読売ジャイアンツの蔑称の一つ。由来は2019年と2020年の日本シリーズにおいて4戦全敗した事から。
元ネタは「ハカ」などで知られる世界屈指な強豪、ラグビーニュージーランド代表の愛称・オールブラックスから。
概要
2019年の巨人はシーズン優勝、CSでも阪神を撃破し勝ち進み、日本シリーズは2年連続で2位から勝ち上がったソフトバンクとのカードとなった(ソフトバンクは2017年でもリーグ優勝とCS突破を経てシリーズに進出しており、3年連続で日本シリーズに進出している)。しかし、鈴木尚広選手が「一身上の都合」で直前に退団したり、クリスチャン・ビヤヌエバ選手が造反まがいな行動を取っていたと報じられたりするなど、雲行きは開幕前から怪しかった。
そして日本シリーズが開幕してからは坂本勇人選手と丸佳浩選手の絶不調、山本泰寛選手や増田大輝選手らの信じられないミスなどが多数もあり、かの33-4以来の日本シリーズでのスイープを喫してしまう。
温厚な人柄で知られる和田一浩氏を以て「日本一の戦いに相応しくない」「戦力差が歴然すぎる」などと酷評され、その体たらくには巨人ファンのみならず他球団ファン、ひいてはアンチ巨人やセリーグファンすらも呆れ返ってしまった。
ちょうどこのシリーズ中に日本で2019ラグビーワールドカップが開催されており、日本代表が史上初となるベスト8入りを成し遂げるなど快進撃を見せていた。そのこともありラグビーへの注目度が高まっていたことから、上記の「オールブラックス」と 「対戦成績がすべて黒星のみ(真っ黒)」を掛けたこの蔑称が作られ、なんJ界隈に於いてはスウィープ負けの事を「オールブラックス」と表すようになった。
その他の蔑称
オールブラックスのバカ
第3戦の9回裏、4点差の状況でソフトバンク・森唯斗選手が暴投するが、代走・増田大輝が三塁を無理に狙い、アウトになった場面。
5点取れば逆転できる点差であることから、ラグビーのプレイで1度に5点入るトライと掛けて「トライ狙った」とネタにされた。
その他のオールブラックス
日本シリーズにおける引き分けなしのスイープは、2020年までに過去7回存在する。チーム名はその当時のものとする。
回数 | 年度 | した側 | された側 | 点数 | 4戦計 | 備考 |
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1 | 1959 | 南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス) | 読売ジャイアンツ |
| 22-12 | 南海の勝利投手は全試合で杉浦忠。 |
2 | 1960 | 大洋ホエールズ(現:横浜DeNAベイスターズ) | 大毎オリオンズ(現:千葉ロッテマリーンズ) |
| 11-7 | 全試合1点差。川崎球場で日本シリーズが行われたのはこの年のみ。パリーグ初のスウィープ負け。 |
3 | 1990 | 西武ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ) | 読売ジャイアンツ |
| 28-8 | 1960年の時とは逆にこちらは全試合得点差4点以上。2020年現在の両監督が現役で出場。 |
4 | 2002 | 読売ジャイアンツ | 西武ライオンズ |
| 29-9 | 巨人は複数試合に登板した投手がゼロ。 |
5 | 2005 | 千葉ロッテマリーンズ | 阪神タイガース |
| 33-4 | 日本シリーズ最大得失点差最低防御率(8.63)最少安打タイ(22)最少本塁打(0)最少塁打(24)他多数(いずれも当時) |
6 | 2019 | 福岡ソフトバンクホークス | 読売ジャイアンツ |
| 23-10 | 最低チーム打率(.176)最少安打タイ(22)(いずれも当時) |
7 | 2020 | 福岡ソフトバンクホークス | 読売ジャイアンツ |
| 26-4 | 史上初となる2年連続+同カードでのスイープ。最低チーム打率(.132)最少安打(16)4試合における最多三振(41)最少塁打(21)最少得点(4)70年ぶりの日本シリーズにおけるパリーグ勝ち越しなど。 |
昭和初、平成初、令和初となるスイープ達成相手はすべて巨人である。
後日談
巨人は2020年2月からランニングシューズを黒に統一することが発表され、「オールブラックス」は現実のものとなった。
また、春季キャンプの2日目でトークショーに登壇した原辰徳監督は「(去年の)日本シリーズにジャイアンツは出ていませんね。記憶にもあまりないですね」とブラックジョークを飛ばし、指揮官にすら日本シリーズがなかったこと扱いされてしまった。