ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

艦これ改の編集履歴

2016-11-13 10:38:21 バージョン

艦これ改

かんこれかい

『艦これ改』とは、角川ゲームスより2016年2月18日に発売されたプレイステーション・ヴィータ用艦隊育成シミュレーションゲーム。『艦隊これくしょん改』ではなく、略称の『艦これ改』が正式名称である。

概要

ブラウザゲーム版『艦隊これくしょん』の要素は概ねそのままに、ウォー・シミュレーションの要素を加えた内容である。

艦娘や装備の開発、入渠遠征等の実時間の概念を導入した要素は古典的なシミュレーションゲームで導入されているターン制(ゲーム中では日数として表示)に変更されており、戦場となる各海域はヘックス(六角形のマス)で区切られ、艦隊はこのヘックス間を移動して深海棲艦と戦い、戦線を広げていく事になる。


艦娘を始め、ブラウザ版の要素も数多く取り入れられているものの、相違点も数多く、「別物」と言っても良い内容となっている。

(批判的な部分を含めて)具体的な相違点を列記してみると、


  • 作戦海域が北米西海岸からパナマ運河周辺まで拡大。
  • ゲームの難易度を選択できる(初期で3段階。最大で5段階)
  • 艦隊を最大で8艦隊運用できる。
  • キラ付けとラベリングは、出撃よりも演習(特に対抗演習)のほうが効率的っぽい。
  • 艦娘のボイスなどは基本、ブラウザ版と同一(流用)だが、ターン制の導入により、時間経過に関する一部の演出(時報など)が省略されている。夜も“リアル夜戦”のみ
  • 季節や特定期日ごとの演出や特殊ボイスもほとんどない。2月14日にチョコをもらえたりはするが、ボイス、メッセージはなし……
  • 秘書艦をタッチすると、“ハートマーク”の色で好感度がわかる。好感度が高いと戦果などに好影響があるともいう(が、ちょっと見えにくい)。セクハラ関連のボイスも、やや頻度が少ない?
  • 入渠はドックのある海域でないと不可能。上手く艦隊のローテーションを組んで、ドックに戻さないと(あるいは進めないと)、いろいろと苦労する。
  • 一方で、工作艦の“泊地修理”の特殊スキルはそのまま。明石さん株急上昇。ちなみに、明石は特定の任務をクリアすると確実にゲットできる。
  • 艦娘のドロップ率がかなり低め。頭数をそろえるには積極的に建造を回さなければならない。
  • 資源の“自然回復”がなく、支配海域を広げて、積極的に「獲りに行く」必要がある。獲得した資源の輸送とその護衛(シーレーン防衛)も大きな要素となる(後述)
  • 母港では艦娘のイラストLive2Dによるアニメーションが取り入れられ、若干ながら表情の変化や仕草なども見られるようになった(ただし、いわゆる“中破絵”は基本“止め絵”となる)
  • 一方で、深海棲艦側の演出はかなり簡略化されている。鬼・姫クラスでもボイスはおろか、メッセージすら出ない。アニメーションも簡素で、あたかも書割(かきわり)や射的の的のごとく、“一枚絵”のまま轟沈していく(シュールな)絵面となる(後掲のイラストも参照)
  • 資源や戦略ポイント(後述)の獲得に制限がある上に、深海棲艦側からの通商破壊や反攻作戦(後述)も加わるので、効率的な戦略が求められるようになる。
  • 当たり前だが、課金はない。ブラウザ版の「有料」に当たるアイテムを購入するには「戦略ポイント」を使用する(要はゲーム内マネー)。戦略ポイントは海峡突破や任務消化で得られるが、後半になるほど入手が難しくなる。もちろん「米帝プレイ」も不可。ご利用は計画的に
  • 当然ながら、とは無縁。これは文句なしにありがたい。

総じて、良くも悪くも“萌え要素”が控えめになった一方、ウォー・シミュレーションの性格が強められた内容となっている。

詳細については各項参照。なお、本項ではブラウザ版と同一の要素についての解説は省略する。


新規ゲーム開始時について

ゲーム新規開始時に丁(最も易しい)・丙(易しい)・乙(普通)の3種の作戦難易度を選択(乙クリア後はより難しい「甲」を、甲クリア後は最も難しい「史」が選択可能)し、続いてプレイヤーの初期の秘書艦も兼ねた初期艦CLASSICスタータ改スタータの中から選択してゲーム開始となる。


CLASSICスタータ

ブラウザ版の初期艦5隻に3隻の駆逐艦を加えたスタータ。

吹雪 叢雲   五月雨 睦月 時雨 大潮


改スタータ

3隻の川内型軽巡洋艦で構成されたスタータ。

川内 神通 那珂


なお、システムそのものがブラウザ版から変わっている為、本作から初めてプレイする提督は「丁」から、ブラウザ版を経験している提督も「丙」からスタートするのが望ましいとされる。


出撃

本作の海域はヘックスで区切られており、1つの海域には4つの作戦海域が存在。

艦隊が隣接しているヘックス間のみ移動可能で、海域間の移動には1日(1ターン)を要する。目標の海域への移動完了後は行動済みとなり、ターンを終了させる事でその海域への出撃ができるようになり、ブラウザ版でおなじみのすごろくのマスのようなマップに切り替わる。


演習

本作の演習は「艦隊演習」「対抗演習」の2つがある。「艦隊演習」は単独の艦隊で実施できる小規模な演習で、火力や雷装、回避などの各種ステータスをアップさせる事が可能。「対抗演習」は、同じ海域エリアに隣接している自軍の艦隊同士で行うブラウザ版と同じく実戦に即した演習で、演習終了後には経験値を獲得できる。

ちなみに本作はインターネット環境に接続しないスタンドアローンの為、他のプレイヤーの艦隊と演習を行う事はできない。


輸送船団・海上護衛艦隊

本作では、任務の達成や遠征の他にも輸送船団の派遣による資源の獲得も可能で、各海域に展開する輸送船団に輸送船を派遣する事で毎ターン終了ごとに資源を入手できる。しかしながら、深海棲艦は輸送船団を襲撃して通商破壊を行う為、手持ちの艦娘の中から6隻分の海上護衛艦隊を編成して輸送船団を護衛する必要がある(旗艦は軽巡洋艦以上の艦種が条件)。海上護衛艦隊のいない輸送船団が襲撃されると輸送船団は壊滅してしまう。

なお、輸送船の建造は艦娘と同様に工廠にて行うが、輸送船は艦娘ではなく、通常の船舶であり、建造の際には各種資源の他、戦略ポイント(任務の達成や海域の攻略で入手可能)が必要となる。


戦闘シーン

本作では艦隊への様々な指示が可能な「戦闘指揮」を導入。戦闘の流れはブラウザゲーム版とほぼ同じ(攻撃対象を指定できない点は相変わらずだが)で、索敵が完了した後に砲撃や雷撃、突撃や回避行動といったコマンドを戦闘指揮ボックス枠内に入力し、戦闘開始となる。なお、戦闘指揮ボックス枠に入力可能なコマンドは初期状態では3枠までだが、練度を積む事で最大5枠まで増える。また、効率重視の為にこれらを省略して必要最低限の情報のみを表示するショートカット機能もある。


反攻作戦

深海棲艦が反攻作戦の準備を開始すると、ターンの経過後に海域のヘックスの色が黄⇒オレンジ⇒赤の順で変色、ヘックスが赤になった海域は進攻の準備が整った事になり、敵が進軍する前に「出撃」するか「遠征」で艦隊を派遣する必要がある。


阻止に失敗した場合は海域エリアが赤くなり、敵の反攻作戦が開始される。迎撃には同海域に展開している自軍の艦隊であたる事になり、敵艦隊が複数の大規模な艦隊(最大4隻)で攻めてきた場合は連合艦隊を編成して敵を迎撃、場合によっては決戦主力艦隊に切り替えて進軍を行い、敵の侵攻主力部隊を叩かなければならない。ブラウザ版と同様にあらかじめ支援艦隊を派遣して援護させる事も可能。

迎撃戦に敗北、敵が侵攻した海域に出撃可能な自軍の艦隊が1隻もいない場合は制海権を失い、その海域は深海棲艦に制圧されてしまう。また、最終的に本拠地(鎮守府海域)の防衛に失敗すると鎮守府は壊滅し、ゲームオーバーとなる。


ゲームクリアに関して

改では深海中枢海域を制圧する事でゲームクリアとなり、一部の艦娘と装備、提督レベル・家具・図鑑のみを引き継いでゲームを最初からやり直せる(いわゆる周回プレイ)。


ただし、一周目で手に入れた全ての艦娘および装備が引き継げるわけではなく、引き継ぎ可能な艦は最低だと20隻、最高でも88隻のみとなっており、引き継がなかった艦娘や装備は完全にロストする事になる

特に最低難度の“丁”では、艦隊開放などに必要な“鍵艦”を優先すると、プレイヤーが自由に選択できる艦娘はたったの4,5隻しかない。

そのため引き継ぎたいと思っている艦娘についてはよく考えなければならない。


一方で一周目では艦娘の保有上限が最大でも200隻であり(クリア後の引継ぎデータでようやく300まで拡張)、図鑑を埋めるには最低でも一度はゲームクリアする必要がある。

さらに初見ではわかりにくいが日数(ターン数)に制限が存在し、その間にゲームクリアをしなければ強制ゲームオーバーになってしまう。通常プレイの上で問題になる程の期間ではないとは言え、延々と「掘り」に勤しむわけにもいかなくなっている。

この“ゲームクリアの強制と一部の艦の引き継ぎ上限”については「キャラの切り捨てを強要されている」という批判も多い。


誰ともなく「これでは『艦隊これくしょん』じゃなくて『艦隊せれくしょん』だ」との声も。

誰が上手いこと言えと……(泣)


オリジナル艦娘・深海棲艦

本作に登場する艦娘は2015年秋季イベント突入!海上輸送作戦』までに実装されていた艦娘と、初の連合国側の艦娘となるアメリカ海軍アイオワ級戦艦1番艦・「アイオワ」がブラウザゲーム版に先駆けて実装されている。

センシティブな作品

ただし、アイオワは後にブラウザ版にも登場したので、本作オリジナルの要素ではなくなった。

その後、アップデートによって鹿島が追加されたが、本作オリジナルの艦娘は現在のバージョン(Ver.1.02)では存在していない。


深海棲艦側では、新型深海棲艦「運河棲姫」「中枢棲姫」が登場。しかし、前述のように深海棲艦側の演出が簡素なため、オリジナルのメッセージやボイスは用意されなかった。

中枢棲姫はのちにブラウザ版にも登場し声がついたが、運河棲姫は2016年秋時点でもブラウザ版未登場で、“無声”のままとなっている。

『艦これ改』の評価が渋めだった点も相まって知名度も上がらず、運河棲姫、かなり不遇。早くブラウザ版にも出してもらえるといいな……

一方で、2016年冬イベント登場の集積地棲姫などは登場しない。



度重なる発売日延期と評価

本作の存在が公となったのはブラウザゲーム版のサービスが開始された2013年頃であり、それから約1年後の2014年11月に第一弾トレーラーが公開、発売時期も2015年の春頃になると発表された。


しかし、2015年5月→2015年8月27日→2015年11月26日→2016年2月18日と発売日は二転三転し、公式サイトやゲーム雑誌でもなかなか情報が開示されず、ゲームシーンの映像さえ出てこない状況からファンはかねてより不安視していたが、2016年1月18日の報道でソフトの開発が完了したとの報告が運営Twitterにて成された。


だがそれも束の間、同年1月28日に公式サイトで公開されたゲーム画面のチープさが指摘され、ファンの間で「一昔前のフラッシュゲームのよう」「パワーポイントで作ったよう」などと揶揄されたり、さらに発売前後にはバグの存在(※)が発覚した事もあって一時はファンの間で大きな物議を呼ぶ事となった。

それでも僕は買います。

それらの件と『艦これ改』発売の約1年前に放送されていたアニメ版のシナリオの出来が悪かった事などから運営への不信感が高まっていたのも相まって発売前の評判はかなり荒れたものだったが、しかし蓋を開けてみればシミュレーションゲームとしての体裁は整っており、キャラゲーとしても納得の行く出来という事で現在の所は多少の不満点はあったとしても遊ぶ上では特に問題のないゲームと言える評価に落ち着いている(上述のキャラの引き継ぎ制限についてもゲーム性を損なわせるほどのものとは言えない)。

ブラウザ版ができない間の手軽な暇つぶしとして考えれば気にはならないだろう。


※発売後には追加パッチで修正されている。


ただ、ゲームとしては史実っぽさを出すためとはいえ原作と比較して難しい、或いは面倒な機能や仕様が追加されたため、原作や後に稼働を開始したアーケードと比較すると全体的に難易度が上昇しているなど比較的大人向けな部分が強くなっている。


余談

艦これ一言劇場 : 霞17

なお、過激な者の中には発売する前から本作をクソゲーオブザイヤー(KOTY)”の最有力候補に挙げようとする輩もおり、バグ発見当初はネットニュースにもなったが、こちらも発売からしばらくしてゲーム内容が明らかになっていくとそんな声も次第に消えていった(発売直後には一応スレに選評を上げる者もいたが、それもスレ民による検証の段階で“現時点における候補作には成り得ない”と判断された)。


※そもそもKOTYは2007年の『四八(仮)』以降、“よほど遊ぶ上で支障が出るくらいの問題点やとてもゲームとして楽しめない部分が多い作品”でもなければまず候補にならないくらい基準が厳しくなっている上、何より自分が気に入らないゲームを叩く為のものでは無い。


外部リンク

『艦これ改』公式サイト


関連タグ

艦隊これくしょん 艦これ派生作品


プレイステーション・ヴィータ シミュレーションゲーム

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました

見出し単位で編集できるようになりました