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ボーパルバニー

ぼーぱるばにー

ボーパルバニーとは、ゲーム「Wizardry(ウィザードリィ)」に登場するモンスターの名前である。 そしてその由来はモンティ・パイソン、果ては「鏡の国のアリス」にまで遡る。

概要

 ボーパルバニー(Vorpal Bunny)とは、ゲーム「Wizardry」において出現する「殺人ウサギモンスターである。

 イメージの起源は映画『Monty Python and the Holy Grailモンティ・パイソン・アンド・ホーリー・グレイル)』とされ、作中、ウサギがアーサー王一行に襲いかかり次々と円卓の騎士を殺していくシーンだと思われる。

 その後「Wizardry」でモンスターとして登場し、首を斬ってくる敵として印象付けられた。

 上記の映画のシーンもまさに、クリティカルヒット(首が飛んだ)感じだったりする。

また、ゲームの作られる頃の1979年、ジミー・カーター大統領が、新聞紙上で「ウサギと戦う」と揶揄されており、(実際はヌマチウサギと呼ばれる泳ぐ兎と会っただけなのだが)この事件がこのウサギ成立に何らかの影響を与えている可能性がある。

 Vorpalの由来は意外にも、ルイス・キャロルの「鏡の国のアリス」であり、作中でハンプティ・ダンプティが語る奇妙な物語「Jabberwocky」に登場する彼の造語である。

 奇妙な猛獣ジャバウォックを一撃で仕留める名剣とされている。

夕火(あぶり)の刻、粘滑(ねばらか)なるトーヴ

遥場(はるば)にありて回儀(まわりふるま)い錐穿(きりうが)つ。

総て弱ぼらしきはボロゴーヴ

かくて郷遠(さととお)しラースのうずめき叫ばん。

『我が息子よ、ジャバウォックに用心あれ!

喰らいつく顎(あぎと)、引き掴む鈎爪!

ジャブジャブ鳥にも心配るべし、そして努(ゆめ)

燻り狂えるバンダースナッチの傍に寄るべからず!』

ヴォーパルの剣(つるぎ)ぞ手に取りて

尾揃(おそろ)しき物探すこと永きに渉れり

憩う傍らにあるはタムタムの樹、

物想いに耽りて足を休めぬ。

かくて暴(ぼう)なる想いに立ち止まりしその折、

両の眼(まなこ)を炯々(けいけい)と燃やしたるジャバウォック、

そよそよとタルジイの森移ろい抜けて、

怒(ど)めきずりつつもそこに迫り来たらん!

一、二! 一、二! 貫きて尚も貫く

ヴォーパルの剣(つるぎ)が刻み刈り獲らん!

ジャバウォックからは命を、勇士へは首を。

彼は意気踏々(いきとうとう)たる凱旋のギャロップを踏む。

『さてもジャバウォックの討ち倒されしは真(まこと)なりや?

我が腕(かいな)に来たれ、赤射(せきしゃ)の男子(おのこ)よ!

おお芳晴(かんば)らしき日よ! 花柳かな! 華麗かな!』

父は喜びにクスクスと鼻を鳴らせり。

夕火(あぶり)の刻、粘滑(ねばらか)なるトーヴ

遥場(はるば)にありて回儀(まわりふるま)い錐穿(きりうが)つ。

総(すべ)て弱ぼらしきはボロゴーヴ、

かくて郷遠(さととお)しラースのうずめき叫ばん。

「vorpal」は造語であり、作者自身はその意味を定義していないが、概ね「鋭い」といった類の翻訳がされている。

 表記ゆれとして「ヴォーパルバニー」もある。

 さらに言えば商業誌のWizの四コマ漫画では萌え殺しの代名詞にもなっている。

 なお、元ネタである映画の殺人ウサギは『アンティオキアの聖なる○○○』によって斃されているが、wizardryシナリオ#4では『オックおばさんの聖なる○○○』という武器が登場する。

 『アンティオキア』= "Antioch" をもじって、 "Aunty Ock" =『オックおばさん』という、日本人にはほとんどわからない頓知である。

 ちなみに、これを持たずにB3に上がってしまうと詰む。またクレンジングオイルを用意せずにこれを使うと爆死する

関連ネタ

宮前透 - セイレンの登場人物。作品内でプレイしているゲームでウサギのキャラを担当したり、そのゲーム内にはクリティカル率の上がる「ウサギの指輪」なるアイテムが出てきたり、果ては主人公のに口づけした。

江波光則 - 同名の小説をガガガ文庫から上梓した。血生臭いピカレスク小説だが、いたるところにウィザードリィネタがちりばめられている。

迷宮キングダム - 冒険企画局のTRPG。モンスターとしてヴォーパルバニーが登場するが、その見た目は日本刀を持ったバニーガール

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