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ムーミン

むーみん

ムーミンとは、フィンランドの作家トーベ・ヤンソンの小説または漫画、または同作品に登場する架空の種族の名前、または主人公・ムーミン・トロールの略称。
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概要

ムーミンとは、トーベ・ヤンソン原作の『ムーミン』シリーズもしくは、その作品の主人公(ムーミン・トロール)を指す名前である。


フィンランドを代表する作品・キャラクターとして世界的に広く知られている。日本ではテレビアニメとなって広く知られ、フィンランド・ポーランドでもアニメ化されている。

日常ファンタジーながらどこか常識からかけ離れた、不気味で理不尽な世界観、風刺も含まれた内容は子供文学でありながら大人にも人気である。


原作者による作品は、小説のほか漫画(ムーミン・コミックス)もある。なお、ムーミン・コミックスはイギリスの新聞に連載されたもので、トーベ・ヤンソンが描いた回と弟のラルス・ヤンソンが描いた回がある。小説版とはまたムードが異なり、ギャグも多めな風刺漫画となっている。


なお、作者のヤンソンがスウェーデン系フィンランド人であるため、フィンランド語ではなく、スウェーデン語で書かれている(かつてスウェーデンがフィンランドを支配していた経緯があるため、フィンランドにおけるスウェーデン系は少数民族ではあるがその社会的地位は高い)。


誕生

第二次世界大戦の抑圧された世相の中(1発めが1943年)、トーベ・ヤンソンは自分の描く作品の隅に、陰鬱の象徴として「スノーク」という(腹に書いてあるのでそういうの。絶望的に小さくて鼻がでかい)小さい妖精を描き、これがムーミンの原型となった。

ムーミンの呼称そのものは1934年アテネウム芸術大学在学中の水彩画「Der Svarta mumintrollet(黒く小さなムーミントロール)」で使っている。


舞台

ムーミン谷という世間から離れた小さな谷。海とおさびし山という高い山に挟まれている。

人口は多くないが、一応交番や町などもある。

いろんな不思議な種族が住んでいて、種族ごとに家を持ち共存している。ただし人間はいない。


日本に於いて「ムーミン」は「スローライフを楽しめる平和でのどかな田舎を舞台にしたメルヘン」のイメージで語られることが多いが、作中では彗星接近による異常気象、大洪水や干ばつ、降雹などが起こり、触ったら凍死する女のお化けモランや見たものを凍らせる氷姫、悪魔、触ったら感電するニョロニョロが棲息するなど、実際には安心して住めそうにない場所である。

むしろ、そんな危険と隣り合わせの中でも毎日をマイペースに楽しく生活しているのがムーミン谷の住人たちの魅力である。


キャラクター

多くの日本人はこの作品にキャラクター達に「名前」があると認識しがちだが、実はこの作品世界では個人を種族名もしくはあだ名で呼んでおり、個人の名前という概念がないのではないかとも言われている。

そんなわけで、しばしば同種族の別人が同じ名で呼ばれる(たとえば「ヘムレンさん」と呼ばれる人物がしばしば登場するが、それぞれ「ヘムル」という種族に属する別人である)。ミムラ族のミイの母親と姉は「ミムラ夫人」「ミムラ姉さん」という呼び方で区別されているが、この事情を知らない人は混乱が大きい。


ムーミン・トロール

本作の主人公。電話帳ほどの大きさの妖精。ムーミン族の少年で、単に「ムーミン」と呼ばれている。父親に似て夢見がちで好奇心旺盛だが、母親に似ておっとりとしたところもある。いささかナルシストで、彼女がいながら少々惚れっぽい。そのくせ独占欲はあるなど人間臭い性格。なお彼女であるスノークのおじょうさんもナルシストで夢想家、浮気性の傾向があり、似た者カップルというか、破れ鍋に綴蓋というか....。


ムーミンパパ

ムーミン・トロールの父親。シルクハットとパイプがトレードマーク。幼いころ孤児院から脱走し、フレドリクソンらとともに海のオーケストラ号で冒険をした。小説家となった今でも好奇心旺盛で、時折ムーミン・トロールよりはしゃぐこともある。現在「ムーミンパパ」と呼ばれているが、若い頃は彼が「ムーミン」と呼ばれていた。


ムーミンママ

ムーミン・トロールの母親。ストライプのエプロンとハンドバッグをいつも身につけており、これを外すと外見はほとんどパパと区別がつかない。寛容で落ち着いた性格で、滅多なことでは驚かない。しかし、時折少女時代の無鉄砲な一面がのぞくこともあり、たまにパパと羽目を外すことも。料理が大得意で時々ミイやスノークのおじょうさんに教えている。趣味は編み物。体重はパパより重いらしい。


スノーク

種族名の「スノーク」を名乗る。スノーク族はムーミン族と外見はほぼ同じだが、感情によって体の色が変化するのが違い。「スノーク」はスウェーデン語で「指図や命令をし、いばったり、うぬぼれたりする人」の意。


物知りだがナルシストで、周囲を悪気なく見下す傾向がある。原作では頭髪なし。1969年・1972年版アニメでは裁判官のカツラを被っている。1990年版アニメでは短髪に眼鏡。


スノークのおじょうさん(ノンノンフローレン)

スノークの妹でムーミンのガールフレンド。髪の毛があり、金のアンクレットを付けている。少女趣味で夢見がちな性格。兄と同様、少しナルシストで自信過剰な面もあるが、機転が利き、ムーミンの危機を救ったこともある。


リトルミイ

ミムラ族。タマネギのような髪型をした小さな女の子。イタズラ好きで茶目っ気のある反面どこか現実的で大人びた発言をする。

ミイは「ちっちゃい」を意味する言葉。日本語に訳すると「チビ」そのまんまのニュアンスである。自分を小さいと言われると怒るが名前としての「リトルミイ」に対しては誇りを持っている、面倒な性格である。ミムラ族の兄妹で一番小柄な事からそう呼ばれている。

母親はミムラ夫人でスナフキンとは異父姉の関係。ムーミン家の養女となっている。


スナフキン

ムーミン・トロールの親友。家を持たない旅人で、自由と孤独を愛する。人に指図されることや作曲の邪魔をされるのが大嫌い。

ムーミン達が冬眠している間は南の方へ一人旅に出る。

父はムーミンパパと共に旅をしたヨクサル、母はミイの母親であるミムラ夫人

人間に見えるが原作挿絵では4本指だったり尻尾がチラ見してるので、彼も妖精的な存在だ。

原作ではスヌスムムリクだったが、覚えにくいのでアニメでは英語発音のスナフキンとなった。直訳すると「嗅ぎ煙草の人」。某CMのハムの人みたいなもんである。


スニフ

ワラビーのような外見の生き物で、金貨や宝石などには目がない守銭奴。金儲けのためなら何でもするが、野良ネコなど自分より弱い生き物にはとても優しい。ムーミンパパと共に旅をしたロッドユールの息子で、ムーミン家の屋敷に同居している。スニフは原語(スウェーデン語)でも英語の「嗅ぐ(sniff)」と同じ綴りだが、別に常にクンクン何か嗅いでいるようなキャラではないので由来は不明。原作読者にとっても謎の一つになっている。


映像化

初の映像化は1959年西ドイツでの人形劇テレビシリーズ。

アニメのムーミンは日本で作られた旧版1969年、新版1972年、平成版1990年の「楽しいムーミン一家」、1979年にポーランドで作られたパペットアニメ、2014年に母国フィンランドで作られた映画「劇場版ムーミン 南の海で楽しいバカンス」と約5種類ある。

キャラクターデザイン大塚康生が担当したり宮崎駿などの有名スタッフが関わった'69年や'72年の作品について原作者のトーベ・ヤンソンはあまりにも”日本的”に変わった世界観やキャラ作りに難色を示し、「これは私のムーミンではない」「ムーミン谷はノーマネー、ノーカー、ノーバイオレンス」と批判した。当初東京ムービーが製作したシリーズが批判されたため、東京ムービーは自ら降板し、虫プロダクションに交代した。虫プロダクションは原作に沿った作風を心掛けたため、日本の視聴者からは「面白くない」との批判を受けた。

1990年の「楽しい~」にはヤンソンの姉弟が制作に直接関わった原作の世界観に近いものとなった。本家(トーベの姪、ソフィア・ヤンソンのムーミンキャラクターズ社)は「楽しい~」のみをムーミンのアニメとして認め、日本側は前作2つを黒歴史とし、2021年現在公開を禁止している。

ただし、ストーリーや作画自体はハイクオリティで人気もあったため平成になってからビデオが発売された(2021年現在廃盤)。

2014年の劇場版は漫画版のエピソードを映像化したもので、手書きアニメーションで原作漫画の雰囲気をよく再現した画風となっている。

以上の経緯で、日本では過去のアニメに親しんだ視聴者から「主人公がムーミントロール?」「ノンノンじゃなくてフローレン?スノークのおじょうさん?」と思い出を書き換えられた違和感が残っているのかな?

2019年、フィンランドとイギリスの合作でCGアニメ"Moominvalley"(邦題「ムーミン谷のなかまたち」)が原作に忠実に製作された。


関連イラスト

moomin


関連タグ

児童文学 フィンランド 楽しいムーミン一家 ムーミン:ムーミン谷のメロディ(スナフキンが主人公のゲーム作品)

ムーミン・トロール ムーミントロール

ムーミンパロ ムーミン化

EF55:前頭部の流線型形状からイメージされることから。


どろろと百鬼丸ムーミンアンデルセン物語ムーミン(新)山ねずみロッキーチャック


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