プロフィール
名前 | 田中あすか |
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誕生日 | 12月25日 |
身長 | 171cm |
星座 | 山羊座 |
血液型 | AB型 |
担当楽器 | ユーフォニアム |
好きな色 | 黒、赤 |
趣味 | 読書、水族館に行くこと |
特技 | 百人一首(大会で優勝したことがある) |
好きなもの | 猫、コーヒー、ビターチョコ、使える人 |
嫌いなもの | 犬、ココア、ミルクチョコ、使えない人 |
CV | 寿美菜子 |
概要
北宇治高校の3年生で、吹奏楽部に所属。ユーフォニアムを担当し、吹奏楽部の副部長と低音パートのリーダーを務めている。
また、自分で楽器を演奏する以外にも、学生指揮者やドラムメジャー等の役職を通して全体演奏の指揮をとることもある。
艶やかな長い黒髪が特徴の眼鏡っ娘であり、長身かつ良好なスタイルの持ち主。一見してクールで知的な雰囲気を漂わせているように見えるが、ノリはかなり軽く、時として周りを呆れさせるほどの雄弁家でもある。その見た目と中身の意外性のインパクトから、TVアニメ版のファンからは1期1話のセリフをもとに「ジョイナス先輩」なるあだ名もつけられている。
なお、劇場版の第2弾『響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』では、吹奏楽コンクール関西大会(支部大会)から全国大会、卒業式までのエピソードにおけるキーパーソン(重要人物)として、主人公の黄前久美子と深い関りを見せることとなる。
人物
容姿
肩に流れる艶やかな黒髪と理知的な印象を与える赤縁の眼鏡が特徴的な、溢れんばかりの美貌と抜群のプロポーションを誇る長身の美女。(原作1巻、35ページ、39ページ)
部内ではトランペットパートの3年生である中世古香織と双璧をなす美人として君臨しており、可憐な印象を与える香織とは対極の、時に女性らしさを通り越して「イケメン」と称されるまでの凛々しさを振りまいている。(原作1巻、117ページ)
また、女子にしてはやや低いしっとりとした落ち着いた声をしており、その声音は聞く者をドキマギさせるような艶めきを秘めている。(原作1巻、39ページ、97ページ)
性格
理知的なその出で立ちとは裏腹に明るく軽いノリの持ち主であり、しばしば突拍子もない言動で周囲を振り回すこともある。
吹奏楽関連の事柄、とりわけ自分の担当楽器であるユーフォニアムの話になると、ウィキペディアも真っ青の膨大な知識をマシンガントークのごとく披露するため、後輩の久美子たちからは何とかしてほしいと呆れる意見が漏れている。(原作1巻、79ページ、短編集1巻、16ページ)
吹奏楽部の副部長として、部内における調整能力や掌握術に対しても優れた能力を発揮しており(原作1巻、130~131ページ)、気弱な部長の小笠原晴香を強力に支える”最強のナンバー2”として部の運営に貢献している。当初はその卓越したリーダーの資質から、晴香をはじめとした多くの部員たちから「部長になってほしい」という働きかけがあったものの、あすか本人はその申し出に拒否権を発動して断っている。(なお、現在受け持っている副部長の役職にも本人は乗り気ではなく、頼まれてしぶしぶ引き受けたという形で決定している。※原作1巻、121ページ)
その他
父親はあすかが幼い頃に離婚しており、現在は母親の田中明美とふたりで暮らしている。
彼女の自室は、主人公の久美子や同じ3年生の晴香の部屋等と比べるとかなりさっぱりとしたものであり、勉強のための参考書とちゃぶ台、オーディオしか置かれていない簡素な造りとなっている。(原作3巻、219~220ページ、TVアニメ版1期7話、2期9話)
演奏技術
部内の誰よりも自身の楽器を愛しており、圧倒的な練習量と演奏経験に裏付けされた実力を誇る、部内でも一、二を争うほどの卓越した技量の持ち主。(原作1巻、74ページ、244~245ページ、第二楽章前編、31ページ)
彼女が持っている白銀のユーフォニアムはいわゆるマイ楽器(私物)であり(原作1巻、62ページ、原作3巻、242ページ)、父親が趣味用に買ったユーフォニアムを小学校1年生のときに譲り受けたものである(原作3巻、9~11ページ、231~232ページ)。父親から自分の楽器を貰ってからは、当時近所にあった楽器屋の店員に吹き方を教わったり、独学で研鑽を続けるなどして練習を行っていた。(原作3巻、232ページ、TVアニメ版2期9話)
そのため、高校3年生現在での楽器経験年数はおよそ12年。実に人生の半分以上を父親から貰ったユーフォニアムとともに過ごしているのである。
ユーフォニアムに対する情熱には計り知れないものがあり、楽器の練習を毎日欠かさず行っている。その練習の積み重ねによって奏でられる音色は、同じ担当楽器の後輩である久美子をして「まさしくユーフォニアムの真骨頂」(原作2巻、222ページ)と言わせるほどのものであり、聴く人の心を安らかにさせるような美しくしっとりとした響きをはらんでいる。
そんなあすかの音色は、日本が世界に誇るユーフォニアム奏者・進藤正和の吹くそれとよく似ており、あすかは彼の演奏を目標として練習しているのではないかという憶測を久美子に抱かせている。(原作3巻、159~160ページ)
また、音色の美しさのみならず、細かいパッセージを吹ききる技巧(テクニック)も相当なものであり、TVアニメ版1期12話では自由曲「三日月の舞」の後半部に追加された難解な連符の連続も、初見でありながら何食わぬ顔をしてさらっている。これは楽譜を見てすぐさまその音楽を再現できるほどにユーフォニアムを知り尽くしていることに対する、ひとつの証であるともいえる。(原作1巻、175ページ)
余談だが、同じパートの1年生である川島緑輝に「あすか先輩は彼氏いるんですか?」と聞かれた際には、「いるわけないじゃない! 私の恋人はユーフォニアムさんただひとり!」と返答している。(原作1巻、191~192ページ、TVアニメ版1期8話)
彼女の持っているユーフォニアムのモデルは、YAMAHA YEP-621S。主人公の黄前久美子の担当楽器であるYEP-621(クリアラッカー仕上げ)の銀メッキ仕様にあたる。
(一般にクリアラッカー仕上げ(金色)の楽器はソリッドな音でフォルテの音抜けが良く、銀メッキの楽器は柔らかく明るめの音で、より細かなニュアンスが出せるなど音色に微妙な違いが出るとされている)
仮面の下の素顔
普段は茶目っ気のある陽気な性格をしているが、他人のトラブルに関しては(自身に利害が及ばない限り)興味を示さず、一貫して中立の立場に立つ。
そのため、自分と無関係な問題には恐ろしいほどに冷徹な面を見せることがある。
吹奏楽コンクールに出場するメンバーを決めるオーディションが近づくなか、同級生の加藤葉月の失恋の責任を感じて練習に集中できないでいる川島緑輝の様子を見たあすかは、(緑輝本人がいないところではあるが)「正直超どうでもいい」と言ってのけ、「私情で練習できなくなってるようなやつに構ってる暇はない」と言い残してその場を立ち去っている(副パートリーダーの後藤卓也いわく、「怒ってた」)。これには、「練習とプライベートの切り替えができないやつには合わせていられない」というスタンスと、「部活や音楽以外のネタで自分の練習時間を割かれるのが一番嫌い」というあすかの本心が現れている。(原作1巻、211ページ、TVアニメ版1期9話)
また、吹奏楽コンクール京都大会(府大会)前に勃発したトランペットパートのソリストに関する対立においては、後輩の久美子から中世古香織と高坂麗奈のどちらがソロをやるべきかと問われた際に、当初は副部長という立場から答えをはぐらかしていた。それでも「あすか先輩個人の意見はどうですか?」と引き下がる様子を見せない久美子に、あすかは「ここだけの話」という耳打ちに続けて「正直言って、心の底からどうでもいいよ。誰がソロとか、そんなくだらないこと」と、久美子の背筋が一瞬で凍りつくほどの冷ややかな一言を残してその場を立ち去っている。(原作1巻、290ページ、TVアニメ版1期10話)
同じパートの後輩である中川夏紀をして、「あすか先輩は、特別だから」(原作1巻、211ページ)と言われるように、あすかは自らのユーフォニアムに対して恐ろしいまでにストイックに取り組み、その結果として部のなかでもトップクラスの努力家である香織の遥かに上をいくほどの実力を手にするまでに至っている。(原作1巻、244ページ)
しかし、あすかの原動力はあくまで「ただ自分のためだけに楽器を吹き、自分が楽器を吹けたらそれだけで満足」というものであり、そこに「部活のため」や「コンクールのため」等という余地は存在しない。そのため、後輩や他のパートの部員が下手だったり練習をサボっていようが、コンクールの前にテナーサックスの部員がひとり抜けようが、自由曲のソロパートを3年生と1年生のどっちが吹こうが、本心では結局どうでもいいのである。(短編集2巻、42~43ページ)
部内における活躍
1年生時~2年生時
北宇治高校の入学式において新入生代表として壇上に立ったあすかは、その後も進学クラスのなかでトップの成績を収めつつ、吹奏楽部に所属して日々の練習活動にあたっていた(短編集1巻、52ページ、短編集2巻、43ページ)。しかし、その当時の吹奏楽部は向上心とは程遠いだらけきった雰囲気が蔓延しており、あすかとともに低音パートに所属した同級生たちは部内のよどんだ空気に耐えきれず「思ってたのと違った」「ここにいる価値がない」等と早々に見切りをつけて退部する始末であった。(短編集2巻、42ページ)
あすかはそのような部内の情勢や辞めていく同級生たちには目もくれず、「ユーフォが吹ければそれでいい」とひとり黙々と練習を続けており、生来の類稀なる容姿や頭脳、飛び抜けた演奏技術等も相まって、部内の先輩を含む周囲からは異質な存在として認識されていた(短編集2巻、43ページ)。また、今現在のよどんだ部内の体質を変えてみる気はないかと問いかけられた際にも、「あほくさ。なんでうちがそんなことしなあかんの」と一笑し、自らの持つ優れた器量を部内改革に差し向ける気はないことを明らかにしている。(短編集2巻、46~47ページ)
2年生に進級し、あすかいわく「とがった無能」な上級生たちによる新年度が始まって以降は、低音パートの新入生指導係として中川夏紀をはじめとする3人の後輩たちの指導にあたることとなる(短編集1巻、127ページ)。この当時もまだ部内の空気は改善せず、フルートパートの傘木希美をはじめとする楽器経験者の1年生部員が部内の中核たる3年生部員と衝突を起こし、結果として1年生部員の大量退部に至るという痛ましい出来事も起こっている。
この1年生部員と3年生部員の衝突のなかで、自身の後輩である夏紀が3年生部員に向けて啖呵を切ったために低音パートの部員たちも3年生部員に目をつけられるようになり、これを受けたあすかは低音パートの実質的なまとめ役として解消に乗り出している(原作2巻、232ページ)。また、部内改革を掲げる1年生部員の中心的存在であった希美に対しても、彼女が部を去る際に声をかけており、希美が吹奏楽部に対して未練を抱いていること、そしてそれを理由に希美が復帰を申し出ても、希美の復帰が部にとってマイナスになるのであれば部への復帰を阻止することも考えていると告げている。(原作2巻、153~155ページ)
3年生進級~吹奏楽コンクール京都大会
これまで部の中核を担っていた上級生たちが引退をしたのち、あすかはその並外れたスペックから部長の座を薦められるが、もとより音楽と楽器以外に興味のないあすかはそれを断り、最終的に小笠原晴香に部長職を譲る形で副部長の座に落ち着くことになった。
こうして始まった小笠原・田中体制の吹奏楽部は、当初はこれまで通りの雰囲気のもとに緩い活動を続けていたが、4月になって新たに赴任してきた男性教師、滝昇を顧問に迎えたことをきっかけとして、その活動方針を大きく変えていくこととなる。部員たちの多数決で決まった「本気で全国大会を目指す」という部内目標に基づいた改革とそれによる混乱が巻き起こるなか、あすかは
副部長、低音パートのリーダー、ドラムメジャーをはじめとする様々な役職を通して部員たちをまとめ上げ、滝の断行による部内改革や部長である晴香の舵取りを陰に日向に支えることとなる。
また、大学受験を控えた高校3年生という時期的な特性も鑑みて、コンクールシーズンの終わりに自身の引退、すなわちユーフォニアムとの別れを重ねるようにもなり、そこから生じた寂寥感を1年生の後輩である黄前久美子に「ずっとこのまま夏が続けばいいのに」というような形でちらつかせてもいる。(原作1巻、307~308ページ、TVアニメ版1期13話))
吹奏楽コンクール関西大会
滝の指導によって様変わりした吹奏楽部が吹奏楽コンクール京都大会(府大会)で金賞を受賞し、より上の大会である関西大会(支部大会)への進出を決めると、あすかはここから更に先、吹奏楽コンクール全国大会へ出場する可能性をわずかながら見出すようになる。そして、その可能性を少しでも高めるために、部内唯一のオーボエ担当である鎧塚みぞれを守るべく、彼女のトラウマの原因となっている希美が復帰することを拒否するなどの動きを見せるようになる。(原作3巻、235~236ページ、TVアニメ版2期1話~2期4話)
紆余曲折を経てみぞれと希美の問題が解決し、吹奏楽部が万全の構えで関西大会の本番に臨めるようになると、あすかは部員たちの前に立って「私は”関西に来られてよかった”で終わりにしたくない。ここまで来た以上、何としてでも次へ進んで、北宇治の音を全国に響かせたい」と自身の強い意志をはっきりと誇示し、本番の演奏に向けて部全体の心をひとつにまとめ上げている。(原作2巻、288ページ、TVアニメ版2期5話)
退部の危機~吹奏楽コンクール全国大会
北宇治高校吹奏楽部は関西大会において大阪府の強豪校を退け、栄えある吹奏楽コンクール全国大会への出場権を獲得する。しかしそれは同時に、3年生部員の引退が10月末まで延びることも意味していた。
この事実を突きつけられたあすかの母親である田中明美は、大学受験を理由としてあすかに退部を迫るとともに、北宇治高校の教頭と吹奏楽部顧問の滝のふたりを相手取って直談判に乗り出した。母親に逆らうことのできないあすかは表立った反抗を見せる様子もなく、副部長として部の支柱を担ってきたあすかが退部するという噂は部全体の士気を急激に下落させることになる。(TVアニメ版2期7話)
吹奏楽部で活動する時間を大幅に削られたあすかは、自身の代役として全国大会に出る覚悟を2年生部員の夏紀に諭すとともに、1年生の後輩である久美子にも自身の本心を打ち明けることを画策する。マンツーマンの勉強会をするという口実で久美子を自宅へと呼び出したあすかは、自身の父親が世界的なユーフォニアム奏者、進藤正和であることを打ち明ける。それをきっかけに、あすかは自身のこれまでのユーフォニアム吹きとしてのエピソードや今年の全国大会の審査員のなかに父親・進藤正和がいること、そして父親に自身の演奏を聴いてもらうために副部長の立場から吹奏楽部を利用したことなどを語った。(原作3巻、221~240ページ)
久美子との対話の終わりに、あすかは自宅近くの河川敷に久美子を連れていき、そこで父親からユーフォニアムとともに譲り受けた独奏曲を披露する。その曲を聴いた久美子は、あすかの美しい音色のなかに、息が詰まるような苦しい感情を垣間見ることとなった。(原作3巻、240~243ページ、TVアニメ版2期9話)
その後日、改めてあすかの前に現れて復帰の説得をする久美子に対し、あすかは「私がこのままフェードアウトすることがベストなの」として、鋭い正論のもとに久美子の意志を打ち崩そうとする。しかし、晴香や夏紀をはじめとする部員たちの想いに背中を押された久美子は、理屈や正論とはかけ離れた”想いの強さ”をもって猛烈な勢いであすかに詰め寄り、持てる想いのすべてを彼女にぶつけきる。そのすべてを受け止めたあすかは、涙でぐちゃぐちゃになった表情の久美子をなだめつつ、「でも、嬉しいよ。嬉しいな……」と、穏やかな言葉で素直な気持ちをつぶやいている。(原作3巻、258~271ページ、TVアニメ版2期10話)
久美子の言葉を通じて彼女と部員たちの想いを受け取ったあすかは、模擬試験の結果をもとに母親に部活継続の説得を行い、見事許可を得て正式に部活への復帰を果たした(原作3巻、281~285ページ)。あすかが復帰したことにより万全の構えで迎えることのできた全国大会の本番であったが、並みいる全国常連・常勝校との実力差は歴然としており、部員たちの想いもむなしく北宇治高校は銅賞を受賞することとなる。しかし、審査員のひとりである進藤正和は実の娘の演奏をしっかりと見届けており、顧問の滝を通じて「よくここまで続けてきたね。美しい音色だったよ」というメッセージをあすかへと送り届けた。その実の父親からの言葉を受け取ったあすかは、これまで一度たりとも見せたことのなかった屈託のない笑みを浮かべながら「やったぁ! ユーフォ褒められちゃったぁ!!」と久美子を強く抱きしめている。(原作3巻、369~373ページ、TVアニメ版2期12話)
卒業式
卒業式の当日、卒業生の代表として答辞を述べたあすかは、その後の在校生との懇談に顔を出すこともなくひとりで母校を去ろうとしていた。そんなあすかを捕まえた後輩の久美子は、”恋の相談”と称してこれまであすかに抱いていた想いを打ち明ける。いつも本心を見せずに見下したような態度をとるあすかに苦手意識を抱きつつも、その美しいユーフォニアムの音色にいままでずっと憧れ続けていたと語る久美子に、あすかは鞄から取り出した一冊のノートを渡す。そのノートが示すものが何であるかを悟り、「さよならって言いたくないです!」と涙を浮かべて詰め寄る久美子に、「じゃあ、言わない」と笑みを浮かべながら通り過ぎたあすかは、向き直りざまに「またね!」の力強い一言を残して立ち去っていった。
あとに残された久美子は、静寂のなかであすかから託されたそのノートを開く。そこで久美子は、かつてあすかが自分の前で奏でてくれた曲と、その曲につけられた題名を初めて知ることとなる。
進藤正和があすかに託し、あすかが久美子へと託したユーフォニアムの独奏曲『響け!ユーフォニアム』。その題名に込められた誇りを受け継いだ久美子は、これから始まる新たな一年間へと踏み出していくこととなる。(原作3巻、374~382ページ、TVアニメ版2期13話)
主要キャラクターとの関係
黄前久美子
低音パートでユーフォニアムを担当するふたつ下の後輩。1年生。
あすかは久美子を「黄前ちゃん」(原作小説では「久美子ちゃん」)と呼び、対する久美子は「あすか先輩」と呼んでいる。
小学生の頃から楽器を続け、ある程度の実力と経験を兼ね備えている久美子に対してあすかは一目置いており、あすかはしばしば久美子とふたりきりになった際に仮面の下に忍ばせた本心をちらつかせている(TVアニメ版1期10話、1期13話、2期4話)。一方の久美子は、あすかのノリのいい振舞いに若干の苦手意識を覚えることもあるものの、卓越した実力を持つ演奏者としてのあすかの姿に強い憧れを抱いており、「あんなふうに吹けるようになりたい」「久美子にとって、あの音楽は特別だった」等と、高校生活の始終を通して彼女の背中を追いかけるようになる。(原作公式ガイドブック、167ページ、第二楽章後編、218ページ)
吹奏楽コンクール全国大会への出場を控えるなか、吹奏楽部があすかの退部騒動によって大きく揺れ動いた際には、あすかは久美子を自宅へと誘い、自身の生い立ちやコンクールに対する本心を明らかにしている。そしてその後日、姉である黄前麻美子との和解を経て想いを新たにした久美子は、あすかに対して本気の説得を行い、結果として彼女の部活復帰に大きく貢献することとなる。(TVアニメ版2期9話~2期10話)
卒業式の日に、あすかは自身の父親である進藤正和から譲り受けたノートを久美子に託し、同時にノートに書かれた彼作曲のユーフォニアム独奏曲「響け!ユーフォニアム」を、久美子がこれから入部してくる新入生に聴かせるように言葉を添えている(TVアニメ版2期13話)。また、卒業後に行われた立華高校との合同演奏会に向けた練習において、久美子が自身の演奏技術の向上に悩んでいることを知ると、自身のドラムメジャーの練習と並行する形で彼女の指導にあたっている。
中川夏紀
低音パートでユーフォニアムを担当するひとつ下の後輩。2年生。
あすかは夏紀を「夏紀」と呼び、対する夏紀は「あすか先輩」と呼んでいる。
高校生になってから楽器を始めたために、あすかは夏紀の持つ演奏技術をあてにはしていないものの、人情の機微に聡(さと)く周りとの調整能力に長ける夏紀の特性もまた認識しており、その「緩衝材として優秀」という評価がのちに夏紀を副部長に推す大きな一因となっている。(短編集2巻、97ページ)
一方の夏紀は、学力や楽器の腕前はもちろんのこと、類稀なる統率力を有しているあすかのことを「特別」な存在として認めており、同時に優子や希美といった自身の同級生たちがあすかに憧れを抱いていることにも理解を示している。
コンクールシーズンを終えて晴香やあすかたちの代(3年生)が引退する際に、あすかは夏紀に自身が引退したあとの部活を託したほか、彼女を後任の副部長として指名している(TVアニメ版2期12話~2期13話)。また、立華高校との合同演奏会に向けた練習のなかでは、あすかは夏紀に対して演奏技術の指導をワンツーマンで行っている。
川島緑輝
低音パートでコントラバスを担当するふたつ下の後輩。1年生。
TVアニメ版ではしばしば彼女のことを「サファイア川島」と呼んでおり、緑輝はその都度「緑です!」と訂正している。
コントラバスの卓越した演奏技術と音楽に関する豊富な知識、そして部のメンバーたちを思いやる人間味の良さ等を兼ね備えており、あすかはそんな彼女を高く評価している。
のちにコンクールシーズンを終えて部活から引退する際に、あすかは緑輝に「低音パートの伝統」等と称して、自身の代わりに音楽・楽曲作品等に関する説明を披露する役割を託している(もっとも、久美子がこの「低音パートの伝統」の存在の有無を新パートリーダーの卓也に確認したところ、卓也はこれをあっさりと否定している。※原作公式ガイドブック、115~118ページ)。また、あすかの卒業後、緑輝が音楽に関する説明を披露するときは赤縁の伊達眼鏡を装着しており、あすかへのリスペクトを見て取ることができる。(短編集2巻、211ページ)
中世古香織
トランペットパートのリーダーを務める同級生。3年生。
あすかと並んで北宇治高校吹奏楽部を代表する美人と見なされているほか、楽器の演奏技術もあすかに追随するほどのレベルにある実力者でもある。
ふたりは1年生の頃から一緒に下校するなど密な関係を続けており(短編集2巻「だけど、あのとき」)、とりわけ香織はあすかに対して強い憧れや友情以上の感情を抱いている(『響け!ユーフォニアム』DVD&BD7巻ブックレット、4ページ)。そのような香織とあすかの関係については、久美子も特別なものを感じ取ってはいるものの、ふたりの関係については「なんだか危ない一線を越えてしまう気がする」として、不用意に探ることは控えている。(原作3巻、218ページ、原作公式ガイドブック、48~49ページ、54ページ)
小笠原晴香
吹奏楽部の部長とサックスパートのリーダーを務める同級生。3年生。
気弱な性格ゆえに、あすかのサポートを得ながら部の運営に奔走している。すべての事柄をそつなくこなすことのできる副部長のあすかに対し、晴香は当初強いコンプレックスを抱いていたが(短編集1巻、53ページ)、部長としての職務経験を重ねていくうちに、次第にそのコンプレックスを克服していくこととなる。
田中明美
あすかの母親。かつての夫であった進藤正和に去られて以降、一人娘のあすかを女手ひとつで育ててきている。(原作3巻、62ページ、228ページ)
ヒステリックかつ束縛の強い性格の持ち主で、自らが描く「幸せの理想像」のなかにあすかを入れ込もうとして、そこからはみ出たがるあすかと何度も衝突を起こしている(原作3巻、230ページ、232~233ページ)。
しかし、あすかはそんな母親に対し、そのヒステリックな性格に侮蔑と憐憫を覚えつつも、これまでたったひとりで自分を育ててくれた「借り」も併せて認識しており、「ここまで来ると、好きとか嫌いとか、もうそういうんじゃないねんなあ」と、一生外せない枷に繋がれたような思いをもって接している。(原作3巻、228~230ページ)
低音パートのメンバー一覧
ユーフォニアム
チューバ
コントラバス
- 川島緑輝(1年)
関連イラスト
冬制服
夏制服
ドラムメジャー(サンライズフェスティバル)
黒ビキニ
コート&マフラー姿
小学生時代
関連タグ
黄前久美子 - ユーフォニアムを担当するふたつ下の後輩。1年生。
加藤葉月 川島緑輝 - 同じ低音パートに所属するふたつ下の後輩。1年生。
中川夏紀 - ユーフォニアムを担当するひとつ下の後輩。2年生。
後藤卓也 長瀬梨子 - 同じ低音パートに所属するひとつ下の後輩。2年生。
小笠原晴香 - サックスパートに所属。北宇治高校吹奏楽部の部長を務める同級生。3年生。
斎藤葵 - サックスパートに所属。あすかのことを心の隅で羨んでいる節のある同級生。3年生。
中世古香織 - トランペットパートに所属。パートリーダーを務める同級生。3年生。