夢絵
ゆめえ
概要
夢絵とは、夢小説、夢漫画の単独イラスト形態のこと。多くは二次創作。
「原作のキャラクターと、原作には登場しない夢主(夢主人公またはオリジナルキャラクターの略。読者の感情移入・自己投影を想定されている。)と呼ばれる創作オリジナルキャラクターの恋愛風景を描いたもの」………という意味合いが非常に強かったが、現在はパターンが増えている。
一次創作もないことはなく、一次創作は夢絵以外のタグ(ガールズイラスト、性的嗜好タグ、ここに行きたい、ここに住みたい、おいそこ代われなど)が使われていることが多い。
芸能人のイベントに行ったファンがツイッターに上げるツーショット写真(投稿者の顔が絵文字で隠されている)、観光地に旅行に行ったオタクがSNSやブログにあげる写真(商品が映っていて投稿者の体の一部が見えているか、綺麗な風景に推しキャラのぬいぐるみやグッズが置かれている)、顔ハメ看板(二次元に人間の顔が当て嵌められている)、おとぎ話を題材にしたお菓子や入浴剤の挿絵(中身の味や香りをイメージした特徴が最小限な絵が使われていて、ポエムが添えてある)に似…ていなくもない。
夢絵的な妄想が『夢絵』と揶揄されることもある。
夢絵に相当する絵
- 夢主と原作キャラクターの恋愛風景を描いた絵。夢主の名前や顔や台詞が見えているものと見えていないものがある。
- 夢主と原作キャラクターの友情、敵対風景を描いた絵。同上。夢主が男夢主、人外主人公などでキャラの幅が広い。
- モブキャラクター、カメラマン(夢主)の一人称視点から見た原作キャラを描いたもの。夢主の容姿は描写されない。絵によっては手、首から下など、体の一部が見えていることもある。
- 原作キャラに恋する夢主(多くは女主人公)単独の活躍、日常生活を描いた絵。
- ギャルゲーに構図が似ているが、女主人公の友人の女性がモブ顔や彼氏持ちであり、女主人公よりも出番が少ない男性キャラが個性を与えられて客体化されている(その上で目や名前が伏せられている)。捻った夢絵だと、男性キャラが夢主の愛読書の登場人物にされていたり、異形頭にされていたり、擬物化されていたりする。モブキャラクターが個性豊かで、治安の良さが表現されているのも特徴(不審者以外のキャラクターは大体いる。クズモブはお化け屋敷のお化けレベルで済まされている)。
- 男夢主の場合は『一人BL』のような構図になっている。
- 夢主化した原作キャラ(夢主1、半オリキャラ)とゲストのオリキャラ(夢主2、完全オリキャラ)の交流を描いたもの。成り代わりに似ていて、原作キャラがオリキャラに対し、キャラ崩壊しない範囲のリアクションを起こす。
- 原作キャラと原作に出ないアイテム、背景画を組み合わせたもの。夢絵のオリジナル“キャラ”をオリジナル“アイテム”にしたもの。原作キャラクターと現実にあるアイテムor作者のオリジナルアイテムとのクロスオーバー絵。
- 原作キャラ×原作キャラのカップリングをファンシーグッズ、ドット絵、抽象画のような簡略化タッチで描いた絵。絵に癖がない為、『公式カップリング/捏造カップリング」『好き/嫌い』『閲覧者に似てる/似てない』といった感情が発生しづらく、性格を好みに補正しやすく、恋愛、友情などの好きな関係性に解釈できる。推し単体をデフォルメした絵も存在する。
- 夢主と原作キャラの絆をイメージした心象風景を描いたもの。人物は一切登場しない。心象風景が夢主と原作キャラの絆を連想させるものになっている。推しの原作キャラが愛用するアイテムが置かれていることや、ポエムが付くこともある。
「観客席にいる読者が原作キャラに何らかの手を加えて、理想の形にした絵」のような意味になっている。
なお、1番目については
- 夢主の容姿や設定によるはっきりとした個性が持たされたもの
- 乙女ゲームやギャルゲーのスチルのように極力個性を抑えたもの(目を描写しないといった手法や設定が軽めである等)
といったように、個性や恋愛や自己投影の扱い・濃度は作品により様々であり、投稿者・閲覧側のどちらかにおける 自己投影の有無は必ずしも重要視されるものではない。
中には、1番目よりも4番目を自己投影しやすいと解釈する人もいる(男性で俺TUEEEと揶揄される話が好きな人、ラブコメのヒロインよりもバトル漫画の影が薄いヒロインが好きな人に似ている。自己投影の仕方は人それぞれである)。
後者(夢主が無個性のもの)は、ジャンルにより「○○カレシ(ex.黒バスカレシ、テニプリカレシ)」や「○○プラス(ex.ハイキュープラス)」等とも呼ばれる。
勿論、夢絵における原作キャラと夢主、オリキャラとの関係性は恋愛に限らず、友情、同僚、クラスメイト、血縁等と多岐にわたる。
イケメンパラダイスを作り、イケメンたちが乱れる様子を眺めるだけの夢もある。
「原作世界に自分が行く」「現実世界に版権キャラを召喚する」といった、キャラクターよりも世界観に重点が置かれている夢絵もある(例:原作に出る飲食店で食事をする。原作に出ないオリジナルマップで原作キャラと交流する。有名な土地に版権キャラがいる。版権キャラが実在する百貨店やファーストフード店やコンビニの商品(店名、商品名は忖度で伏せてある)を持っている。etc)
夢絵や夢漫画は作品の形態上、夢主の名前が出る場合において、名前変換はできないことが大多数である。その代わり、重要なシーンで夢主の顔が伏せられていること、愛の告白シーンで夢主の名前が「○○さん」のように、「」付きになっていること、重要な台詞や回想吹き出しが空白にされていること、重要な部分を読者の想像に委ねること(告白された後の反応を描かない、いた痕跡だけを残すなど)、ネームレスの現代人が版権キャラクターに転生してしまう設定などは多い。夢小説(ドリー夢(ム)小説)の派生であるためドリ絵とも言われる。
pixivにおける夢絵タグでは、夢主絵という夢主単体の絵も多数投稿されている。自身で作り上げたキャラクターに愛着をもって描いている方が多いためと思われる。
また、昨今では、イラストは文字で見るより、ビジュアルイメージが簡単に目についてしまうため、マナーとして、漫画形態を使用して表紙にクッションページを置くパターンが増えている。
存在感が原作キャラ>オリキャラの絵、原作キャラがキャラ崩壊しない絵、オリキャラの個性が最小限で、描き手以外もオリキャラに自己投影できる絵、全年齢向けの絵であれば、クッションページはなくてもOKであろう。