解説
英語では「Racism(レイシズム)」といい、また人種差別をする人のことを「Racist(レイシスト)」という。スポーツ界などで社会問題化している。。
主な種類
白人の有色人種に対するものが多く、白人国家の世界進出が始まって以降は、侵略し植民地にしたアフリカ・アジア諸国の現地人民や、そこから奴隷として南北アメリカ大陸に連れ出した人々に対して横行した。
また、移民や難民が流れ着いた先の民族から受ける迫害問題や民族間抗争も根深い問題である。この場合、先住の多数派の人々からの差別だけではなく、移民同士が民族の違いで憎悪しあい抗争を行うことも多い。
長年複数の民族・宗派が同じ場所で平和的に暮らしていたにも関わらず、植民地時代に宗主国への反発をそらすために作り上げられた人種差別も多い(植民地時代に宗派の違いが「民族の違い」ということにされてしまった例もある)。
黒人差別
有色人種差別のうち、奴隷として連れられた欧米諸国や、その植民地だったアフリカ諸国で横行し、1960年代頃まで(現在も皆無ではない)激しかった、黒人に対する見下しや蔑み。
ユダヤ人差別
世界に離散した国家を持たない民であり、宗教上の理由から現地社会に溶け込まない事が多くヨーロッパのキリスト教社会を中心としておいて様々な迫害を受けてきた。また、ユダヤ人国家であるイスラエル建国後は、イスラム教徒から激しい憎悪を向けられている。ナチスによるホロコーストの悲劇を経た現在も、西欧以外の地域(日本を含む)ではユダヤ人差別を煽る「ユダヤ陰謀論」が未だに流布されている。
ロマに対する差別
かつてジプシーとも呼ばれた集団の内、中東欧を主な由来とする移動型民族「ロマ」に対する差別問題。
ロマはヨーロッパ全土からアメリカにまで幅広く居住地域を持っており、現在は定住生活を送る者も増えているが、各地で差別や迫害を受けている。ユダヤ人と同様、二次大戦中はナチス・ドイツによる虐殺が行われた。現在でもルーマニアやスペインなどいくつかの欧州諸国では社会問題となっている。
先住少数民族に対する差別
世界的に見られる人種差別問題の一つ。有名なものではアメリカ開拓時代に始まる白人によるインディアンへの差別・迫害問題や、白毫主義を背景としたオーストラリアのアボリジニへの差別問題が挙げられる。
日本ではアイヌ民族に対する迫害や差別問題が長らく存在しているが、アイヌが日本社会に溶け込んでいることもあってその存在自体が否定される事が多く、その認知は著しく低いと言える。甚だしくは「現代においてアイヌを自称する人々は、アイヌになりすました朝鮮人」などと、朝鮮人差別のためにアイヌをネタにするような事実無根の言説も流布されている(アイヌ協会などがたびたび抗議している)。
アジア人差別
アジア人全般、ないしは東洋人(黄色人種)に向けられる見下しや蔑みである。主に白人の東洋人に向けて行われるもの(イエローモンキーなど)が多いが、黒人や中東系による場合もある。また、近年の日本では主に『嫌韓』と称される在日韓国人へのヘイトスピーチが問題として取り上げられるようになっている。
日本人差別
第二次大戦後まで(現在も皆無ではない)アメリカに移民として出向いた日系人や、日本人に対して行われた見下し・蔑みで、中国や韓国・北朝鮮では古来から続いている思想などが原因で、現在も横行している。
白人差別
いわゆる「逆差別」の一種。虐げられてきた有色人種の人権を尊重するあまり、かえって白人側の権利を損ねること。
差別を解消することそのもは重要なのだが、それが行き過ぎていないかはよく考える必要がある。
「必ず黒人を一定割合以上雇用しなければいけない」と言ったルールがそれである。
例え差別だと思ってもあまり声高に主張できないという意味では、他の差別とはまた違った厄介さがある。