吾郎「しばらく~!遠からん者は音に聞け!近くば寄って目にも見よ!問われて名乗るもおこがましいが、知らざあ言って聞かせやしょう。体は鋼、頭脳は電子 泣く子も黙る、黙る子も泣く ジェットジャガーたぁこいつのことだ!」
概要
何でも屋な町工場「オオタキファクトリー」の所長・大滝吾郎が「世界の平和を守る」ために私財を投じて建造した人型ロボット。
正式名称は『ジェット・ジャガー』(ムービーモンスターシリーズより)。
劇中の描写から大きさは人間との対比で4~5mほどと推察される。
オオタキファクトリーのシンボルマークとして職員のジャケットや本社の看板などにも顔が大きく描かれている。
過去の作品とは異なり、胸のコクピットハッチ(と呼ぶには余りにお粗末な格子状の鉄板)が開いて人間が搭乗出来るようになっているが、システムのプログラミングによって無人での自動運用も可能である。
一応「世界の平和を守る」という目的で作られたれっきとした戦闘用ロボットであるが、民間の企業で作られたためか、機体の強度に反して碌な武装が詰まれておらず、貧弱な両腕と両足を使った接近戦しかできない等、戦闘マシンとしては(現段階では)どうしても杜撰という印象がぬぐえない所もある。
民間企業に許されている以上の武力行使を度々やらかしているが、一応取り締まられはするものの行政側も形式的な形に留め温情をかけるなどその活躍は認められており、聴取にあたった警察官から激励されたりしている。
形態
顔やカラーリングは実際のジェットジャガーと同じだが、頭部と比べて非常に肩幅の広い胴体、それに対してまるでパイプのように細長い腕、さらにほとんどフレームが剥き出し状態な腰というもはやロボコンに出てくるロボットのようないかにも手作り感のあるどこかチープかつアンバランスなデザインが特徴である。
特に頭部のブサさは子供に「(死ぬほど)ダセぇー」と言われるほど。
ちなみにその頭部の下のユニットは『メカゴジラの逆襲』に登場した「メカゴジラⅡ」の頭部がもぎ取られた後に露出したレーザーヘッド装置と似たような形状をしている。
ジェットジャガープロトタイプ
オオタキファクトリーで作られた最初の姿。短い足に鉄格子で覆われただけのハッチが特徴。
背中にはエンジンあるいはバッテリーと思しき巨大なボックスのようなバックパックが取り付けられている。
この時点でも片足でバランスを取ったり踊ったりと高いバランス性能を誇るが、怪獣戦のノウハウが積まれていなかったのもあり、ラドン相手に劣勢を強いられた。
ジェットジャガータンクタイプ
新型脚部の開発が遅れていたため、他所からセットアップ用に送られてきた作業用ロボットの三脚ホイール部分を大破した脚部の替わりに転用した応急処置形態。
バックパックには先のラドン誘導にも使われた電波発信用のアンテナも取り付けられている。
脚部をこれまでの歩脚からホイールに変更したため、シミュレーション学習で移動の際のバランス調整を自動で行えるようにしている。
ジェットジャガーβ
CV:釘宮理恵
アンギラスとの戦いで小破した機体を改修し、脚部も三脚ホイールから完成した直立二足歩行型に換装したことでより人間らしいプロポーションとなった第三形態。
コクピットを廃し、制御システムにユンのユングを移してそのユング自身が機体を動かすようにしたことで完全な自立型となっている(ちなみにその時のモーションの計算に神野銘も協力した)。
OSには緊急プロトコルなるものが組み込まれており、これが起動すると短時間の間だけ運動性能と機動性能が跳ね上がり、より高速かつ機敏に動き回れるようになる。
手持ちの武器として倒したアンギラスの死骸から「戦利品」として手に入れた角を鉄パイプの先に取り付けた「アンギラスの槍」を装備している(大滝自身は当初は弓矢の矢じりにする予定だったが、一発分しか用意出来ない点を指摘した金原さとみの案で槍になった)。
ちなみにユンは「ジェットジャガー・ユング」と名付けたが、ユング自体は普通にジェットジャガーと名乗っている。
劇中での活躍
第1~2話
地域貢献と称して地元のお祭りに「ジェットジャガーとあそぼう」として出展していた時に、突如として現れたラドンに応戦するため大滝自らが搭乗して起動。
正面切って果敢に挑むも、そのラドンとの戦いでは右腕をもがれ、コクピットハッチまで破られてしまうなどあっという間に追い詰められて吾郎は脱出を余儀なくされる。今度はユンが遠隔操作で対処しようとしたが、タブレットの設定がお祭り用のコマンドだったため、再設定の為に端末を70秒以上もかけて再起動せねばならず一時的に動けなくなった所を集中攻撃を受けてしまう。
その間は再起動までの時間を稼ぐためユンや吾郎が工具およびトラックを使ってラドンの気を引き付け続け、どうにか再起動に成功し態勢を立て直すも、ラドンは突如空中高く飛び上がって咆哮を上げた直後に突然死する。
とりあえず大破こそ免れたものの、戦いの中で吾郎は骨を数本折って入院。ジェットジャガーもモーターが12個焼き切れ、右腕とハッチは要交換と損傷が激しかったため、しばらくは修理に専念することとなった。
第5~6話
逃尾市山中に出現したアンギラスの山狩りに参加するため、上記のように足を作業用ロボットの三脚ホイールにする応急措置を受けて参戦。
捕鯨砲を軽トラに乗せて参加した大滝の知り合いの老人に襲いかかろうとするアンギラスの前に立ちはだかり、激しい闘いを繰り広げた……
……が、当のアンギラスはただ好奇心のままに猫のようにじゃれついてただけであり、散々おもちゃにされた挙げ句動かなくなった途端に見逃されたが、その隙に知り合いから捕鯨砲を回収して「球筋が読めるらしいが、こんなに近けりゃ避けられねぇだろぉ!!」と至近距離から捕鯨砲の弾頭である銛を表皮に押し付けた状態での砲撃で胸部を貫き、アンギラスを倒した……
……と思いきや実は仮死状態だったアンギラスは、その後目の前で逃尾市長が記念撮影をしているときに目を覚まし、活動を再開。
それを止めるべく、大滝の操縦で再び捕鯨砲を構えるも尻尾で頭部を吹き飛ばされてしまい、さらに追撃を受けて大滝も気絶してしまったが、ユンが機体にユングを転送して自動操縦することになり(この時使えなくなった後ろの車輪をパージし、2本足になった)、さらに失った視覚(カメラ)をユン自身が補ったことによってアンギラスをギリギリまで誘導し、再び至近距離から頭殻の一部が破損する威力の砲撃で脳天を貫き、今度こそアンギラスを討伐した(ちなみにこれがジェット・ジャガー初の白星である)。劇中で描かれた内では、人類の手によって明確に怪獣を殺害した初めての事例になる。
第7~9話
東京に上陸したゴジラを倒すべくジェット・ジャガーβとアンギラスの槍を完成させ、トラックの荷台に乗せて東京へ向かう。その道中、ユン達が近くの浜辺に打ち上げられたマンダの死骸を見に行っている間、自身に興味を示してやってきた子ども達と交流していた。
その後、近くのボート整備工場に巣食っていたクモンガの群れと遭遇、何体かは辛くも殲滅したものの、工場のスタッフの一人がクモンガに拐われてしまい、それの救出のためクモンガの巣に近づいた所をさらに多くのクモンガに襲われ、斬られてなお平然と迫りくるクモンガの大群を相手にしながらユンたちに拐われたスタッフを助ける隙を作る。そこに巣を守るために出現した飛翔能力を持ったハネンガや大鎌を備えたカマンガも加わった数の暴力で追い込まれそうになる中、カマンガとの鍔迫り合いで生じた火花がこぼれ出た船の燃料に引火し爆発。工場の屋根へ退避した後、非常用プロトコルを発動して背中のバックパックをパージして身軽になりながらクモンガたちを蹴散らし、ユンたちの乗る船に飛び乗って脱出した。
関連イラスト
余談
- ジェットジャガーが手持ち道具を持つ事例はゴジラアイランドの消防ジェットジャガーと医療ジェットジャガーがあり、消防ジェットジャガーは本家ジェットジャガーに設定上存在する液体窒素砲を持つ。
- ゴジラシリーズにて、何度破壊されてもアップグレードを繰り返してマスコットキャラクターになったロボットとして、ゴジラ・ザ・シリーズのナイジェルが有名である。オオタキファクトリーの作業用ロボットはナイジェルとデザインの共通点が目立つ。
関連項目
ジェットジャガー:出番が回ってきたのはなんと48年ぶり。(般若顔のデザインはメカゴジラに受け継がれたのも特徴)
特空機:過去のシリーズに登場した怪獣が搭乗型のロボットとなっている繋がり。数十年ぶりに出番が回ってきたロボットがいるのも共通している
ダイナゼノン:同時期に放映された特撮アニメに登場する特撮からのリメイクロボット繋がり。こちらはジェットジャガーとは対照的に出自不明のスーパーロボットであり、初陣においても華々しい戦果を揚げている。
ガンゲリオン:他所の資材をほぼ無断で使用して戦闘ロボットを作った例。テトラに下半身が追加された様な姿をしているのも、今作のジェットジャガーとどこか似ているかもしれない。山﨑監督もゴジラを映像化したことがある。
ダイ・ガード:地球防衛企業ダイ・ガードに登場する民間企業所有の主役ロボ。同様に展示品として設置されていた際に怪獣騒ぎに巻き込まれ、怪獣と戦った。ただし、こちらは元々「対怪獣(ヘテロダイン)用」として製造されていた。
ガンダムX:搭乗者の中の人繋がり。こちらも作中で改修を施されて姿を変えている。