概要
映画『仮面ライダーアギト PROJECT G4』に登場する、グンタイアリに酷似した超越生命体。
自衛隊の超能力秘密研究施設を壊滅させた後、インターネット上の「ESPクイズ」というゲームを(無自覚に)超能力を使ってクリアした人間を感知しては次々と殺していった。その後、風谷真魚が拉致された際、真魚が発する力に反応して自衛隊のG4システム運用基地に集団で襲撃をかける。
社会性昆虫がモチーフの怪人だけあって、他の超越生命体とは違い、群れのリーダーである女王、部隊を率いる隊長クラスの者、その指揮下にある多数の戦闘員的ポジションの者というように、明確な階級に基づいて各個体が分類される特徴を持つ。
また、普通の超越生命体がターゲットと定める人物が1人につき1人、多くてもその肉親などごく少数だったのに対し、アントロードは自分達のテリトリーの範囲内で超能力を発揮した人物を感知して襲いかかるという習性を持つだけでなく、超能力者でない人間であっても襲って殺すという特異な行動をとっていた。グンタイアリだけに「その場にいる者は皆殺し」ということか。
平成ライダーでは初の「無数に登場する怪人」であり、後発の作品では戦闘員として扱われることが多い。
ちなみにモチーフもショッカー戦闘員である(リーダーが赤いのもそれが原因)。
各個体
フォルミカ・ペデス
CV/安井邦彦、穴井勇輝、RIDER CHIPS(アギト)、塩野勝美(アギト、ディケイド)
※メインイラストの怪人
黒アリに酷似した姿を持つ。個体名の意味は“歩兵の蟻”。身長207cm、体重150kg。
周囲30kmの範囲を網羅する感知能力、何でも噛み砕く強靭な顎、そして口から吐き出される強力な蟻酸が武器で、蟻酸を浴びた者は水も何もない空気中であるにも関わらず溺死してしまう。
個体名からも分かるようにアントロードの中では最下級に属する「働きアリ」で、超能力者の抹殺の遂行は主に彼らが行う。
地下に存在する彼らの巣の中には夥しい数のペデスが存在し、そこから地中を掘り進んで大量の同胞を引き連れて出現し、その圧倒的な数を活かしての物量戦を得意としている。
普段は統率のとれた動きを見せているが、統率者のフォルミカ・レギアやフォルミカ・エクエスが斃れると途端に行動の制御が出来なくなるような描写がある。
個々の戦闘力には個体差があるらしく、自衛隊の超能力秘密研究施設でG3-Xと対決した個体やギルスと単独で対決した個体は彼らと同等に戦えたが、その後の集団で登場した者たちはただの戦闘員クラスにまでレベルダウンしていた。
アギト、G3-X、ギルス、G4との激戦でその数を減らしていき、最終的には全個体が掃討されたと思われる。
フォルミカ・エクエス
CV/柴本浩行
赤アリに酷似した姿を持つ。個体名の意味は“騎士階級の蟻”。身長210cm、体重158kg。
大多数のフォルミカ・ペデスを指揮する行動隊長、あるいは部隊長的な役割にある(グンタイアリの「メジャー」位階に相当するものと思われる)。
多数引き連れたペデスにターゲットを確実に撲滅させ、それでも敵わないような相手には、怪力とジャッカルロード(スケロス・ファルクス)やクロウロード(コルウス・カルウス)が使っていたものと似た形状の大鎌を武器に自ら襲いかかる。また、フォルミカ・レギアの身辺警護の役割も担っている模様。
アギト&G3-Xとの初戦では多数のペデスを率いて襲いかかるが、G4の乱入で部下のほとんどを失ったため、その際のどさくさに紛れて一時撤退。
その後のG4システム運用基地襲撃では施設内に突入していたギルスと真魚を救出するため現場に来ていたアギト・バーニングフォームをレギアと共に迎え撃ち、レギアによりギルスが片腕を切り飛ばされて戦闘不能状態に追い込まれたため、2対1という有利な状況でアギトと戦う。
しかし、戦闘不能に陥ったはずのギルスがエクシードギルスとなって強化復活を遂げたために形勢は逆転。最後はエクシードギルスのギルススティンガーで動きを封じられ、エクシードヒールクロウを喰らい爆死した。
クイーンアントロード フォルミカ・レギア
CV/鶴ひろみ(アギト)、森夏姫(ディケイド)
女王アリに酷似した姿を持つ。
アントロードを統率し指揮する、最高位の存在。
個体名の意味は“王族の蟻”。身長212cm、体重152kg。
女王アリなだけに普段は地下の巣の中で待機しているが、エクエスですら歯が立たない強敵が現れた場合は自ら出陣して戦いを挑んでいく。
「黄泉の鎲」という、鋭い切れ味を誇る三叉の槍を武器とし、ギルスやアギトを力任せに容赦なく捻じ伏せ、更にギルスの片腕を難なく切断するなどの高い戦闘力を持っている。
G4システム運用基地襲撃に際してこれまでの戦いの報告をエクエスから受けていたらしく、真魚を救出しに来たアギトとギルスの前にエクエスを伴い出現。ギルスの片腕を切り飛ばし、バーニングフォームへとフォームチェンジしたアギトも圧倒するが、最後はシャイニングフォームに覚醒したアギトのシャイニングライダーキックを受け爆死した。
客演情報
仮面ライダーディケイドの『アギトの世界』においてペデスとレギアがバッファローロードの直属の部下として登場。
ペデスは原作では素手だったが、こちらではスコーピオンロードが使用していた「冥府の斧」、ビートルロードが使用していた「義憤のモルゲンステルン」、地のエルが使用していた「敬虔のカンダ」に酷似した武器を用いてグロンギや仮面ライダーと戦った。
レギアもG3-Xの頭部を大破させ、ディケイド達を追い詰めるなど、相も変わらぬ戦闘力の高さを垣間見せたが、最終的にはアギトのライダーキックから上司であるバッファローロードを庇い殉職する。
レギアは『仮面ライダーウィザード』第53話でも魔宝石の世界の怪人として登場しており、仮面ライダーファイズのスパークルカットで斬り裂かれ爆死した。
関連項目
仮面ライダーアギト PROJECT_G4 アンノウン(仮面ライダーアギト)
アリアマゾン:『仮面ライダーアマゾンズ』に登場する、アリをモチーフにした怪人。女王アリが多数の働きアリを統率する生態が酷似している。