2020年の日本シリーズ
にせんにじゅうねんのにっぽんしりーず
セ・リーグ優勝の読売ジャイアンツ(以下、巨人)とパ・リーグ優勝の福岡ソフトバンクホークス(以下、ソフトバンク)が前年に続き、2年連続(南海時代から数えると通算12回目)の顔合わせとなった。
2年連続の対戦カードとなったのは2006年・2007年の中日-日本ハム以来13年ぶりとなり、両リーグ優勝チームでは1992年・1993年のヤクルト-西武以来となる。
この年はCOVID-19の影響によりレギュラーシーズンの開幕が3か月遅れ、それに伴い日本シリーズも11月21日からの開催となり、歴代で最も遅い日本シリーズ開幕となった。
クライマックスシリーズはセ・リーグは全面中止となり、パ・リーグは2位以上(第1ラウンドは行わない。また、例年の4本先取から3本先取)へと短縮された。
また、巨人の本拠地である東京ドームが都市対抗野球(社会人野球)と重なったため使用できず、巨人主催の試合は京セラドーム大阪で開催されることとなった。
本拠地球場以外での主催試合開催は、1980年の近鉄が大阪球場(当時は南海ホークスの本拠地)を使用していたこと以来40年ぶりのこと。また、南海・ダイエー時代含めソフトバンクが「大阪府内で日本シリーズの試合をする」こと自体、1973年以来の出来事になった。
例年セ・リーグの本拠地では指名打者(DH)制は使えないが、今回は投手陣の負担を考慮し全試合でDHが導入される。
☆は勝利投手、★は敗戦投手を示す。
第1戦 11月21日 京セラドーム大阪
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 5 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
- 【投手】
巨人:菅野★-戸郷-高橋-ビエイラ
ソフトバンク:千賀☆-モイネロ-森
- 【本塁打】
ソフトバンク:栗原1号2ラン(2回)
巨人:なし
第2戦 11月22日 京セラドーム大阪
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ソフトバンク | 3 | 1 | 2 | 0 | 1 | 0 | 4 | 0 | 1 | 13 |
巨人 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 |
- 【投手】
巨人:今村★-戸郷-田口-鍵谷-大江-高梨-大竹
ソフトバンク:石川☆-嘉弥真-高橋礼-岩嵜-杉山-椎野
- 【本塁打】
ソフトバンク:甲斐1号ソロ(2回)、グラシアル1号2ラン(3回)、デスパイネ1号満塁(7回)
巨人:ウィーラー1号2ラン(5回)
戦評
ソフトバンクは初回に柳田悠岐のタイムリーで先制すると、続くジュリスベル・グラシアルの打球が二塁手の吉川尚輝の悪送球を誘い、守備のミスに付け込むなど3点を先制。2回には甲斐拓也がソロホームランを放ち今村をKOした。
以後もソフトバンクは攻撃の手を緩めず、3回にはグラシアルの2ラン、5回にアルフレド・デスパイネが犠牲フライを放ち7-0と差を広げた。
一方の巨人は石川の前に2回は僅か6球で、4回は僅か9球で三者凡退にされるなど中軸が封じられた。
しかし5回にウィーラーが反撃の2ランを放ち、6回に球数が増えてきた石川を攻め立て満塁としたが、後を受けた嘉弥真新也と高橋礼の前に無失点に抑えられた。
そして7回から登板した鍵谷陽平は柳田の打席でボークを取られ、栗原には11球粘られた末に内野安打で満塁とされ、デスパイネにとどめの満塁ホームランを打たれた。
結果的に満塁の場面でチャンスを生かせたかがそのまま勝敗を分けることとなった。
ソフトバンクはこの勝利で2018年第3戦から続く日本シリーズでの連勝を10に伸ばした。
第3戦 11月24日 福岡PayPayドーム
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
ソフトバンク | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 4 |
- 【投手】
ソフトバンク:ムーア☆-モイネロ-森
巨人:サンチェス★-高梨-大竹-中川
- 【本塁打】
ソフトバンク:中村晃1号2ラン(3回)
巨人:なし
戦評
舞台をペイペイドームに移して巨人はエンジェル・サンチェス、ソフトバンクはマット・ムーアが先発。
ソフトバンクは3回に中村晃が2ランを放ち先制。
7回には中村晃とグラシアルが連続タイムリーを放ち点差を広げた。
先発のムーアは四球や野選を出すも7回を無安打に抑える完璧な投球を見せ、後を受けたリバン・モイネロと森も無失点で繋いだ。
一方の巨人はサンチェスが6回2失点と踏ん張るも打線がムーアの前に手も足も出ず、9回2死に丸佳浩が安打を森から放ちリレーでのノーヒットノーランを回避できるのがやっとという様であった。
第4戦 11月25日 福岡PayPayドーム
チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
巨人 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
ソフトバンク | 2 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 4 |
- 【投手】
ソフトバンク:和田-松本☆-嘉弥真-高橋礼-岩嵜-モイネロ-森S
巨人:畠★-大江-戸郷-ビエイラ-中川
- 【本塁打】
ソフトバンク:柳田1号2ラン(1回)、甲斐2号2ラン(2回)
巨人:なし
- MVP:栗原陵矢(ソフトバンク)
- 敢闘選手賞:戸郷翔征(巨人)
- 優秀選手賞:マット・ムーア、柳田悠岐、中村晃(いずれもソフトバンク)
読売ジャイアンツは去年の日本シリーズに引き続き、歴代ワースト記録をいくつか更新。また読売ジャイアンツの「2年連続日本シリーズ4連敗」というのは初めての出来事であった。