概要
スクルージ・マクダックとは、ディズニーキャラクターの一人。
ドナルドダックの伯父で世界一金持ちのアヒル。出生地はスコットランドとされる。
ドナルドはスクルージの妹であるホーテンス・マクダックの息子という関係である。
ドナルドとの外見の違いは服装や眼鏡もそうだが、目を鋭くさせていることが多いことからわかりやすい。若い頃はドナルドそっくりだが、昔から襟足の部分の羽毛が長い。
彼を主役としたTVシリーズ「ダックテイルズ(わんぱくダック夢冒険)」が有名であるが、そのデビューは意外にもカラーコミック作品である。
後の映像作品ではドナルドと共演する機会は案外少ないものの、コミックでは甥のドナルドとよく共演していた。また、2017年にアメリカで放送開始されたリブート版のダックテイルズではレギュラーとしてドナルドと共演している。
金持ちだけあって非常にお金を愛しており、良く言えば倹約家、悪く言えば筋金入りのドケチ。しかし10セントも惜しまない性格が彼を世界一の金持ちにしたとも言える。
そのケチさから彼を疎んじる者もいるが、下記の物語をきっかけにいざという時は金を惜しまない胆力も得ており、その本質を知る者からは慕われている。
また、お金ならなんでもよいというわけではなく、あくまでも「自分自身の力で、真っ当な方法で稼いだお金」を愛し、楽をして稼いだお金…所謂「あぶく銭」や、犯罪まがいなあくどい儲け話、ギャンブルには一切興味を示さないという点は、他の強欲・守銭奴キャラとは一線を画している。
ドナルドの伯父というだけあってか性格はやや気が短く、稀に無機物から酷い目に合わされることがある(これは彼や甥のドナルドだけに限った話ではない)。
恋人がいるものの、お金を分けなければならないという理由で結婚はしていない。しかし結婚しそうになった相手は複数おり、ラブロマンスも描かれている。
強欲で頑固なイメージが強いが実際は家族想いな性格で家族こそが真の宝だと思っており、真実の愛で解けるキューピッドの矢の呪いも大好きなお金では治らなかったほど。また友人にもぞんざいにしながらも、いざという時頼ったり、助けるなど彼なりに友情を大切にしている。他にもクリスマス関連の作品では家族とクリスマスを過ごすことを大切に思っており、料理やピアノでおもてなしをしたり、甥っ子達にクリスマスの大切さを教えたり、行方不明になったプルートを見つける為に除雪トラックの会社を買ったほど(セールで安かったからとはいえ、それなり大金を惜しまなく使った)。ダックテイルズでは宇宙で行方不明になった姪のデラを見つけるために財産の半分以上を使うなど彼が根っからのドケチではないことが分かる。
名前の由来は、ディケンズ作『クリスマス・キャロル』のエベニーザ・スクルージ。『ミッキーのクリスマスキャロル』では、実際に彼がエベニーザ役、甥のドナルドがエベニーザの甥フレッド役で出演している。
キングダムハーツシリーズでは『Ⅱ』から登場。同作でもその抜きん出た商人魂を遺憾なく発揮しており、過去に流行ったアイスの復活からネズミをシェフにしたレストラン、野外シアターの運営・プロデュースなど各作品ごとに様々なビジネスを手掛けている。
声優
原語版となるアメリカではダラス・マッケノン、ビル・トンプソンを経て、1983年の『ミッキーのクリスマスキャロル』からアラン・ヤングが担当。アランが老衰で死去(96歳)する直前の2016年までスクルージ役を精力的に演じ続けた。そのためファンの間では今でもアラン版の印象が強く残り続けている。
その後は「ミッキーマウス!」ではジョン・カーサーに、ダックテイルズ(2017年版)ではデビッド・テナントに引き継がれた。
日本では当初バンダイ版の『クリスマスキャロル』において吉水慶が担当、後のわんぱくダック夢冒険では内海賢二が担当した。
販売元が移ると北村弘一に変更され、以降長らくスクルージの声として定着し、ダックテイル・ザ・ムービー(1990年公開、日本では2004年公開)など、現在知られる多くの映像作品で声を当てている。2007年の逝去後は伊井篤史に交代、しかし伊井は2016年度をもって降板し、現在はピグレットでおなじみの小形満が担当することとなった。
余談
- スクルージ・マクダックの元祖
スクルージ・マクダックが初登場したのは1947年12月出版のディズニーコミック『Christmas on Bear Mountain』、スクリーンデビューしたのは1967年の『スクルージ・マクダックとお金』である。
しかし、『Christmas on Bear Mountain』の出版から4年前、1943年に公開されたプロパカンダ映画『The Spirit of '43』では、スクルージ・マクダックの元祖になったと思われるキャラが登場している。
その映画では、もらった給料を見て何に使うのかで悩んでいたドナルドダックの向こうから、倹約と節約を説いて軍備納税を勧める年寄りのアヒルが登場するのだが、その映画で登場した年寄りアヒルは、キャラクターデザイン(襟足の部分の羽毛が長い)やスコットランド訛りの口調という点がスクルージほぼ似ている。そのため、このキャラ自体がスクルージ・マクダックの元祖になったのではないかと推測している人もいるようだ。
なお、『The Spirit of '43』で登場した年寄りアヒルはまだ名前が付けられていなかったのだが、日本語版wikipediaのスクルージ・マクダックの記事では、『The Spirit of '43』で登場した年寄りアヒルをスクルージの画像として扱っている状況になっている(2025年2月現在も変更されていない)。
関連タグ
ディズニー ドナルドダック ヒューイ・デューイ・ルーイ アヒル
バーンズ社長 「日本語版声優が三代にわたって共通している」「富豪の老人」という点で共通しているが、人格は正反対である。