現実のディメトロドン
背中にある帆が特徴的な単弓類(旧称:哺乳類型爬虫類)の一種で、盤竜類という初期のグループの一種。
恐竜の親戚のような格好だが恐竜どころか爬虫類ですらなく、生きていた時代はその恐竜時代よりずっと前。古生代ペルム紀の北米に生息していた。
この種の最大の特徴である帆は伸長した脊椎の神経棘で、この棘の間に皮膜による帆が張られていたと考えられている。
これは、求愛時に雌に対してのアピールに使用するディスプレイと言われている。
また、この帆には多数の血管が張り巡らされ、大量の血液が供給される様になっており、『熱交換器』としても機能していたようだ。例えば、体温が低い朝方には日光を浴びて熱を吸収して血液を温めることで体温を上げて活発に行動し、逆に体温が上昇し過ぎた時には日陰で帆に風に当てることで、身体を冷やしていたと考えられている。この体温調節機能があったことで、他の動物よりも素早く行動することが可能となり、獲物を捕まえるのに有利だったことだろう。
後年の恐竜の中にも、植物食恐竜のオウラノサウルスや肉食恐竜のスピノサウルス、アマルガサウルスなどのように帆を持つ種が存在し、ディメトロドンと同じような仕組みをしていたと考えられている。
ディメトロドンは恐竜ではない!
上述したようにディメトロドンは恐竜ではない。
まず、恐竜の特徴の一つである「足を体の下にまっすぐ伸ばす」という条件が満たされていない。
(さらに言えば、恐竜は三畳紀以降に出現した動物なので時代も大きく異なる)
そもそも恐竜とは系統が大きく異なり、恐竜よりもむしろ我々人類(哺乳類)の方に近い系統の動物である。
恐竜ファンの前で「ディメトロドンは恐竜」と言ってしまうと、赤っ恥もいいところなので気を付けよう。
創作に於けるディメトロドン
その特徴のある帆から古生代の陸上動物の中では有名で、恐竜玩具の中にディメトロドンのフィギュアが混ざることも多い。サブカルチャーにおいても出番が多く、キャラクターのモデルとして起用される事がある。
ディメトロドンモチーフのキャラ
- スリング(ビーストウォーズネオ)
- ディメトロドン、ゲーター、ディメトロプテラ、ディメパルサー(ZOIDS)
- 恐竜シンカ(科学戦隊ダイナマン)…背中の帆の部分
- ディメノコドン、ファイヤーノコドン(爆竜戦隊アバレンジャー)
- ディメボルケーノ(騎士竜戦隊リュウソウジャー)
『ZOIDS』に登場するディメトロドン
型番(所属) |
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形式 |
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全長 | 22.3m |
全高 | 12.6m |
全幅 | 8.42m |
重量 | 156t |
最高速度 | 150km/h |
装備 |
中央大陸戦争時代、ゼネバス帝国が暗黒大陸に亡命中に開発した、大型のディメトロドン型電子戦ゾイド。
この機体最大の特徴である背中の巨大な背びれは超高感度レーダーアンテナであり、そのレーダーの性能はヘリック共和国ゾイドゴルドスのレーダー機能を凌ぐ。
この機体のレーダーとデータリンクした射撃管制装置は極めて正確に敵を狙い撃つことができ、かつ敵の通信電波を傍受すると自動的にそれを分析してより強力な妨害電波を発して通信を遮断することも可能と、隠蔽・索敵・精密射撃等に優れている。
ただしディメトロドン自体の戦闘能力は低く、ゴジュラスだけでなくシールドライガー等の同クラスのゾイドとの直接戦闘では殆ど勝ち目がない。
分類が同じ機体としてゲーター、分類は違うが電子ゾイドとしての後継機といえるダークスパイナーが存在する。
『ゾイドワイルド』ではやはり電磁波を利用する事に特化したディメパルサーが存在する。
新バトルストーリーでは、ネオゼネバス帝国が性能を強化した上で再導入。ゲリラ戦を続ける共和国軍の拠点をその優れた索敵能力で探り当てる為、何よりも恐れられた。
前述の通り、純粋な戦闘ゾイドとの戦いでは不利なのは変わらないが、この時は電磁波を利用してライガーゼロと相討ちに持ち込んだ凄腕パイロットの物語が描かれている。結局、ゾイドを生かすも殺すも、ゾイド乗りの腕次第なのだ。
ゲームでは自身よりもサイズが小さいゾイド(コマンドウルフ等)に負ける事もある(プレイヤーの腕次第では勝つこともあるが・・・)。ただし電子戦用機というゲームに落とし込みにくい要素が特に考慮されていない作品もあり、この場合は攻防ともに強力な敵として立ち塞がるパターンがあった。
ファミコンソフト『ゾイド 中央大陸の戦い』では、モルガ以上レッドホーン以下の強さの雑魚敵で、序盤は比較的苦戦する敵としてプレイヤーの前に立ちはだかる。
続編の『ゾイド2 ゼネバスの逆襲』では序盤でのダンジョンの中ボス的存在として君臨。前作と違いシンボルエンカウントではなくなった本作において、ダンジョン最深部で堂々と真っ赤な機体アイコンで待ち受ける姿は不気味そのもの。
序盤の自機であるアロザウラーを2発で葬る威力の攻撃を恐ろしい速度で連射してくる程戦闘能力が高い上に、話しかける等の操作無しに接触した瞬間バトルになるため、ダンジョンの奥での見慣れぬキャラ?の登場に「この人は誰だろう?」と知らずに近づいて怖い経験をした方も多いはず。