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夢幻紳士

むげんしんし

『夢幻紳士』とは「高橋葉介」による、息の長いホラー系漫画作品シリーズ。
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概要

『夢幻紳士』とは高橋葉介漫画作品のうち、「夢幻魔実也」を主人公とし、昭和初期を背景とした一連の作品群。怪奇・冒険・ギャグとその幅は広い。

各作品ごとに設定や魔実也のキャラクター造形もバラバラであり、それぞれが独立したパラレル作品群となっている。

各バージョン

マンガ少年版

1980年代に「マンガ少年」(朝日ソノラマ)に掲載されたバージョン。
ある意味原典にして頂点

夢幻魔実也は強力な霊能力を持つ魔少年にして少年探偵。他バージョンの魔実也と比べて外見上は最も幼いガチショタ無邪気ゆえに残酷な気質を持つ。

お付きのアルカードと共に都会の洋館に事務所を構えており、既知である江戸川警部からの相談を受けつつ事件を解決する諮問探偵。しかし事件の謎は持ち前の霊能力を用いてノー推理でアッサリと看破していたりする。

冒険活劇編に近いものの事件はオカルト路線で、いわば「怪奇編」と「冒険活劇編」の中間的存在。

「マンガ少年」連載の4編のほか、のちに他誌に掲載された2編(「案山子亭」「亜里子の館」)があるが、この2編あたりになると魔実也の描写が「冒険活劇篇」に近くなっている。

冒険活劇篇

同じく1980年代にアニドウ(東京アニメーション同好会)から出された「BETTY(ベティ)」に掲載された『脳交換クラブ』を初原とするシリーズ。「ベティ」がたった1号で終わった伝説の雑誌であったため、そのまま読みきりで終わるかと思いきや、徳間書店に移籍。『リュウ』→『少年キャプテン』と掲載紙を変えて1991年まで続いた。幻想編が登場するまでは長らく「きちんとした完結を迎えている唯一のバージョン」であった。(他のバージョンが、その作品の性質上「完結といえる完結を持たせられない」ためだが)
あと、この篇の1エピソード「ミイラの花嫁」を主軸とした物語がビクターよりOVA化されている。監督はのちに『姫ちゃんのリボン』『赤ずきんチャチャ』『遊戯王GX』『カードファイト!!ヴァンガード』『ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト』などで知られる辻初樹。制作(協力)はぎゃろっぷ

この作品での夢幻魔実也は男の娘……もとい女装少年……いやメイド少年……じゃなくて女装男子……

マミ「いい加減にしてくれないか?(カチャッ)」(←銃口をつきつけながら)

ひぇ……っ(汗) えー、こほん。夢幻魔実也は少年探偵である。女装は本人いわく探偵業の一環。愛称はマミ(さん/ちゃん)。OVAでのCVは戸田恵子

登場した当初は「マンガ少年版」とあまり見分けがつかなかったが、徐々に霊能力描写が薄れていき、多少なりとも世の中(大人)に対して斜に構えながらもある程度正義を志向する熱血少年的な描写が多くなっていった。

世界を股にかける犯罪者の父「狂四郎」と没落した良家の出で可愛いもの好き(にしてマミの女装の原因)である母「雪絵」、使用人の元傭兵「アルカード」と洋館(夢幻家)に住んでいる。当初はマンガ少年版と同様に都会にある洋風建築(実家とは異なる)に事務所を構えていたが、事件がらみで幾度となくブッ壊されてからは、さすがに居づらくなったか事務所を実家に移して戻っている。

身寄りのない元ストリッパーかつカフェの女給でもある(学は無いが人情篤い熱血姐さんの)福音温子(通称:アッコ。OVAのCV:江森浩子)という恋人(元は事件に巻き込まれた被害者だったが、基本的に巻き込まれ体質であるため「未払いの依頼料代わりに非常勤の助手になる」という名目の押しかけにより腐れ縁でつるみ続けているうちに夢幻家に転がり込むようになり、実質的な同棲関係となっていった)がいる。ちなみに最終回では温子との間に娘の魔子をもうけた。

他に準レギュラーとして、江戸川警部やライバルの犯罪者老(ラオ)博士、叔母で犯罪者(現在でいうところの後妻業者)の夢幻猫(猫夫人)等も登場する。言い切ってしまえば、ある意味で当時の高橋葉介作品のフルクロスオーバーを行っている作品。

初期にはSFやオカルト混じりの奇怪な犯罪を解決する冒険活劇物であったが、中後期にかけてギャグ漫画化していき(通称:スチャラカ篇)登場人物もそれに合わせて外見・内面ともに変化している。
この頃になるとキャラ崩壊や(本小節冒頭のような)第四の壁破壊もデフォになっていった(アバンパートの小ネタではあるが怪奇篇の大人魔実也の乱入まであった)ため、そのあたりもファンの困惑の原因になったが、しかしそれゆえに前述のフルクロスオーバーが可能になっていた部分もあり、現在となっては「これもまた作品(作家)の歴史」として受け入れられている。

いわば『学校怪談』に次ぐ(さらには、それ以上の)超お祭り作品である。ゆえに、お祭り好きにはたまらない作品でもある。
また、その『学校怪談』の終盤では、この「冒険活劇篇」に出てきた、あるアイテム……というか、かつて狂四郎が発見して魔実也が封じた異世界への扉である「魂の井戸」が登場しており、この事から『学校怪談』に登場した「夢幻本家」および「棟方家」のルーツはこちらではなかろうか、という指摘が成される事がある。(ただし、これはあくまでも可能性であり類推に過ぎない)

ちなみに。同じ徳間書店作品という事もあってかリアルタイムで宮崎駿(ジブリ)を堂々とパロった(そして担当編集からは「徳間(上層部)が怖くないのか! 」と絶叫された)稀有な作品でもある。

怪奇篇

マンガ少年版、冒険活劇篇から一新された短編連作シリーズ。
主には徳間書店の怪奇系漫画雑誌『メディウム』に1984年より連載された。
『メディウム』休刊後は「冒険活劇篇」の休載を縫うように『少年キャプテン』にて不定期掲載。冒険活劇篇と同じく1991年まで続いた。

夢幻魔実也は超常能力を持つ神秘的な美青年で、様々な怪異と対峙する。
エロゲーの「アトラク=ナクア」の元ネタになった「蜘蛛」という話がある。

夢幻外伝

1992年から1996年まで『ネムキ(眠れぬ夜の奇妙な話)』(朝日ソノラマ)にて連載されたシリーズ。

この作品の夢幻魔実也は素敵なお兄様。のちの『学校怪談』のヒロイン「九段九鬼子」の先祖にあたる。

長屋(下宿)に住んでおり家族構成などは不明。生活は自堕落でカフェに入り浸り女給から「センセイ」呼ばわりされていたり、あるいは下宿の娘からツンデレ気味に叱られながら世話を焼かれたりしている。

その特殊な能力を駆使して妖怪変化や超常能力を持つ魔人達と戦う。派手なアクションなどは少なく、幻などを利用した騙しあい的な戦いをする。

『学校怪談』と同時期に『サスペリア』(秋田書店)で「懐かしのホラー特集」として執筆され同作者作品である『黒衣-KUROKO-』に同時収録された「夢幻紳士・橋の上の女」はこの篇の番外として定義される。そこでは山岸涼一の先祖らしき青年が巻き込まれたトラブルに対処している。

幻想篇 / 逢魔篇 / 迷宮篇

『ミステリマガジン』(早川書房)に2004年から2007年にかけて連載された連載作品。

基本的に一話完結式の怪奇浪漫譚だが、幻想篇と逢魔篇の延長線上に迷宮篇が位置する多層構想的な内容になっている。
それまでの高橋作品になかった独特の表現技法が多く取り入れられており、作者の現在のスタイルを確立した作品と言える。
昭和初期を舞台にしており、夢幻魔実也はより化け物じみた不可解な存在と成っている。本シリーズのスピンオフ作品に「もののけ草紙」、後日談に「出張篇」がある。

回帰篇

『ミステリマガジン』(早川書房)に2008年から2009年にかけて連載された連載作品。

過去作である怪奇篇を作者自らセルフ・リメイクした作品。元々の怪奇篇とはちがう展開をする作品も多く、読み比べてみると異なる余韻を楽しめる内容となっている。

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