概要
愛知県中部に1路線(岡崎駅~高蔵寺駅)を有する第三セクター鉄道。
略称、愛環。
電化路線でありながら特定地方交通線に指定された国鉄→JR東海岡多線(岡崎~新豊田駅間)と未成区間(鉄道建設公団建設)を合わせて1988年1月31日に開業した。
沿線にはトヨタ自動車お膝元の豊田市があり、途中の三河豊田駅~新豊田駅間には朝の通勤時間帯に本社や工場に向かう通勤客向けのシャトル列車が運行されている。
開業後に沿線の住宅地開発が進んだこと等により、第三セクター鉄道としては希少な黒字経営会社となっている。
又、国鉄赤字線から転換した第三セクター鉄道としては珍しく利用者が増加している駅の為、一部区間で複線化工事等が行われている。
但し、複線用地に関しては全線にわたってあるが、大門駅が複線用地の上にホームがあるなどの問題がある。
待避可能駅は現時点では北野桝塚駅のみだが、予定地としては三河豊田駅、四郷駅、瀬戸市駅などがある。
尚、現時点ではTOICAなどのIC乗車券は利用できないが、2019年春にIC乗車券の導入予定となっている。
余談だが、輸送密度や名古屋都市圏の通勤輸送路線から第三セクターでなく、JR東海の路線になってもおかしくない路線だと川島令三氏が語っていた。
事実、輸送人員は増加しておりJR東海でも問題ない位の利用者になっている他、愛環に転換した事で逆に利用者が乗りにくい状況が形成されている。
これは伊勢鉄道と同様、輸送人員などの数字主義と機械的な廃止・経営分離で起きた弊害である。
車両
現有車両
2002年に開業時より運用されていた100系の置き換えと愛知万博に伴う輸送力増強を目的に登場。
過去の車両
開業時に導入した車両。
片側運転台モーターありの100形、片側運転台モーターなしの200形、両側運転台の300形の3種類が在籍し、100形と200形で2両固定編成を組み、300形は増結や臨時増発などで使用された。2005年11月に引退し100形と300形がえちぜん鉄道へ譲渡された。200形は解体されて現存しない。
駅一覧
駅番号 | 駅名 | 接続路線 | 線路 | 備考 |
---|---|---|---|---|
01 | 岡崎 | 東海道本線(JR東海) | | | |
02 | 六名 | ◇ | ||
03 | 中岡崎 | 名鉄名古屋本線(岡崎公園前駅) | ∧ | |
04 | 北岡崎 | ∨ | ||
05 | 大門 | | | ||
06 | 北野桝塚 | ∧ | 現状では唯一の2面4線の駅。 | |
07 | 三河上郷 | ∨ | ||
08 | 永覚 | | | 東名高速道路上郷SAの最寄り駅。 | |
09 | 末野原 | ◇ | ||
10 | 三河豊田 | ∧ | 2面4線化が可能な用地あり。 | |
11 | 新上挙母 | 名鉄三河線(上挙母駅) | ∥ | |
12 | 新豊田 | 名鉄三河線(豊田市駅) | ∨ |
|
13 | 愛環梅坪 | | | ||
14 | 四郷 | ◇ | 島式2面4線可能な用地あり。 | |
15 | 貝津 | | | ||
16 | 保見 | ◇ | ||
17 | 篠原 | ◇ | ||
18 | 八草 | 愛知高速交通東部丘陵線(リニモ) | ◇ | |
19 | 山口 | ◇ | ||
20 | 瀬戸口 | ◇ | ||
21 | 瀬戸市 | 名鉄瀬戸線(新瀬戸駅) | ∧ | 2面4線の用地あり。 |
22 | 中水野 | ∥ | ||
23 | 高蔵寺 | 中央本線(名古屋駅まで平日朝夕のみ直通運転) | ∥ |
運行形態
全列車が各駅に停車する普通列車で、朝と夕方は15分間隔、日中は20分間隔で運行されている。
基本的に岡崎-高蔵寺間の直通が多いが、一部列車は車両基地のある北野桝塚駅で車両交換を行う。早朝・深夜には瀬戸口・新豊田・北野桝塚発着の列車が設定される他、日中にも北野桝塚発着便がある。
現在でも、ごく一部の駅は無人駅の状態である。
シャトル
三河豊田-新豊田間でトヨタカレンダー上で工場稼動日とされている日に運行される列車。運行日はその都度会社ホームページや駅などで告知される。
JR線直通列車
平日の朝夕のみ中央西線へ直通する列車が運行されており、朝は瀬戸口から名古屋へ、夕方は名古屋から瀬戸口へ向かう。
朝は第三セクター鉄道では最長の10両編成で運行されるが、一部の駅でホームの長さが足りないために乗車できる車両が限られている。
このJR線直通列車は2005年の愛知万博輸送で設定されたエキスポシャトルが前身で、万博閉幕後も毎日運転され、直通区間も岡崎まで伸びた。しかし利用率がよくないためか平日の朝夕のみに減便され、運転区間も瀬戸口までとなっている。
萌えキャラ
愛知環状鉄道では2015年に「あいちゃん」というキャラが登場している。(制作した灯夜雪氏のサイト)
関連タグ
愛知万博:会場アクセスの主力として機能した。