曖昧さ回避
- (主に自動車用の)レシプロエンジンにおいて、エンジン1基にターボチャージャーを2基用いる過給機構成の呼称。
- 1990年代に活躍した競走馬の名前。→ツインターボ(競走馬)を参照。
- 2. にちなんだウマ娘プリティーダービーのキャラクター。→ツインターボ(ウマ娘)を参照。
pixivにおいては主に3. の表記揺れとして使用されているが、本記事では原義である1. について解説する。
注意:検索妨害を避けるため、イラストのタグ付けは正しくお願いします。
自動車のツインターボ
メイン画像のRB26DETTに代表されるように、日本車において高性能エンジンの代名詞でもある。
主に6気筒以上の多気筒エンジンにおいて、アクセルペダルを踏み込んだ際のレスポンスの遅れ、いわゆるターボラグを抑えつつ、高回転までエンジンをスムーズに回して加速させるために採用される。
ツインターボが採用されるようなエンジンは通常は排気量が2000cc、ピストンが6気筒以上であり、その排気量に対し十分な過給を行うためには大容量のターボチャージャーが必要だが、大型のシングルターボを採用すればターボラグ、つまり運転者がアクセルペダルを踏んで排気が十分にターボチャージャーのタービンを回す力を得るまでにかかる時間を大きくなり、反応を悪くしてしまうことにつながる。そこでターボチャージャーを2つに分割し、小型のタービンで半分の気筒それぞれを担うようにすれば、ターボラグは小さくなるという理由である。
鉄道車両のツインターボ
あまり知られていないが、実は鉄道車両用エンジンにもツインターボ仕様の機関は存在する。
代表的なものとしてはDD51形ディーゼル機関車に搭載されたDML61ZというエンジンがV型12気筒のツインターボエンジンであり、
これはその後も改良されDML61ZA・DML61ZB(ともにDE10形用)やDML61Z-R(除雪機関車DD53形用)といったバリエーションが展開され、
国鉄におけるディーゼル機関車の標準型エンジンとなっている。
この他にはDD54形用のDMP86Z、DE50形用のDMP81ZなるV型16気筒ツインターボエンジンが存在したが、前者は構造が複雑で保守に手を焼いたため故障が頻発して整備費がかさみ、
後者はオイルショックの影響で量産化は見送られている。
一方で、エンジンを床下に搭載する関係で艤装スペースがとれない気動車においては
小型のシングルターボエンジンが主流であるが、キハ181系やキハ183系、キハ65などで採用されているDML30HS系と呼ばれるエンジンがバンク角180度のV型12気筒ツインターボエンジンとなっている。
このように鉄道車両におけるツインターボは主にディーゼル機関車向けのエンジンとして普及している感があるが、
これはJRとなってからも尾を引いており、例えばJR貨物・JR九州のDF200に搭載されているエンジンは12V396(ドイツ・MTU製)やSDA12V170-1(コマツ製)がツインターボエンジンであるし、
同じくJR貨物・JR九州ほかのDD200で採用されているFDML30Z(コマツ製SAA12V140E-3)もまた同様の形式である。
またJR東日本のクルーズ列車トランスイート四季島専用車両であるE001形は両先頭車にDML57Z-G(MTU製12V4000R43L)を装備しており、機関車以外の鉄道車両用エンジンとしては最大級のもの。これもV型12気筒のツインターボエンジンである。