概要
700T型は、台湾高速鉄道で運用中の車両。
日本初の輸出用新幹線車両として、JR東海、JR西日本が700系をベースに共同開発した車両である。
製造は川崎重工業、日本車輌製造、日立製作所。増備車は全て川崎重工業製。
2004年に初期車30編成と、2012年に増備車4編成の合計408両が、日本で製造・輸出された。
台湾高速鉄道は、指令方式など欧米のシステムも混在しているが、車両は日本の新幹線とほぼ同じなので、「台湾新幹線」とも呼ばれており、現地でも「新幹線」で通じる。
特徴
700系ベースではあるが台湾に合わせて設計変更がされており、特に先頭形状はトンネルでの騒音対策など日本と事情が異なることもあり、700系より1m短いスマートなデザインに変更されている。
最高速度は300km/h。
12両編成で、1~9号車指定席、10~12号車自由席。全席禁煙。1号車、5号車、11号車に自動販売機を設置。
6号車は、商務車(日本で言うグリーン車)である。
編成定員は989名で、そのうち商務車は66名。
パンタグラフは、4号車と9号車に設置。
塗装は、ホワイトをベースに台湾高鉄公司の企業イメージであるオレンジとブラックのラインが窓下に入っている。フロント部はひかりレールスターのようなブラックフェイス。
700系との主な違い
700系 | 700T型 | |
編成両数 | 16両or8両 | 12両 |
最高速度 | 285km/h | 300km/h |
定格出力 | 275kw | 285kw |
大型荷物置き場 | 一部車両 | 各車両 |
脱出用ハンマー | なし | あり |
戸閉スイッチ | 車掌室 | 各車両デッキ |
乗務員扉 | あり | なし |
ブレーキハンドル | 縦軸・水平回転式 | 横軸・前後回転式 |
警笛操作 | 足元のペダル | 運転台のスイッチ |
車内放送 | 日本語・英語 | 中国語・台湾語・客家語・英語 |
乗務員扉を設置しない件について、セキュリティ面や安全面で不安があると日本側は主張したが、台湾鉄路管理局(在来線)の車両にも乗務員室ドアが設置されていないものが存在する例に従い、700T型でも乗務員室ドアは設置されなかった。
ドア開閉操作は中間車の旅客用ドアにあるスイッチで行われる。(一般客は操作出来ない。)
車両番号
700T型を名乗るが700番台は使用されない。
1号車側から、
初期車が、1XX-01、1XX-02、(中略)…1XX-12
増備車が、3XX-01、3XX-02、(中略)…3XX-12
のようにナンバーがつけられており、XXには編成番号が入る。
初期車はTR01~TR30編成、増備車はTR31~TR34編成。
ラッピングなど
カートゥーン・ネットワークラッピング
2013年7月22日~2014年9月9日の間、TR31編成に、米国のアニメチャンネル「カートゥーン・ネットワーク」とのコラボとして、「アドベンチャー・タイム」「パワーパフガールズ」などのキャラクターを全面ラッピング。(元の塗装が見えないラッピング)
カナヘイの小動物ラッピング
2019年11月14日~2020年9月7日の間、TR33編成に日本のクリエイター「カナヘイ」とコラボとして、「カナヘイの小動物」のキャラクターをラッピング。
台北駅もラッピングされた他、グッズも発売。
その他
プラレール(タカラトミー)やNゲージ(KATO)等、グッズも日本製のものが多く存在する。
ただし、大人の事情で販売は台湾のみで、日本では売られていない。(なお、日本の新幹線グッズは台湾でも売られている。)
Nゲージのみは日本で販売されたことがあるが、「1度日本での販売が中止され、再度販売が決まるまで数年掛かった」「販売は少量のみで即プレミア化」「再販は絶望的」と、台湾高鉄グッズを日本で売るのは相当難しいらしい。