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概要編集

用語としては1990年代より使われ始めたもので、「おバカなミステリー」「バカバカしいミステリー」の略。

ただし悪口の「バカ」ではなく、ストーリートリックが読者の想像・想定の遥か斜め上を行く「そんなバカな!」シロモノや、作中のユーモアナンセンスアンチテーゼ等の度が過ぎて「バカバカしさの極み」な作品に向けられるある種の感嘆表現、誉め言葉として用いられる。

(従って、例えば赤川次郎の『三毛猫ホームズ』等には適用されない)


とはいえ人によって考え方や受け取り方は様々であり、自作をこう評された作者やそのファンによっては不快感や嫌悪感を表わす場合もあったりするので、使う際には注意や配慮が求められる言葉ではある。


例えばこんな作品編集

ロナルド・A・ノックス密室の行者』

ノックスの十戒」で知られるイギリスの作家による作品。東洋神秘行法に凝っていた百万長者が密室内で餓死しているのが発見されるが、その寝台の周囲には手すらつけられていない食料や飲料が山のように残されていた。そんな状況下で百万長者は何故餓死に至ったのか‥‥?

江戸川乱歩が「思いきった極端なトリック」と絶賛(?)し、自ら編んだアンソロジー『世界短編傑作集』(創元推理文庫)にも収録した名作。


海野十三『点眼器殺人事件』

理学士探偵帆村荘六シリーズの一篇。“社長”という謎の人物がある特殊な状況下で殺害されるが、手がかりは現場にあった点眼器ひとつだけ。しかもある理由で事件解決までのタイムリミットが迫る。はたして名探偵帆村はそれまでにこの謎を解けるのか‥‥?

あるあ…ねーよw」なオチ(事件の真相)に登場人物達の珍妙不可思議な言動もあいまって「作者本気か!?」と思わずにはいられない奇才ワールド全開な作品‥‥だが、当の海野はこれを実体験に基づいて至極真面目に書いたといわれている。


蘇部健一『六とん(六枚のとんかつ)』シリーズ

「大笑いか激怒か?」「空前絶後のアホバカ・トリック」の謳い文句通り、明らかに作者がそれを狙っている一例。


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推理小説 アンチミステリ ナンセンス

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