曖昧さ回避
- 北欧神話に登場する、魔剣グラム(バルムンク)を手に邪竜ファフニール(ファフナー)を討った竜殺しの英雄。ドイツの英雄叙事詩『ニーベルンゲンの歌』ではジークフリートと呼ばれる。
- SRPG『ファイアーエムブレム 聖戦の系譜』の登場人物。本項で解説。
- RPG『ゼノギアス』の登場人物。→シグルド・ハーコート
- RPG『幻想水滸伝4』の登場人物。
- 『仮面ライダー鎧武』の登場人物。→仮面ライダーシグルド
シグルド(聖戦の系譜)
第一部の主人公。青髪碧眼の青年で、シアルフィの公子。聖戦士バルドの直系の血筋であり、聖剣ティルフィングの継承者。クラスはロードナイトで、シリーズ初の騎兵主人公。一人称は「私」、稀に「ぼく」。
妹のエスリン曰く向こう見ずで、父子揃ってだらしがない。そして困っている人を放っておけない性分。
蛮族(みたいな王族)にさらわれた美人の幼馴染を助ける為に、わずかな兵を引き連れ進軍したら、しっかり者で気立ての良い妹夫婦と親友たちが駆けつけてくれて、いつの間にか精鋭揃いの一軍の長となり、その功績から聖騎士に叙され、互いに一目惚れした美少女の巫女さんをお持ち帰りして、息子のセリスをもうけたところで彼の人生は幸福の絶頂を迎える。
…しかし、そこからが壮絶な転落人生の幕開けだった。
心優しく正義感の強い騎士でありながら、あまりにも報われなさ過ぎるため、RPG上不幸な主人公として名高い。一方でほんの少し言葉を交わしただけのディアドラと再会して「私は…きみを愛している…」と電撃告白をしたり(しかもある条件で更に熱烈な口説き文句に変わる)、結婚後色々あって傷心している最中に、妻以外の美女に向かって「そうだ、きみがほしい」と大真面目に宣言したりと、迷言も多い。
また公子という立場でありながら、根っからの武人気質であるが故に政治には非常に疎く、彼が陥れられてしまったのも政治的な駆け引きができなかった事も要因となっている。
スキルは追撃(攻撃速度が敵よりも早ければ再攻撃)のみだが、最初から上級職騎兵のロードナイト(ほぼ全ての剣とある程度の槍使用可)、ステータスが魔法防御以外まとまっている、序盤の敵は斧兵中心で剣が主な武器なシグルドは相性良し、などなど恵まれた点が多くなかなか強い。
FEの中でも珍しい、序盤から積極的に暴れられる実力を持つ主人公である。
『覚醒』のDLC追加キャラに入り損ねた主人公の一人。こんなところでも不幸。いつのまに通信におけるクラスはパラディン。
関連イラスト
ネタバレ
後に妻ディアドラは息子を残して行方不明になり、更に父バイロン共々グランベル王国のクルト王子を暗殺した反逆者の汚名を着せられ、グランベル王国から追われる身となってしまう。レヴィンたちの好意でシレジアに逃れるも、追っ手はシレジアまで迫っており、シグルドたちは自分たちの潔白を証明するためにバーハラへの進軍を決意する。
その道中で瀕死の重傷を負った父バイロンと再会するも、父はティルフィングを託して息を引き取る。そして自分たちの挙兵を知り駆けつけようとしてくれた親友キュアンとその妻である妹エスリンも、トラキアの奇襲によって殺されてしまった。父と妹と親友を失った深い悲しみを抱きながらも、シグルドは自分と父を陥れた者たちを倒し、国王の側近であるアルヴィスと謁見するが…
その瞬間、アルヴィスはシグルドたちの処刑を宣言。そしてアルヴィスの妻として紹介されたのは、記憶を失った自分の妻ディアドラだった。一連の事件は全てアルヴィスが糸を引いていた事を悟るも、周囲は既に敵兵に囲まれ、仲間たちと共に一斉攻撃を受けてしまい、シグルドは傷付きながらもアルヴィスに向かって剣を振るうも、彼のファラフレイムの前にその命は燃え尽きてしまった。
父も妹も親友も失い、反逆者という汚名を晴らすこともできず、苦楽を共にした仲間たちに報いることもできないまま、妻を寝取った男に殺されるという、あまりにも報われない絶望に満ちた最期であった。
グランベル帝国の設立後は、シグルドは父バイロンと共にクルト王子を殺した反逆者とされていたが、彼ら親子の無罪を信じる者も少なくなく、やがて帝国の圧政に人々が苦しめられていくにつれて悲劇の英雄と認識されるようになっていく。特に本国からより反逆の疑いをかけられていた状況下でも、敵国にあたるイザークの王子シャナンを匿い続けた事から、イザークの民にとっては大恩のある英雄としてその名は知れ渡っている。
バーハラに向かう直前にオイフェとシャナンに息子セリスを託してイザークに逃がしており、シグルドの死後から十数年後、セリスは帝国の支配に苦しむ人々を救うための英雄として立ち上がる事になる。