「今の私はこのガキの身体を乗っ取っているだけだ。武器を下ろせ。変身を解け。ハッハッハッハッ…」
概要
シリーズ最終回に登場する敵アーマードライダーにして一応ラスボス(鎧武の最終回はエピローグであり、本筋上のラスボスはロード・バロンであると言った方が良い。他のシリーズで言えば仮面ライダーWのエナジー・ドーパントに近い立ち位置である)。
特徴
「邪」がモチーフの仮面に、冠や斬月・真のものと同タイプのライドウェアを装着する和風のライダー。仮面の下は、鎧武・冠と同じ顔となっている。他のライダーと同じく、戦極ドライバー(それも認証機能付きの初期型)で変身する。
ダークネスアームズ
「オぅゴンの果実……!」
黒のリンゴをモチーフとしたゴールデンアームズやシルバーアームズと同形状の形態(頭の兜はシルバーアームズのものと同形状)。彼らと同じく、初期型戦極ドライバーで変身する。
アームズウェポンは濃いピンク色のダーク大橙丸。さらに無双セイバーを装備しナギナタモードも使用する。
その禍々しい姿や醜悪な執念を剥き出しにした有様は、紘汰の言う「ただの金メッキ」すら剥がれ落ちた、腐ったリンゴとさえ形容できる醜悪な代物と化しており、必殺技で放つリンゴはまるで毒リンゴのような見た目となっているなど、黄金の果実を超えるどころか酷く劣悪な存在に化した事が窺える。
尚、開錠時の音声やカッティングブレードの音声、変身待機音は劇中で流れなかったため不明だったが、最終回より1年後の玩具販売により和風と判明。
必殺技
リンゴ弾(スカッシュ)
「ダークネススカッシュ」で発動。
複数のリンゴ型光弾をダーク大橙丸・ナギナタモードで射出する。
リンゴ弾(オーレ)
「ダークネスオーレ」で発動。
巨大なリンゴ型光弾をダーク大橙丸・ナギナタモードで射出する。
正体
正体は、劇場版に敵として登場したコウガネ。劇場版で消滅したかと思われていたが、実は生存して復活の機会を狙っていた。
かつて自らの野望を阻止したアーマードライダー達への復讐の為に、ヘルヘイム消滅より7ヶ月が経った沢芽市に現れ、無関係の少女(超全集では舞に似た少女とキャスト表記されている。)の体をのっとり、野望の実現を再び目論む。
戦闘力
イナゴ怪人との共闘ではあるが、城乃内の変身した黒影を圧倒し、終盤では鎧武と龍玄を相手にして互角以上に斬り合い、連携銃撃を受けて倒れるもすぐに立ち上がるなど、戦闘力は決して低くない。対抗手段としてのドライバーが少ない状態では脅威の存在である。
しかし、二人がかりなのに仮面ライダー龍玄1人の前に一旦劣勢になったあたり、仮面ライダーマルスと比べると明らかに弱体化している。本人によるとまだ完全復活の途上の段階にあり、「今はこれが精一杯」とのことで、マルスの時からは程遠いようである。
一方、完全復活を待たずに少女を依り代にし、それを人質にとって龍玄を変身解除させて追い詰めるなど、狡猾さと卑怯さは劇場版から変わっていない。完膚なきまでに叩き伏せられ、人間体やマルスへの変身能力を失ったにも関わらず、7ヶ月かけて力を蓄えて復活、新たな姿を得るに至ったあたり、執念深さも相当である。
活躍
劇場版で倒されたものの、かろうじて生存して力を蓄え続けていた。
そして、自分を倒した紘汰らアーマードライダー達への復讐の為に、手始めに無数のイナゴ怪人の分身の一体に自分の意識を宿らせ、ビートライダーズの中のとある少女に依り代として乗っ取り、光実の前に少女の姿で現し邪武に変身して襲い掛かる。
だが、彼が起こした騒動は全てラピスの夢の世界の出来事として完結してしまったため、最初に遭遇した光実を始め、アーマードライダー達には軒並み忘れ去られており、これに激しく逆上していた。
まず光実を痛めつけると、自身やイナゴ怪人を倒す為にやってきた貴虎、秀保、凰蓮、そしてザックにも同様の暴挙を働く。もちろん、彼らは皆オーバーロードやバロンとの死闘で変身能力を失っているため、生身での戦いであった。
変身できない事実を知ると彼らを嘲笑い、紘汰達が守ってきた沢芽市を破壊し、さらにフェムシンム同様に人類を滅ぼす事を宣言して、イナゴの群れに紛れて姿を晦ます。
もはや対抗手段である戦極ドライバーが殆ど残っていない中、黒影に変身した城乃内が単身戦いを挑んでくるものの、圧倒的な戦闘力差を見せてこれを一蹴した。
しかし、次に、もういない葛葉紘汰に代わって街を守ろうと決意したミッチと戦闘になると、その奮闘の前に苦戦を強いられ追い詰められる。
ここではわざと変身を解除し、自分が無関係の少女の体をのっとっていることを明らかにすることでミッチを変身解除させ窮地を逃れたが、今度は、始まりの男として宇宙の果てへ旅立ったはずの紘汰が加勢に現れる。彼のオーバーロードの力でイナゴ怪人は黄金の林檎のオーラに包まれて消滅、さらに少女と分離させられてしまった(ちなみに彼だけはコウガネのことを覚えていた)。
邪武の姿と戦闘力は維持したものの、絆を修復した紘汰とミッチの共闘の前にあえなく攻勢が逆転。しぶとく必殺技を繰り出して抵抗したものの、2人のライダーキックを同時にくらい敗北。炎となって今度こそ完全に消え去った。この時、断末魔のように彼の顔が爆炎から浮かび上がっていた。
なお、後日談の小説版では前述の通り、忘れられておりそのうえ正体不明のまま倒されたので、貴虎はフェムシンムのことを知っていたからオーバーロードの生き残りではないかという当たらずとも遠からずな推測をしている。
余談
- 仮面ライダーオーディンのようにラスボスとなる仮面ライダーは存在していたが、最終回のみに登場する仮面ライダーは史上初。
また一応身体だけなら女性ライダーと言えなくもなく最終回の敵が女性ライダー(?)だったのも、平成ライダー初である。
男性の人格だが女性の体を乗っ取った敵としては仮面ライダーオーズの錬金術師ガラが、依り代から分離してなおそのまま実体化するのは敵としては仮面ライダーポセイドンが先例にいる。
名前の由来は恐らくジャムだと思われる。
- ファンからは作中では誰かわかりづらいという話が出ることがある。これは、コウガネが劇場版のキャラであるから…ではなく、変身前後及び声の全てがマルスのときとは別でコウガネと本人が名乗らないとはっきりと正体が分からないという点だろう(マルス自体はTVにゲスト出演的に出ている)。
関連タグ
仮面ライダー鎧武 アーマードライダー 仮面ライダーマルス 仮面ライダー冠 コウガネ
エナジー・ドーパント:本編後日談となる最終回に登場した「口だけ野郎」繋がり