概要
ゼノモーフ(エイリアン)"と宇宙最強のハンター"プレデター"を戦わせてみたらどうなるだろうというクロスオーバー企画で、両者の版権を20世紀フォックスが有していることから実現した。
共演以前から両者の遭遇はほのめかされており、『プレデター2』(1990年)に登場するプレデターの宇宙船には、ゼノモーフのものらしき骨が飾られている。
同コンセプトのコミック、ゲーム、映画が存在する。
一番有名なのが1999年発売のPC用FPSゲーム『Aliens versus Predator』とその続編、次いで有名なのがカプコンによるアーケードゲームである。
コミックはダークホースコミックスより1990年に発売された。
PCゲーム版
このゲームは『エイリアン』の時代設定で三つの立場「植民地海兵隊・ゼノモーフ・プレデター」を一人称視点プレーできるとあり、人気である。
海兵隊
人類代表。メイン武器は銃火器で、モーショントラッカーを頼りに話を進める。暗闇に対してライトしか策がないためホラー的演出が多く、ドッキリ要素が弱い方はプレーをおすすめできない。
ゼノモーフ
地球外生命体。武器は尻尾と爪で、暗闇でも見える為、屋根をつたい人間の背後から不意打ちをするなどができる。またフェイスハガーで人間やプレデターに幼児(チェストバスター)を植え付けるなどの行為もする。
プレデター
狩猟異星人。人間よりはるかに進んだ文明を持ち、光学迷彩や合成音声など駆使して人やゼモノーフを狩る儀式をする。初期武器はリスト・ブレイドだが、プラズマキャノンや槍、レイザー・ディスクなどを使用して、戦う。またバイザーを使用するため、相手がどこにいるかを把握できる。
アーケード版
カプコンによるベルトスクロールアクション。家庭用未発売。
プレイヤーは人間が2名、プレデターが2名。
敵となるエイリアン達にはダウン時の無敵時間などがなくいつでも追い討ちが可能である。しかしエイリアンたちの攻撃力は高く、囲まれると即死することも多々ある。そのため銃火器や必殺技、無敵技メガクラッシュを惜しみなく使うことが推奨される。
エイリアンの不気味さ、恐怖よりはこれらを蹴散らす爽快感が売りのカプコンらしい一作。
キャラクターとしては紅一点であるリン・クロサワが人気であり、クロスオーバー系作品で彼女の参加を望む声も多い。が、権利関係の問題が国内に留まらないレベルのため移植はおろかリンを出すことすら不可能とのこと……だったがこの度、『Capcom Home Arcade』にて本作の収録が決定した為、実に25年の歳月を経て初めてコンシューマへの移植が実現した。ただしこれは権利周りがハッキリしていて再契約も容易な欧米圏のみの扱いであり、本来の制作国である日本では未だに正規プレイ不能な「おま国」状態である点には注意。また当然ながら先述のリン・クロサワ等に関する著作権的な制限は今現在も継続中である。
モータルコンバットで再び対戦
海外の人気格闘ゲームシリーズ『モータルコンバット』の10作目である『モータルコンバットX』のDLCとして登場している。
プレデターは発売前の予告ムービーで13日の金曜日でお馴染みのジェイソン・ボーヒーズと一緒に先に登場しており(ジェイソンの宿敵エルム街の悪夢のフレディ・クルーガーは前作の9で配信済み)両ファンの間ではゼノモーフの参戦希望が多く
2015冬に公式から配信されたトレーラームービーに悪魔のいけにえのレザーフェイスと共に参戦することが明らかとなった
プレデターはそのままの参加となったがゼノモーフは本作の魔界出身のキャラクター『バラカ』に寄生していたという設定(しかも、本編のストーリーシーンを少し変えているため完全にアナザーストーリー)のためバラカの特徴である裂けた口から生えている鋭い牙と腕から生えるブレードを遺伝しているため本来のゼノモーフとは若干違った感じになっている(基本はゼノモーフで一部の技がバラカになっただけ)
詳細はモータルコンバットから
ダークホースコミック版
1990年に発売されたコミック版。
日本では当初、ビクター・エンターテイメント社が刊行していた季刊邦訳アメコミ雑誌「スーパーコミックメーカー」のvol1~2に(冒頭部をカットして)掲載。後に同社から94年に発売した単行本にて、全編が邦訳され掲載された。後に2018年、フェーズシックス社から翻訳をやり直し、『ブラッドタイム』の副題が付けられ復刻している。
なお、同タイトルはかなりの作品が刊行されているため、本項では『ブラッドタイム』の内容および人物のみを紹介する。
内容
プレデターたちは、長年無数の惑星にゼノモーフを繁殖させ、それを狩る事で自らの強さを照明する儀式を行っていた。
今日もクラン同士の格闘試合が行われ、繁殖させ狩りの舞台とする惑星が決められていた。
そして、あるクランが狩りを行う惑星は、かつては無人だったが……今は入植した人類たちに寄り、『リュシ』と呼ばれていた。
日系企業『チグサ・コーポレーション』が管理する植民惑星・リュシ。そこに新たな管理人として就任したのは、日本人マチコ・ノグチ。
彼女は入植者たちとうまくいっていなかったが、なんとかこの地に馴染もうとしていた。
だが、この惑星で繁殖させていた家畜『リンス』を運搬する宇宙船『レクター号』が到着。リンスを積み込むが……その家畜たちは、既にゼノモーフのフェイスハガーを受けていた。
そして、フェイスハガーの死体を見つけた家畜の飼い主は、別の場所でそれを見つけたと嘘を伝える。植民地の科学者がそちらに向かうと、そこにはゼノモーフを繁殖させ、狩ろうとしていたプレデターのクランの宇宙船が着陸していた。
科学者は逃げようとするが、誤って宇宙船にバイクで突っ込んでしまい誘爆。プレデターのクランのリーダーは負傷。サブリーダーが人間も狩りの獲物として、狙い始めた。
その頃、リュシの植民地、そしてレクター号の内部では、リンスからチェストバスターが生じ、ゼノモーフが繁殖していた……。
コミック版AVP、プレデター個体、および登場人物紹介
∴ブロークンタスク(牙折れ)
本作におけるプレデターの中心的人物。クランリーダーで、狩場を決める格闘試合で相手に勝利し、リュシでの狩りの権利を手に入れた。名前の由来は、片方の牙が折れているため。
リュシに着陸した後、植民地の科学者・レヴナのバイクが突っ込んだ事で、宇宙船が爆発。それに巻き込まれて打撲傷を負い、意識を失う。その後に植民地の人間たちに回収され、医務室で治療を受ける。
戦闘能力は優れており、他のクラン内のプレデターたちがゼノモーフに倒され、あるいはリンスの群れに一掃され全滅したのに対し、自身は最後まで戦い抜く。
狩りに対し一定の矜持があるらしく、クラン内の仲間たちが当初の予定に無かった『人間』を狩りの対象とした事を知り、怒りを覚えたような態度を見せた。また、自身を治療してくれた医師の女性を庇ったり、マチコと共闘してゼノモーフ狩りをしたりと、受けた恩を返す律儀な面がある。
クイーンにより致命傷を受けたが、死の直前にマチコの額に、クイーンの指(から出る酸の血液)を用いてクランの紋章を焼き入れ、そのまま看取られつつ絶命する。
リスト・ブレイドと槍(薙刀のように、刃が大きい)の他、ショットガンのような単発の火器を使用(これは他のクランのプレデターたちも同じ)。また、ショルダーキャノンも劇中には出てきたが、本編中では未使用。
また、本作のプレデターたちは、鎧の胸部にゼノモーフの頭部を装飾品のように取り付けている。
マチコ・ノグチ
本作の人間側の主人公。リュシに赴任してきた「チグサ・コーポレーション」の社員で、日本人の女性。キャリアアップの向上心が強く、戦闘能力も高い(体術を心得ているらしく、酔って絡んできたレクター号のパイロットを投げ飛ばした。また、透明化したプレデターからの攻撃を感じ取り、回避した)。
銃や火器なども扱える。仕事も有能のようだが、当初は植民地と惑星とを良くは思っていなかったようで、現地の人間たちからも最初は避けられ、嫌われていた。
前任者のヒロキ・シムラから色々と教わり、引継ぎをするが、その際にゼノモーフとプレデターとの狩りに巻き込まれる。目前でゼノモーフに植民地の人間たちを殺され、モニター越しにヒロキらがプレデターに殺害され、この事態をなんとか解決しようと戦いを挑む。
ブロークンタスクと協力し、レクター号に巣を作っていたゼノモーフのクイーンを倒す。その際に致命傷を負ったブロークンタスクから仲間と認められ、クイーンの指と酸の血液により、額にクランの紋章を焼き入れられた。
後に他のプレデターのクランがリュシに狩りに来た際、この紋章を見せて仲間と認められ、自身もゼノモーフ狩りに参加する。
映画
2004年に第一作目『エイリアンVSプレデター』、2006年には続編『AVP2 エイリアンズVSプレデター』が公開された。
『プレデターの未成年者3体(一部設定では兄弟とする場合も)と監督官(こちらは大人)が成人式(ゼノモーフ狩りの儀式)をするため、ゼノモーフを連れて現代の地球に来た』というストーリー。
こちらはゲームと違い人類側がとても不利ですぐに死亡する。
個体紹介
スカー・プレデター
本作のプレデター側の主人公。
未成年プレデターの中でもズバ抜けた実力の持ち主で武器の扱いにも長けており、後述する二人が早々にやられてしまったのに対して最終盤まで生き残って活躍する。
マスクは初代プレデターとほとんど一緒だが、デザインは微妙に違う。途中でマスクに傷がつくので初代のマスクと見分けがつくようになる。
顔は目が大きくつぶらな瞳をしていて、少し可愛い。
最初は儀式を台無しにされたことで人間を敵視していたがゼノモーフに不意打ちを受けた際に人間側の主人公であるレックスに助けられたことで彼女を戦士として認めプラズマキャノンも返却されたことで以降は味方として共闘することになる。このため、人間と最も友好的にコミュニケーションを取ったプレデターでもある。
レックスに意識を向けるあまりゼノモーフの不意打ちを喰らったり不注意に後ろを向いたためにフェイスハガーに寄生されてしまうなど未成年故か詰めの甘い部分もあり、それが最終的に命取りになってしまうが、レックスを驚かせて楽しむお茶目さや手話でコミュニケーションを取るユニークさ、ゼノモーフの死体を利用して武器を作って彼女に渡す臨機応変で頼りになる対応、エイリアンクイーンに腹を刺し貫かれても尚戦いを諦めずに吼える勇敢さと心の強さを併せ持った紛うことなき戦士である。
最後は腹を貫かれたことが致命傷で死んでしまったが、プレデターとして、誇りある戦士として散っていった。
劇中の活躍や行動からファンからの人気は非常に高く、最も人気なプレデターといっても過言ではない。
ケルティック・プレデター
プレデター未成年トリオのリーダー。
パワー系、脳筋、近距離戦を得意とするプレデター。
マスクは古代ケルト人のマスクに似ており、名前の由来にもなっている。
本作で最初に姿を現したプレデターであり、最初に人間を殺したプレデター。
下記のチョッパー・プレデターを殺害したグリッドエイリアンと激突し、壁をぶち破るほどのタックルやジャイアントスイングで石柱に叩き付けて放り投げる、頭上からの不意打ちにもネットランチャーで対応するなど善戦していたが、未成年プレデターに見られる詰めの甘さからネットから脱出され、インナーマウスで頭部を貫かれて殺害されてしまう。
あと一歩のところで押し負けてしまったが、プレデターの力強さや勇猛果敢さを印象付けた個体である。
チョッパー・プレデター
背中にトロフィーを2つ着け、マスクの色も銅のような色と派手なプレデター。
チョッパーとは「肉を切り刻む者」という意味があり、名前の由来であるリストブレードより長い「シミターブレイド」を両手に装備している。
儀式を台無しにされたことや大人の狩りとはルールが違うこともあってか、武装していない女性であるレックスを蹴り飛ばして柱に叩き付けるという従来のプレデターではしないような凶暴な行動を見せている。
そして自慢のシミターブレイドで始末しようとするも背後から忍び寄ってきていたグリッドエイリアンに気付かず、後ろから尻尾で貫かれて誰も切り刻むことなく死んでしまった。
そのあんまりな最期のせいでネットでは半ばネタキャラのような扱いをされてしまっている。
エルダー・プレデター
エルダー(長老)とは役職名であり、名前ではない(他には別個体がプレデター2に登場している)。
最終決戦後に主人公の前に出てきてスカーの遺体を部下に担架で運ぶよう命じ、レックスに自身のスピアを渡して帰っていった。
出番はほぼないが、かっこいい見た目からこちらも人気がある。
ザ・クリーナー
こちらも役職名。狩りの儀式が失敗したとき、すべての証拠を隠滅するために派遣されるプレデター。
歴戦の勇士であり、マスクは多くの傷が入っていて刻まれているプレデター文字とかぶさってボロボロに見える。顔は眉毛がなく、左側は爛れていて左目は白く濁っており、左上の牙は欠け落ちている等あちこちに傷痕が見られる。
劇中での活躍及び任務は人間に見つからないように証拠隠滅をしながらゼノモーフを始末していくことで自分を目撃した者は誰であろうと容赦なく殺害する、後始末屋の名に相応しい人物。純粋に強い獲物を狩ることを至上とする他のプレデターとは一線を画す特異な存在である。
今まで登場したプレデター達とは桁外れの極めて高い戦闘力の持ち主で、肉弾戦においては奇襲かつプレデリアン以外のエイリアンを寄せ付けなかった。
身体能力で勝るプレデリアンとも優れた戦闘技術により互角に戦っており、戦闘中にインナーマウスを引きちぎるという荒業も行っている。
一方、劇中ではイレギュラーな存在であるプレデリアンから不意討ちを受けることが多く、更に自分の予想を上回る驚異的な繁殖力を持っていた本作のエイリアンには苦戦を強いられ、結局本来の目的を果たすことは出来なかった。
最終的には米軍が核を投下して街ごと吹き飛ばしたことでプレデリアンと一緒に消滅した。
プレデリアン
この作品でフェイスハガーが胎児をプレデターに寄生させたらどうなるのか、という発想が生まれ誕生したゼノモーフの一種。ゼノモーフは寄生した相手の能力を受け継ぐためプレデリアンもプレデターのDNAを取り込んでいる。プレデターの武器は使えないが知能も通常のウォーリアーより高い。詳しくは該当記事を。