映画『平成ライダーVS昭和ライダー 仮面ライダー大戦 feat.スーパー戦隊』については仮面ライダー大戦を参照。
概要
平成ライダー10周年記念作品『仮面ライダーディケイド』内で描かれたライダー同士のバトル。
「ライダー大戦」の実態については、第1話でヒロイン・光夏海の見た夢の中で描かれ、歴代平成ライダーとディケイドの壮絶な戦いの果て、仮面ライダークウガアルティメットフォームとディケイドが相討ちになるところで終わっていた。
記憶を亡くしていた主人公・門矢士/仮面ライダーディケイドは、様々な世界を渡る。そのたびにあらゆる世界のライダーから「悪魔」「世界の破壊者」呼ばわりされることになるが、ディケイドは諦めずに世界を繋ぎ、ライダーと絆を紡いだ。
そのディケイドの正体が明らかになるのが、士の生まれ故郷である『ディケイドの世界』であり、士は大ショッカーから押し着せられた大首領の座に就き、仮面ライダーたちと戦うことで世界の崩壊を止めようとする。
しかしながらそれはディケイドの世界を繋ぐ力を欲しがった大ショッカーのでっち上げた嘘であり、これはライダーバトルの真の目的ではなかった。大ショッカーを離反した士は、新たに首領の座に就いた月影ノブヒコをオールライダーとの協力で打ち倒し、世界の崩壊は止まった…。
かに見えたが全然そんなことはなく、大ショッカーを潰してもなお世界の崩壊は続く。やがてディケイドの巡ってきた9つの世界は合体・崩壊を始め、とうとう自らの世界を守るためにディケイドのあずかり知らぬところで勝手にその世界を代表するライダー同志の戦争が始まってしまう。なんとか士や小野寺ユウスケ/仮面ライダークウガはこれを調停しようと試みるのだが、そこで現れた謎の男・剣崎一真は衝撃の事実を口にする…。
参考資料
成瀬史弥『平成仮面ライダー 英雄伝』(レッカ社) 2012年
関連項目
ディケイドの世界 → ライダー大戦の世界 → ゴーカイジャーの世界
この先、核心に迫るネタバレが含まれます
「貴方は全てのライダーを破壊する者…創造は破壊からしか生まれませんからね」
剣崎が、そして士を旅に誘った紅渡/仮面ライダーキバが語った本当のライダー大戦の目的。それは、世界を破壊し、作り直すことで「仮面ライダーの記憶」を未来へと繋ぐというものだった。
ディケイドは「全てのライダーと戦って、勝った」という「歴史」を作るためのキャラクターであり、それによりディケイドに惜しくも敗れ去ったライダーたちは人々の記憶に紡がれ、永久に残ることとなった。
しかし、ディケイドに物語は無かった。
ディケイド=士は、役割を終えた後は死ぬことしか出来なかった。
以上がディケイドの事実上最後のエピソードである「劇場版仮面ライダーディケイド 完結編」で語られた真実である。
記憶が存在を立証する、という物語については第8作『仮面ライダー電王』を彷彿とさせる(事実、電王のみリ・イマジネーションライダーが登場しない)。事実、この後士は仲間たちの記憶と生前の写真のネガに残された記録により、復活を遂げることとなる。
余談
また、最終回ラストに登場する歴代ライダーの正体に関しては諸説あるが、オリジナルの変身者が登場しているブレイドとキバがいる点や(クウガを除き)リ・イマジネーションライダーが消滅している事から、彼らもまたオリジナルの仮面ライダーその人であると思われる。(第1話のミラーワールドに登場した龍騎も最終回でディケイドと戦う龍騎と同一人物であるという説も。ただし、これらの説が成立してしまうと原典の最終回の展開的に龍騎はどうやってデッキを再び手に入れたのかという疑問が湧くが、鳴滝の勢力が一枚噛んでいるのかもしれない。)
それを踏まえた上で、夏映画に登場した津上翔一の『士、ここからが君の本当の旅だ。』というセリフを聞くと、これから待ち受けるライダー大戦やその先の出来事を見越してのセリフに聞こえるのかもしれない。
ただし、最終回のオールライダー=オリジナルとした場合、原典との性格の差異から反発するファンも多い。ただ一つ言える事はディケイドは旅した世界で『役割を与えられていた』為、歴代ライダー達も同様に『ディケイドと敵対する事』が役割だったとも考えられる。