「ここは死者達の魔境…「スリラーバーク」悪い夢を、見ていくがいい!!!」
船としての概要
王下七武海ゲッコー・モリアの所有する世界最大の海賊船。元は西の海にあった島であったが、モリアの改造によりひょっこりひょうたん島のように海に浮かび、巨大な海賊船となった。
改造後は偉大なる航路“魔の三角地帯”に停泊し、通りかかる海賊等を襲いモリアの能力によって影を奪っていた。しかし、麦わらの一味との戦いの混乱で“魔の三角地帯”外に出てしまい、主であるモリアや幹部達が軒並み倒されてしまったので、現状は不明である。
ただし、二年後のモリアが黒ひげ海賊団のアジトである海賊島ハチノスに乗り込んだ際に使用した島はとてもスリラーバークに近く、さらにモリアのスリラーバーク海賊団という表記を考えると、旧スリラーバーグを再活用しているのか二代目スリラーバークを生み出してしているかのどちらかもしれない
島内にはモリアと幹部であるドクトル・ホグバックの屋敷や同じく幹部のペローナの庭園などが建っており、それらは渡り廊下によって繋がっている。
スリラーバーク海賊団としての概要
スリラーバークとはゲッコー・モリアの一味自体を指す名称でもある。925話にてモリアの一味が「スリラーバーク海賊団」という名称である事が判明した。(それ以前から媒体によってはモリアの海賊団の名称として使われており、例えば海賊無双シリーズではモリアの肩書きは「スリラーバーク船長」となっていた。
スリラーバーク海賊団の構成員
構成員のほとんどがゾンビだが、中核を担うのは生きた人間。
モリアを頂点にホグバック、アブサロム、ペローナの3人の幹部がおり、彼ら4人を総称して“四怪人”と呼ばれている。
それ以外の幹部や雑兵はモリアとホグバックにより作られたゾンビで構成されており、オーズ等を除く殆どのゾンビはアブサロムとペローナが分担して指揮をしている。ゾンビの種類は4+1で5種類有り、絵画や剥製を流用したびっくりゾンビ、動物の死体を流用した動物(ワイルド)ゾンビ、人の遺体を流用した兵士(ソルジャー)ゾンビ、人の遺体と動物の死体を混合したり著名な戦士の遺体を流用したりして作った将軍(ジェネラル)ゾンビ、そして物語中で完成した、魔人オーズを流用した特別(スペシャル)ゾンビが存在する。5種類は識別番号が存在しそれぞれ0—199、200—399、400—799、800—899、900と体のどこかに刻み込まれている。
どのゾンビも負傷することも死ぬ事も基本的に無いので無敵の軍隊と言える存在。だが、塩を口に含むなり海水を浴びるなりするとモリアの能力が無効化されてしまいただの死体や人形に戻ってしまう。また火を恐れる様子やリューマの最期を見るに、火によっても浄化は可能なようだ(ただしバケツの水をかぶって死体に戻るのを回避したゾンビもいた)。
ゾンビが浄化されることの他にはゾンビの元となった影の持ち主が死んでもゾンビはただの死体に戻るため基本的にゾンビに敵の殺害は許されておらず、ゾンビの任務は敵を生かしたままモリアの元まで運ぶか敵を追い返すかのどちらかであることが多い。
また、ゾンビ達は「腐れ○○」という口癖を使うのも特徴である。
余談だが、モリアの宿敵カイドウが率いる百獣海賊団もまた、「兵力の尽きることの無いゾンビの軍団」と形容される海賊団である。
主要人物
四怪人
モリアを除く3人を指す場合は“三怪人”と呼ぶ。
“三怪人”は全員、モリアの能力に関連した夢を持っている。
- ドクトル・ホグバック(天才外科医)
- アブサロム(将軍ゾンビ指揮官、兵士ゾンビ指揮官/通称“墓場のアブサロム”)
- ペローナ(びっくりゾンビ指揮官、動物ゾンビ指揮官/通称“ゴーストプリンセス”)
特別ゾンビ
- オーズ(モンキー・D・ルフィの影入り)
将軍ゾンビ
ホグバックの屋敷の用心棒を務めてる。
かつてロックス海賊団の船員であり、財宝のために残忍の限りを尽くしたとされる海賊。財宝を独り占めしていたのを部下の怒りを買い刺し殺されたという(その穴は空いたままであり、酒を飲んでもすぐ溢れていた。また、刺すのに使われたと思われる剣は武器としている)。宿っている影は生前の名が泣くと言われるほどやる気が見られない性格。バギーはキャプテン・ジョンの財宝を探し続けていた。
- タララン
猿の頭・手・尾と蜘蛛の身体を合わせ持つ。スパイダーマウスの指揮官。手から人力では千切るのがほとんど不可能とされるほど強靭な糸を出す(火に当てれば簡単に溶かせる。これはマウス達も同様)。
- 風のジゴロウ(ロロノア・ゾロの影入り)
伝説の頑固親父と語られ、家族を守るために7000人もの海賊を切ったとされる剣豪。ルフィからはゾロ本人と似た感じと評されたがバカ殿風の丁髷、ちょび髭、まわし、足袋と下駄を備えてかつ褌を付けてるがズボンの類は履いておらずお世辞にも外観は似つかない。享年59歳
兵士ゾンビ
- ビクトリア・シンドリー(使用人マルガリータの影入り)
ホグバックの使用人兼護衛
動物ゾンビ
ペローナの側近兼動物ゾンビ隊長
- ヒルドン
ホグバックの執事。腕に蝙蝠の皮膜が付いている。
- 犬ペン(サンジの影入り)
場面によっては犬ッペとも呼ばれていた。当時サンジの手配書が似ないものだったためモリアからは実力者と認識されず通常の肉体に入れられた。そのため肉体の強靭さが戦闘力に伴わず動きがぎこちない様子も見られた。サンジの影が入っているため周囲に反抗してでもナミを傷つけるのを許さずローラが攻撃してきても大人しく受けたが後に記憶が消失したためロビンにも容赦なく攻撃を加えた。ゾロの影が入ったジゴロウとは記憶がなくなっても互いに相いれない性分であった。
- リスキー兄弟(ローラの部下の影入り)
- ケルベロス
右半身は狐となっている。気にしているようで指摘されると荒れた鳴き声となっていた。
ビックリゾンビ
- ブヒチャック
- 敷きグマ
その他
- スパイダーマウス
タラランの部下で偵察・工作員。500匹も存在する。屋根裏から瞬時に相手を絡み取って連れ去る。
- ギョロ、ニン、バオ
モリアの使用人
原作での関わり
エニエス・ロビーを落とし、次なる目的地である魚人島を目指していた麦わらの一味。そこへ立ちはだかるのは魔の三角地帯を拠点とする王下七武海の1人ゲッコー・モリア。かつて四皇・百獣のカイドウとの抗争に敗れたモリアは、そのカゲカゲの実の能力により、偉大なる航路の前半を潜り抜けてきた猛者たちから影を奪い戦力を増強していたのである。
影の支配者ゲッコー・モリア、透明人間アブサロム、霊体人間ペローナ、天才外科医ドクトル・ホグバック、かつてない異能力者たちを相手に次々と影を奪われていく麦わらの一味。モリアが誇る四皇カイドウへの秘策、特別ゾンビオーズも加わり、一味はひたすら追い詰められていく。
しかしながら、モリアの増長と影の「とある秘密」を知った「被害者の会」の協力もあって麦わらの一味はなんとか4怪人を撃破。
怒りと高慢に狂ったモリアは全てのゾンビから影を奪い去り、最強形態「ナイトメアモリア」へと変貌。しかしこの超短期決戦型の姿がモリアの敗因となり、麦わらの一味はなんとかモリア討伐に成功。全ての影は持ち主の元に戻された。スリラーバーク海賊団はこの時に一度崩壊してホグバックとアブサロムは主のゲッコー・モリアを連れて逃走。ペローナはくまによりクライガナ島まで飛ばされた。
「偉大なる航路」に取り残されたスリラーバークには、ブルックと共に海を彷徨い続けてきたルンバー海賊団の菩提、激闘の末に死んだゾロの愛刀・雪走・多くの没人形が遺された。
余談
本編では新たな仲間ブルックと作中ではポピュラーな舟歌ビンクスの酒が重要な要素を成す。
スリラーバーク編の構想にあたり、作者尾田栄一郎はビンクスの酒の作曲を前もって田中公平に依頼しており、作者にとっても重要なシリーズであったと言える。
また、ナイトメア・ビフォア・クリスマスを筆頭にいくつかのハロウィン映画を参考にし、「怖いけど明るい」を目指したことが明かされている。
ちなみに、描く前は御祓いを受けたとのこと。
アイスバーグの理想の船である「島その物を船にする」という考えを形にした存在。