概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。初出はてんとう虫コミックス9巻「通り抜けフープ」。
黄色(作品によってはピンク色、黄緑色の場合もある)のフラフープのような大きさ・形状をした輪っかで、これをはり付けた壁には穴が開き、その中を通過することが出来るようになる。
壁を物理的に破壊している訳ではないので、穴をあけても壁自体の強度は変わらないし、外せば元通りになる。どこでもドアの超簡易・廉価版とも言える。
ただし壁ではなく床や天井に貼り付けた場合にも穴が開くため、転がってフープが地面に倒れた場合はその部分に落とし穴が出来てしまう。地下室や下水道があればその位置までの通路が出来、それらが無ければ地球を貫通してブラジルまで到達する(『ザ・ドラえもんズスペシャル』1巻でドラリーニョがブラジルから通り抜けフープで穴をあけ、日光に弱い一角大王という妖怪にブラジルの真昼の直射日光をぶつけて撃破する一幕がある。リオオリンピック閉会式とは多分関係ない)。
更に鉄格子等といった、壁とは呼べないスカスカな障害物に対しても問題無く効果を発揮する。実際に水田わさび版アニメ「子犬イチの国 ~キボウ編~」の作中では、とある建物に侵入する際ドラえもんとのび太はこの道具で鉄格子を突破していた。
初登場時は「抜け穴フープ」という名称だった。しかし『ブリキの迷宮』で「抜け穴フープ」が登場した際は、通り抜けフープとは別の道具となっている。「抜け穴」の名前に恥じず、地下室の壁に貼り付ければ自動的に地上までワームホールを作ってそこを通り抜けることが出来る。言わば「抜け穴ライト」(光を照らすだけで地面に穴をあけて進むことが出来るひみつ道具)の上位互換とも言える効果となっていた。
また『ザ・ドラえもんズ 怪盗ドラパン謎の挑戦状!』では、ドクターアチモフの居城ロボの張り手を避ける為、ドラえもんがLLサイズの通り抜けフープを使って潜り抜けている。
なお、「ルームガードセット」(他者が自室に侵入出来ないよう妨害することが出来るひみつ道具)は通り抜けフープを無効化しており、23世紀人のギガゾンビも通り抜けフープが生み出す亜空間を捻じ曲げる妨害工作を行っていた。
類似道具
- マジックチャック
巨大なチャック(ファスナー、ジッパーとも呼ばれるアレ)の形をしている。
これを壁に貼り付けてチャックを下ろし、その中に入れば壁を通り抜けることが出来る。一言で述べれば通り抜けフープのチャック版。
ただし通り抜けフープとは違い、こちらの道具は壁を通り抜けるだけでなく壁の中に隠れることも出来る。
…まるでクラック(仮面ライダー鎧武)または、スティッキィ・フィンガーズ(ジョジョ5部)である。
- 抜け穴ボールペン
孔を書いた部分が抜け穴になるボールペン。
通り抜けフープやマジックチャックのように壁をそのまま通過するのではなく、別の壁まで繋がったワームホールを作り出し、その中を移動することが出来る。しかしどこが出口になるかは本人も指定できず、あくまで「脱出」という目的のみを追求した応急処置的な道具である。室内で使用し、裸足あるいは靴下の状態でワームホールを通ったとしても、外に出た時点で勝手に靴を履いている状態になるという便利な代物。
野外で使用すると起点空間の入り口(最初に輪っかを描いた場所)にリターンできる。…ルーラみたいだ。
原作では1度きりの登場だったが、『ひみつ道具博物館』にて再登場を果たしている。