概要
『ゆめにっき』は、ききやま氏製作のフリーゲーム。
RPGツクール2003製。2004年6月26日に0.00公開。最新版は2007年10月1日公開の0.10である。
2016年にはRPGツクールMVの移植版がゲームプラットフォーム「Andapp」にて配信されている。
ゲーム内容
>とても暗い雰囲気の、夢の中(という設定)の世界を歩き回るゲームです。
>特にストーリーや目的はありません。歩き回るだけのゲームです。
(公式サイトの「ゲーム紹介」参照)
文章によるセリフやストーリー説明などはなく、そもそもテキスト自体がごく一部のイベントを除いてほとんど登場しない。
夢の中で特定のキャラをチェックすると「エフェクト」(後述)が増える。
このエフェクトを集める事が一応の目的とされることもあり、短いエンディングも存在している。
プレイするには
RPGツクール2003版
- ゆめにっき公式ホームページよりenter→ダウンロードを選択しVectorのページから本体ファイル(yumenikki0.10.lhz)をダウンロード。
- プレイに必要なソフト「RPGツクール2003 RTP」をツクールwebなどからダウンロード&インストール。
- 本体ファイルを解凍し、ゲームスタート.exeからゲームを開始する。
より詳しくはこちら(Yahoo!知恵袋)を参照のこと。
RPGツクールMV(移植版)
- ゲーム配信ページにアクセス。
エフェクト
使用すると主人公(窓付き)の姿が変わる、アイテムのようなもの。
またテンキー1or3を押すと特有の動きや効果のあるものもある。
扉の部屋でテンキー5を押すとエフェクトを捨てることが出来る。
以下にエフェクトの一覧を記す。
※ネタバレを含むので未プレイの方はご注意下さい。
エフェクト名 | 内容 | 参考画像 |
---|---|---|
★じてんしゃ★ | 窓付きが自転車に乗る。移動速度が大幅に上昇する。その後のプレイが快適に進むため、序盤に獲得するのが望ましい。テンキー1を押すとベルを鳴らす。 | |
★めだまうで★ | 窓付きの頭が、中央に目玉のついた手のひらに変わる。テンキー1で頭の手をぎゅっと握り、扉の世界にワープできるため、行き詰った際に有用である。 | |
★でんとう★ | 窓付きの頭が、電灯に変わる。テンキー1で明かりを灯すことができ、暗い場所を探索するのに有効。 | |
★ほうちょう★ | 窓付きが包丁を持つ。発狂する鳥人間を除くほとんどのキャラを刺し殺す事が可能。まれに100円が手に入る。ファンの間では窓付きの象徴として扱われることも多い。 | |
★しんごう★ | 窓付きの頭が、信号機に変わる。テンキー1で赤信号と青信号を切り替える。赤信号の際は、マップにいるキャラクターが停止する。発狂鳥人間から逃げる時に役立つほか、あるイベントを発生させるのに必要となる。 | |
★かさ★ | 傘を持つことが出来、マップに雨が降る。室内マップでも降る。別のエフェクトを使用した後、雨が降っている状態で再度かさを使用すると、雨が止む。 | |
★ゆきおんな★ | 雪女に変身し、マップに雪を降らせることができる。 | |
★かえる★ | 窓付きの顔が蛙になる。水中(浅瀬など)でも通常と同じ速度での移動が可能になる。テンキー1で蛙跳びができる。 | |
★ぼうしとマフラー★ | いわゆるマフラー子と同じような帽子とマフラーを身に着ける。雪が降っている状態でテンキー1を押すと、さらに雪だるまに変身できる。雪だるまはある条件で溶かす事が可能。 | |
★こびと★ | こびとに変身する。テンキー1を押すごとに増え、最高で7人になる。テンキー3で減らせるが、その際は1人ずつ潰れるかの様に血が出る。最高数まで増えた状態で増やそうとすると「ダメ」、1人の状態で減らそうとすると「ムリ」と言う。通常サイズでは通れない小さな穴や出入り口を通過する事ができる。 | |
★ねこ★ | 窓付きに猫の耳としっぽが生える。テンキー1でイラストのように真っ赤な猫目になり、にゃーんという鳴き声と手招きで他のキャラクターを引き寄せる事ができる。ねこを使うと見た目の変わるキャラクターもいくつか存在する。ちなみに、窓付きの髪型が三つ編みから普通のショートヘアになる。 | |
★△ずきん★ | 白い三角頭巾をつける。日本の幽霊によく着いているあの布である(正しくは「天冠」という)。テンキー1で透明になり、自分から触れない限りは発狂鳥人間にも捕まらない。 | |
★まじょ★ | 魔女に変身する。ホウキに乗って飛ぶことができる。ただし自由に飛行できる場所は1つだけであり、通常は足場の上を浮いたまま進むだけである。足場のない所を飛べるわけではない。 | |
★ふとる★ | テンキー1でおなかが鳴る。 | |
★ふえ★ | 縦笛を構える。テンキー1で吹く。 | |
★ネオン★ | テンキー1で画面の色合いが変わる。 | |
★のっぺらぼう★ | テンキー1で首が分離して回る。 | |
★なまくび★ | 体が無くなり生首だけになる。移動速度が大幅に低下する。 | |
★タオル★ | テンキー1でくしゃみをする。 | |
★ロングヘアー★ | ||
★ウンコヘアー★ | テンキー1でハエが寄る。 | |
★ブロンド★ | ||
★おに★ | 雨が降ってる状態+テンキー1で雷が鳴る。 | |
★ぶよぶよ★ | 静止時の姿は変わらないが、歩く際にぶよぶよする。テンキー1を押すと効果音を伴ってぶよぶよする。 |
影響
その独特の世界観やミニマル調の音楽、隠された設定を匂わせる各種演出などから高い人気を誇り、多様な二次創作(ファンアートや同人誌、楽曲アレンジなど)が製作され続けている。
その影響は海外にも及び、Uboachanなどのファンサイトがある。
ファンの間では夢の世界や現実の自室でのイベント、エンディングなどから主人公である窓付きの境遇や、夢の中の登場人物との関係などが熱心に考察されており、通説的なものから独特の解釈まで様々な説が存在している。
なお公式で「特にストーリーや目的はありません」と明言されているため、こういった考察はあくまで各自の二次創作である、とするのが暗黙の了解となっている。
古代文明・『MOTHER』・『Undertale』等との類似点
『ゆめにっき』は、古代文明や過去のゲームシリーズから影響されているという考察がある。例えば、「アステカ文明的なデザインが用いられている」というコラムがゲーム評論企業のサイトにある。
また同コラムでは、『ゆめにっき』の16bitグラフィックが『MOTHER2』の世界観、特にムーンサイドと比較されている(8bitに切り替わるエリアは初代『MOTHER』と比較)。
その他、『ゆめにっき』が『Undertale』へ影響したとも推測されている。
(「コラム ―― 『ゆめにっき』をどのように語るべきなのか」参照)
海外のファンサイト(Wikia)では、パラカス文明(ナスカの地上絵で有名なアンデス文明の一種)が挙げられている。パラカス文明のポンチョには、『ゆめにっき』の主人公「窓付き」に似た人物が描かれている。ピンクのチュニックに暗い色のスカートを着ており、胸の部分に模様がある。
(「Yume Nikki Wiki」の「Madotsuki」参照)
タグ付けに関する問題
『ゆめにっき』と関係のない不気味な雰囲気の絵に「ゆめにっき」タグがつけられることがあるが、これは避けたほうがよい。一作品名を不気味の代名詞として利用する事に対する反発は大きいからである(“不気味なイラスト”にはこれらのタグが存在:不気味、tanasinn)。
このようなことが起きるのは、『ゆめにっき』を知らないユーザーにも「何やら不気味なゲーム」という部分だけが伝わっている場合があるからだと思われる。
また実況関連イラストに「ゆめにっき」タグが付けられていると、『ゆめにっき』だけを検索する際に妨害となる。従って実況にっきというタグを使い、『ゆめにっき』というタグを使わなければ混乱を避けられる。
またファンゲームとしてのゆめにっき派生というジャンルがあるが、こちらは『ゆめにっき』とは直接は無関係である。『ゆめにっき』世界やキャラクターが登場しないイラストに『ゆめにっき』タグを付けることがないようにしよう。
作者公認の派生作品
ファンにより同人誌やアレンジCDなど、多数の二次創作グッズが販売されているが、ききやま氏公認の上で商業作品化されたメディアミックス作品が複数存在する。2018年3月時点では、株式会社サーファーズパラダイス主導の「Project YUMENIKKI」に基づく作品群と、株式会社KADOKAWAが発売元となるインディーズゲーム「YUMENIKKI –DREAM DIARY-」が存在する。
いずれの作品も、現時点でpixiv内でのタグ分け処理等は行われていない。
Project YUMENIKKI関連作品
株式会社サーファーズパラダイスにより立ち上げられた企画で、コミカライズ、ノベライズ、サウンドトラックの配信が行われた。ライセンス管理は株式会社スタジオディーンが担当。
公式サイト内には”「Project Yumenikki」の作品は、「ゆめにっき」原作者確認のもと、それぞれのクリエイターによる解釈に基づき制作されています。”との一文が記載されており、あくまでも各クリエイターがゆめにっきにより着想を得た、自由な発想・解釈に基づく作品であることが強調されている、二次創作的な面が強い作品群。
また、プロジェクト立ち上げの前段階からラバーストラップやクリアファイル等、原作のドット絵を利用した文具グッズの販売も行われていたが、数量に限りがあり、現在は入手困難なグッズが多い。
WEBコミック
同プロジェクトに楽曲提供も行っている、ボカロPであるマチゲリータ氏が原案、漫画家の富沢ひとし氏が作画を担当。コミックガンマ(まんがライフWIN)にて、WEBコミックの形式で掲載された。
全1巻。出版社は竹書房。
ノベル
タイトル | ゆめにっき――あなたの夢に私はいない |
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執筆 | 日日日 |
挿絵 | 有坂あこ |
原作 | ききやま |
ライトノベル作家である日日日氏の著作。
出版社は多数のフリーゲームノベライズを行った、PHP研究所。
アレンジBGMCD
タイトル | ゆめにっき の ため の ワルツ |
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アーティスト | マチゲリータ |
WEBコミックの原案も務めたマチゲリータ氏によるアレンジCD。ボーカルにはボーカロイドである蒼姫ラピスを起用。
「ゆめにっき の ため の ワルツ」「ゆめ の うた」「ゆめ の おはなし」の各3曲及び、それぞれのカラオケバージョンの計6曲を収録。全曲、オリジナルのメロディラインを有しながら、ところどころにゆめにっきBGMフレーズが織り交ぜられたアレンジ曲となっている。
ゆめにっき の ため の ワルツについてはMVも公開されており、MV制作はエジエレキ氏が手掛けている。
サウンドトラック
タイトル | ゆめにっき サウンドトラック ゆめのおと 1&2 |
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アーティスト | ききやま/INFINITY∞ |
ゆめのおと1と2で収録曲が異なるサウンドトラック。ききやま氏が原作ゲームで利用している原曲と、INFINITY∞氏によるアレンジ曲が各CDに収録されている。
Amazonプライム会員であれば、会員特典により無料で全楽曲を再生することも可能。
LINEスタンプ
インスタントメッセンジャーアプリLINEで利用できるLINEスタンプもストア上にて配信中。絵柄には原作のドット絵が利用されている。「ゆめにっき スタンプセットA」という名称で販売されているが、現在販売されているスタンプセットはこの1種のみとなる。
YUMENIKKI –DREAM DIARY-
株式会社KADOKAWAを発売元とした、3Dグラフィックのインディーズゲーム。開発は、PLAYISMの運営及び配信作品のローカライズや、ゆめにっきのRPVツクールMV移植によるWEBゲーム化を手掛けた株式会社アクティブゲーミングメディア。開発元がローカライズに特化した企業であることもあり、2018年2月23日に多国語で全世界同時発売された。
最大の特徴として、ききやま氏が「原作」ではなく「全面監修」となっており、ゲーム制作にも関与している点が挙げられる。ファミ通.com掲載の制作陣へのインタビュー記事(該当記事:『YUMENIKKI -DREAM DIARY-』開発者インタビュー “アンチ・ストーリー”な名作フリーゲームはいかにして生まれ変わったのか?)においても、ききやま氏が全ビルドのチェックを行っていることが記載されている。また、ききやま氏がゆめにっき制作当時に描いた未登場のキャラクターが実装されるということで、大きな話題を呼んだ。
また、もう一つのアピールポイントとして、原作をそのまま3Dゲーム化する「リメイク」ではなく、一度作品を分解したのちに、現在のインディーズゲームスタイルに合わせて再構築する「リイマジン」というワードを強調しており、実際にゲーム性は原作のゆめにっきとは大きく異なる仕上がりとなっている。
大手ゲーム配信サイトSteamでの作品評価は「賛否両論」で横ばいの状態が続いており、原作ファンの間でも、評価が大きく分かれている。
その他、3Dゲームである為、原作のゆめにっきをプレイするよりも、かなりスペックの高いPC環境が要求される。ゲームを購入したものの、スペック不足で不具合が生じ、プレイすることができなかったという報告も相次いでいる為、プレイに必要な環境を満たしていることを確認してから購入することが望ましい。
関連タグ
キャラクター名
ゲーム中で名前が表記されているのは窓付きのみ。モノ子、モノ江は本作のファイル名より。
複数のキャラクターに対して付けられるタグ
ブックマーク登録数タグ
ゆめにっき100users入り ゆめにっき250users入り ゆめにっき500users入り
その他
関連リンク(原作関係)
- 作者ききやま氏ホームページ
- ニコニコ大百科記事「ゆめにっき」
- Uboachan: 英語圏のファンサイト(ファン同士の交流や二次創作など)
- Yume_Nikki_Wiki:英語圏のファンサイト(原作を中心に情報をまとめたWikiaシステム)
- PLAYISM ゆめにっき: ダウンロードサイト
- PLAYISM Yume Nikki: 公式英語版ダウンロードサイト
- ゆめにっき(MV版): MV版配信ページ
- ゆめにっき - Wikipedia
- ゆめにっき - アンサイクロペディア