概要
東方Projectに登場する茨木華扇と華扇の周辺に関連するタグ。
pixivではおもに華扇と『東方茨歌仙』に登場する動物たちとの交流をベースとした作品が多い。
華扇は自身の屋敷を「 方術 」を用いて隔離し、住みやすいよう周囲の環境にも手を加えて生活している。そしてここには華扇とともに多数の動物たちが生活している様子である。
作中では複数のエピソードでその交流の様が描かれている他、華扇と動物たち以外との関わりの文脈でもその様子が語られる。
例えば博麗霊夢は、その最近の様子に憤る華扇から強制的に修業をつけられているが、小野塚小町によればその際に華扇は動物たちにも霊夢を指導ないしは監督させている。
修業後には、霊夢はこの修業を「 動物園修業 」と称している。
また東風谷早苗は華扇が複数の珍しい動物達を手懐ている様子を見て、驚愕と困惑も交えつつ「 あの仙人様、色んなペットを飼っているのね 」との感想を語っている。
華扇と周囲の動物たちの様子は華扇にまつわる二次創作でも様々に描かれており、華扇を中心または筆頭とした動物たちとの関係の様子を指して、先述の霊夢の評もあって「茨木動物園」と称されるのである。
また、『茨歌仙』含め東方Projectのシリーズにおける新しい作品にて華扇の活動が描かれた際には下記の動物たち以外にも新しいメンバーが加わったり、あるいは既存のメンバーの新しい活動が見られる可能性もあるなど、2017年7月現在「茨木動物園」はさらなる発展と拡張の可能性をもつものでもある。
茨木華扇と動物
華扇は一迅社『東方茨歌仙』公式サイト(外部リンク)におけるキャラクター紹介欄では「 動物を導く能力を持っており、龍や大鵬といった幻獣すらも自在に操る。 」と紹介されており、華扇自身も動物の言葉が判り、動物もまた華扇の言葉を理解している様子が見られる。対話は自身が飼っている竿打等だけではなく「マミ」などの野生の動物とも可能な様子である。
華扇は動物たちの声について「 よく聞こえますし 私の声も届きます 」と語っており、作中で見られる様々な場面から、その意思疎通は複雑な概念の共有にも及ぶ様子が見て取れる。
華扇は「 私の役目(ちから)は山の動物たちを正しい方向に導くこと 」(括弧部は原文ではルビ表記。当記事編集時に括弧表記に調整)と自身について語っており、とある動物との会話においては、事態の推移によって必要となるならば自身の下を訪ねるよう助言している。
華扇自身もまた動物から好まれることについて確信を持っている様子で、それとは逆にとある機会で動物とも関係するのではとされた「毛玉」に拒絶された際にはショックを受けていた。
ただし後にこれが動物ではなく神格を帯びた特殊な菌類(「 カビ 」)ではないかとされ、「 獣とかでは無い 」ことも判っている。
「 獣なら 私が拒絶されるだなんて考えられない 」(華扇、『茨歌仙』)
華扇の能力は菌類あるいは神格のいずれかもしくは両者の性質を持つものには及ばないのかもしれない。
このうち華扇と神格との相性の悪さの一例としては、博麗神社の「 御神体 」である陰陽玉に拒絶され、触れることができなかったというケースがある(『東方三月精』)。
同様に動物からの妖怪化などによるものを相手とした場合についてもその効果が及ぶかは不明である。一例としては、二ッ岩マミゾウ(化け狸)などのケースがある。華扇はマミゾウとの間では正面から弾幕を交わしたこともあればマミゾウから華扇が嫌がるような挑発の仕方をされたり、あるいは知恵比べ等を挑まれたこともあるなど(それぞれ『東方深秘録』、『茨歌仙』)、華扇と他の動物たちのような信頼と従順で結ばれる関係性とはたいぶ異なる。後述の因幡てゐ(兎)にも華扇は言葉巧みに言いくるめられている(『茨歌仙』)。対話が可能で言葉を操ることができるようになった相手や独自の智慧が回る相手については人間同士と同様にコミュニケーション能力や相手のパーソナリティ、あるいは相互の関係性が重要となるのだろう。
ただしこれは華扇の能力が動物含め対話能力を得るという水準のものなのか、あるいはそれだけにとどまらず相手の心理を特殊な方法で操作できるタイプであるかどうかの違いによってその能力面での実態も変わってくる。通常の人間関係の通り対話で説得なりをする必要があるのか、それを飛び越えて相手の心理を変えてしまえるのかではその意味は大きく異なるだろう。作中の描写では華扇は対話で相手との関係性を築いており、相手の心理を特殊な方法で操作するといった様子は直接は見られていない(先述の現在時点)。
華扇が従えている(あるいは導いている)動物たち関係性は先述の通り良好であり、その様子について華扇以外の周囲からの評として、動物たちと対話する能力やともに生活する様について豊聡耳神子から仙人としての感心と敬意を贈られている。
動物たち
久米・竿打
久米・竿打は華扇をその背にのせて飛ぶ事もできる大きな鳥(大鷲)である。
「久米」と「竿打」はそれぞれの固有名。
久米は平素から華扇の生活をサポートしており買い物などにも出かけているが、高齢であるためその道中は非常に難儀であるらしく華扇も代替りを考えていた。
久米の次世代として華扇が考えているのが年齢的にも若い竿打である。竿打はその体躯もあって力強い印象も持つが、初登場時含め華扇の前ではかなり柔和で表情が豊かである。
しかし、その性格と能力面にはまだまだ改善点も多い様子で、竿打のためのアイデアが後のエピソードにも影響する要点ともなっている。
なお同話では霧雨魔理沙が霊夢や早苗との会話中で河童たちに動物園を運営させてはどうかとのアイデアを出しており、この後に語られる「 動物園修業 」と対比されるものとなっている。
こちらは河童たちの性格からしてその管理は不可能であろうと話し合われていた。
この他『茨歌仙』第三巻カバー下表紙では、華扇を乗せて飛行する久米または竿打が描かれている。
龍の子供
第五話にて、霊夢を修業させるため自身の道場につれてくる際に華扇が呼び出した。
華扇の右腕から煙のようなものが出現した後上空に雷雲が呼び出され、豪雨とともに龍の子供が現れた。龍の子供は霊夢の襟元を銜えると、そのまま霊夢を華扇邸または修行場まで連行した模様である。
華扇は龍の子供について「 私の言うことはなんでも聞きます 」としており、両者の良好な関係性が伺える。
なお、華扇はかつて「龍石」(中に龍の幼体が棲んでいる石)を保有していたが、「 随分昔に 」孵ったと語っている。
この他華扇はとある機会に大規模な鎮火を行うため、季節的に乾燥する時期ながら雷雲とともに龍を呼び出しており、魔理沙らがその雲の中に龍のシルエットを見ている。
ただしこれが第五話に登場した龍の子供と同一の存在であるかの明記は無い(2014年7月現在)。
東方Projectにおける「龍」
東方Projectにおける「龍」とは、稗田阿求著の「幻想郷縁起」によれば「 幻想郷の最高神 」である(『東方求聞史紀』)。
あらゆる存在が崇めており、人間の里には目の色の変化で今日の天気の様子が判る(的中率7割)という龍神像もある。
「龍」自身は創造と破壊の表裏を同時に体現する存在であり、破滅的な天変地異と安定した自然サイクルの形成という相反するような面も、引いては「龍」の行うところによるものである。
その姿を確認することはほぼ不可能で、最後に龍が現れたのは博麗大結界が展開された時であり、その際の様子が阿求によって報告されている。「龍」自身は博麗大結界も関係なく幻想郷と外の世界を行き来する他、天界、地獄を含む地下世界などにも自由に移動できる。
なお先の龍神像は特殊な目の色に変化する時もあり、これはその時の幻想郷が何らかの通常でない状況下にあることを示すという。
雷獣
神社で暴れていた際に華扇に捕まえられたが、冬の間はおとなしいらしく華扇がその存在を忘れていた。エピソードの前日に魔理沙が捕獲し、博麗神社に持ち込んだ。
詳細は「雷獣」記事の「『東方Project』に登場する雷獣」の項目を参照。
なお華扇によればエピソード前日の雷雨も雷獣によるものであったが、とある想いもあってこの事実は華扇の胸にとどめられている。
華扇にはつとめて懐いている様子で、華扇の肩にのり、撫でられると幸せそうな表情を見せている他、華扇の腕の上で時折放電したりもしている。
なお早苗の持ち込んだガスコンロの上にのせられた焼き網に乗り、さらにそこで焼かれているトウモロコシに覆いかぶさっても大丈夫なほど熱や炎に強い様子。
この他『茨歌仙』第二巻カバー下表紙にも雷獣が描かれている。
虎
放し飼いにされているが、自分からは攻撃しないよう華扇の教育を受けている。
ただし門番役としての性質からか反撃は許可されているようで、作中ではとある人物が非常に手痛い反撃を受けている。
その他の動物
霊夢が修業を受けた際にはそのシーンを描いた場面として猿(滝行中)や蛇(石抱き修業中)、鳥及びその他の空を飛ぶ動物(座禅中)などが描かれている。
上記以外にも華扇は動物たちの情報網との接続をもつ様子が見られ、第一話では霊夢が魔理沙以外に話していなかった「河童の腕」を御神体とする計画をすでに博麗神社来訪時には「鳥」から聞く事ですでに知っていたとした他、第十三話では久米もしくは竿打を通して山の動物たちにまつわる情報を得ていた。さらに同話では別の動物とも対話している様子が見られる。
またその対話能力は水棲生物にも及ぶようで、作中では海獣「万歳楽」と会話し、その待遇改善に寄与した他、万歳楽が幻想郷へと至る来歴なども聴いている。(ただし華扇は「 魚の扱いはそんなに… 」と言葉を濁す場面があるため、対話する相手によって得手不得手もある様子である。)
時には華扇と当の動物以外の繋がりが生まれるにあたって仲介者があることもあり、例えば華扇はてゐに勧められて(言いくるめられて)兎を一羽迎えている。てゐの老練な話術に当初こそ困惑していたものの兎と共に屋敷で落ち着いたころにはなんだかんだと華扇も気に入ったようで、準備した兎用の布団で寝入る兎の様子を見て和んだりもしている。
一方動物側が他者に及ぼす危険性の如何によっては相手を処分する判断も採る事があり、作中では力を手に入れて自制がきかなくなったとある生物に対して「 雷狩り 」を敢行している。
本来は成長を見守り将来的には手懐ける目算であったらしく、この判断の後、華扇は無念の思いを語っている。
この他管狐に関する知識も持っている他、動物とは性質が異なる部分も持つが酒虫を扱うこともできる。
『東方三月精』
『三月精』においても華扇が動物及び動物が由来の妖怪と関わるエピソードがある。
人を襲い妖怪化していた「ヤマイヌ」を人を襲わないタイプの妖怪へ変化できるよう諭し、その妖怪としての性質を人間に害のない存在へと変えている。ヤマイヌは「人を襲わない」妖怪(送り犬)として人里を守るという存在ともなったが、一方でそれは同時に「人」以外の種族は襲撃の対象でもあることを意味しており、サニーミルク、ルナチャイルド、スターサファイアら(「三月精」。妖精)が夜道で追いかけ回されていた。
また三月精らが博麗神社の御神体を見つけ出してみせると豪語した際にはとある意図をもって三月精を誘導しており、その際には鼠、蛇、犬を使役している。
なおこの犬は先述のエピソードで登場した、三月精らがヤマイヌと誤解した子犬と良く似ている他、蛇は他の場面でも華扇の役に立っている。
『東方深秘録』
『深秘録』作中でも、華扇は多数の動物たちとともに登場した。
動物たちとの連携は決闘シーンで見られ、移動に攻撃にスペルカードにと、変幻自在な個性あふれるアクションが展開された。アクションには必殺技などの場合名称が付されており、連携する動物の名前などがそれぞれに用いられていることもある。
また対戦モードなどで華扇のカラーバリエーションを変更すると動物たちのカラーも変化するなど、同作における華扇と動物たちは一蓮托生の存在となっている。
登場する動物たち
万歳楽
「まんざいらく」と読む。
巨大な海獣を水しぶきとともに華扇の前方に召喚し、その巨大な体躯と海獣が鼻先で打ち上げるビーチボールとで攻撃する必殺技。
『茨歌仙』では先述のように「万歳楽」と名付けられた海獣が登場しており、一つのエピソードの中心的な存在となっている。ただしその身柄は妖怪の山の河童たちが引き受けており、華扇のペットという位置づけではない。
この万歳楽登場については『深秘録』前後のエピソードも語られた『茨歌仙』の単行本六巻あとがきにて作画担当のあずまあやの驚きの様子も語られており、同氏は万歳楽が華扇の技として登場する経緯について二種類のパターンを想像している。
ただしいずれのパターンでも『茨歌仙』作中で万歳楽の教育に当たったおかっぱ頭のモブ河童が衝撃を受けることとなる様子である。
竿打
「かんだ」と読む。決闘シーンにおいて華扇と常時共に在る大鷲。
必殺技としては華扇が竿打の足につかまり、その状態で打撃や射撃を繰り出すという連携攻撃を行うものとなっている。さらに華扇のスペルカード<鷹符「ホークビーコン」>にも関わる。
『茨歌仙』作中に頻繁に登場する大鷲の一体に「竿打」の名を持つものがあり、エピソードの起点となった事もある。
黄帝
「こうてい」と読む。
華扇が背面に龍を呼び出し、華扇の正面斜め下方向に向かって大きな水球を吐き出す。
「黄帝」がこの龍の個体名であるかどうかは不明。
『茨歌仙』作中では同一性は不明ながら複数の場面で「龍の子供」などの龍が登場している。
大火の鎮火、龍石の孵化、華扇が背に乗って夜空を飛ぶなど、ストーリー中で語られたり実際に登場したりする頻度は多い。
また「黄帝」の名は『深秘録』の別の場面でも登場しており、こちらはその名の基となった伝説上の人物のエピソードと関連されている。
彭祖
「ほうそ」と読む。
華扇が自身の背面に大きな空間の境目を生み出し、その向こう側から巨大な虎を召喚する。
虎は飛びかかるような放物線方向で前方に襲いかかる。この際の円形の境目の縁には炎が揺らめいているため、見方によっては虎の火の輪潜りにも見える。
必殺技以外で登場する場面としては、対戦モードなどでステージに入る際、華扇がこの虎に乗って現れている。
「彭祖」がこの虎の個体名であるかなどは不明。
『茨歌仙』作中では、先述のとおり空間的に乖離した華扇の屋敷(茨華仙の屋敷)の道中を守る門番として一体の虎が登場している。
務光
「むこう」と読む。
華扇の右腕の上で雷獣が帯電し、華扇が電気を帯びた包帯で前方を払う攻撃を行う。帯電は溜めが可能。
雷獣が直接連携している描写は無いが、CPU専用スペルカード<雷符「微速の務光」>に「務光」の名が組み込まれており、そのスペルカードには電球のような光弾を複数放出する表現がある。
「務光」が雷獣の個体名であるかどうかは不明。
『茨歌仙』作中では先述のとおり雷獣が一つのエピソードの要点となっている。
古明地さとりのペットとの対比
東方Projectにおいて華扇と同様に多数の動物たちと共に暮らすキャラクターとして古明地さとりがある。
さとりはその能力の影響もあって地底世界の地霊殿で人間や妖怪などを寄せ付けずに暮らしているが、一方でやはりその能力の使い方によって動物たちには大変ありがたい存在ともなっている。
さとりと動物たちの詳細については「古明地さとり」記事を参照。
このさとりと地霊殿のペット事情に関連して、『茨歌仙』にさとりが登場した際にはさとりのペットと華扇のペットとの比較が設定資料にて言及されている。
『茨歌仙』での際はさとりと華扇のペットは「 (あんまり)かぶらないように 」されたとされており、このときさとりと共に描かれているのはヒョウや猫、小鳥などとなっている。
先述のように華扇には虎や犬、鷲(大型猛禽類)などのペットが登場しているが、さとりの「 ペットラインナップ 」にはまた異なるタイプの動物たちが描かれている。
同様に動物たちと共に生活する両名であるが、さとりと華扇の二名の個人的な面識の有無については『茨歌仙』でのさとり初登場の時点では不明である。一方で華扇からは「 地底の主 」(さとりを指して)についての言及がある他、地霊殿と同様に地底世界の一部である旧地獄などに住まう人物には旧知の者もあるなど断片的な関係性は語られている。
またさとり本人ではなくその妹の古明地こいしについては『深秘録』で対面しており、この際には相手が無意識を操る妖怪であると理解しつつも実際の(知覚する他者側にとっての)神出鬼没ぶりにみる厄介さを警戒するなどしている。