人権侵害に当たるかどうかの調査の政府に命じた。


そして2008年に最高裁はクマリの人権に対して“子供の権利条約の保障する子供の権利を否定されるべき根拠は,歴史的文書にも宗教的文書にもない”というクマリには教育や行動、食事などの自由が認められるべきという判決を下した。


なお、代々クマリの従者を務めている世話役はクマリの伝統は現在も続いているものの、時代に合わせて変化するのは当然であり、引退後のことも考えてクマリに接しているという。


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