概要
ニンテンドーエンターテインメントシステムの頭文字を取ってNESとよばれる。
拡張チップが使えない上、ディスクシステムも存在しなかった。ただし、ディスクシステム用のソフトの一部は海外でカートリッジ向けの仕様へ変更された形で販売されている。
日本同様多くのファンが存在し、今でも見かける事がある。
ファミコンとの違い
カートリッジとコネクタ
- カートリッジのサイズと形状・コネクタの端子の数が異なる。その為互いに物理的な互換性がない。
- カートリッジが本体に横挿しタイプとなっている。
- コネクタそのものが違う為、外部入力にあたるピンが存在しないので拡張チップが使えなかった。例えば、ファミコン版では外部音源搭載だった「悪魔城伝説」が海外版の「Castlevania III」では内部音源のみのBGMとなっている。
- 勝手にソフトを作られないようにカートリッジと本体との認証チップを任天堂で初めて使われた。
- NESカートリッジ自体は実は日本でもファミコンボックスのソフトやディスクライターのゲームパック(ディスクソフトのマスターデータが入っている)で使用されている。ただしこれらはNESでは使用できない。
コントローラ
- コントローラー(ゲームパッド)が着脱可能。ニューファミコンとも共用可能。
- 着脱前提の為、コントローラーそのものに1コン2コンの違いがない。ちなみに「ゼルダの伝説」等では海外でも説明書にマイク機能を使うギミックの説明が残っていたりする。
AVS
1985年1月に、アメリカのCESで任天堂が発表した「Advanced Video System」の略称。
NESのプロトタイプとでも呼ぶべき機種であり、ホビーパソコンを強く意識したハードだった。
当時アメリカの家庭用ゲーム市場はアタリショックによって崩壊しており、特に小売や物流業者はゲーム機・ゲームソフトの不良在庫に悩まされたこともあってコンピュータゲームそのものを強く警戒し、日本でのファミコンのままでは売り込めない状況に陥っていた。
ゲーム機ではなくパソコンとして売り込んだのは、小売業者を説得するための苦肉の策だった。
しかし任天堂の期待に反してAVSは不評を買った。アタリショックの影響はパソコン業界にも及んでおり、小売業者はこれ以上ホビーパソコンを扱えなかったのだ。
欧米における展開
AVSの発売は中止され、パソコン要素を切り捨てたNESへと仕様変更された。
ビデオデッキのような外観に一新し、光線銃やR.O.B.(ファミリーコンピュータロボット)等を付属させることでゲーム機(Console)では無くEntertainment Systemであることを強調した。
これらの試みが功を奏し、1985年10月18日にニューヨークでの先行販売に漕ぎ着け、翌1986年2月には全米で発売された。海外でのローンチタイトルになった「スーパーマリオブラザーズ」が人気になったことで、再びビデオゲーム産業は活性化された。PCゲームに移っていた北米のゲームメーカー各社も家庭用ゲームに続々参入し、アメリカの家庭用ゲーム市場は復活を遂げた。
日本において「ファミコン」がゲームそのものを指す代名詞として一時期定着したように、
アメリカでも「ニンテンドー」がゲーム全般を指す代名詞として定着する程の隆盛を誇った。
一方、ヨーロッパではセガのマスターシステムに先手を打たれており、長らく二番手のシェアに留まっていたものの、激亀忍者伝のリリースを切っ掛けに逆転を果たした。
余談
- AV仕様ファミリーコンピュータ(ニューファミコン)のデザインはNES2の流用である。
- 巷に存在するファミコン互換機は極めてNESの仕様に近かったりする。
- 現在はレトロフリーク用NESカートリッジコンバーターにより日本のファミコン本体でNESのゲームをプレイ出来る。
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