概要
日本の自動車メーカーが製造・販売する自動車、特に四輪車。日本ブランドの海外生産車を含むことがある。
日本は世界有数の自動車大国であり、日本ブランドの自動車は世界的に圧倒的な競争力を持つ。主なメーカーだけでも8社を擁し(国内シェア順にトヨタ・ホンダ・スズキ・ダイハツ・日産・スバル・三菱)、さらに商用車専業メーカーとして4社(いすゞ、日野、三菱ふそう、UD)、二輪車とATV(四輪バギー)のみを手掛けるメーカーとして2社(ヤマハ、川崎)がある。以上14社はいずれも海外生産を手掛けており、特に日産や三菱は日本国内より海外での生産規模の方が遥かに大きい。一方で現在日本国内に外資系の自動車メーカーの製造拠点は存在しない。
どうしてこうなったのかというと、高度経済成長期に四輪への参入を狙っていた本田宗一郎らの意見で通産省(現経産省)の介入(当時四輪だけでも20社近くあったメーカーを「乗用車メーカーはトヨタと日産だけでいい」という考えで強引に統合しようとし、ホンダの新規参入を阻んだとされる)が排されたことと、日本の自動車業界において圧倒的な勢力を誇るトヨタが傘下の各メーカーの自主性を尊重していることが大きい。本田宗一郎の「政府による産業保護よりも、自由競争こそが産業を育てるんだ」という考えは日本の自動車産業に根付き、これは製鉄、造船、電機、航空宇宙など他の日本の産業と比べた際の大きな特徴となっている。