日本の元号。大正天皇の在位期間である大正元年（1912年）7月30日から大正15年（1926年）12月25日までの期間を指す。
由来は『易経』彖伝・臨卦の「大いに亨りて以て正しきは、天の道なり」。
世界史的には人類史上初の大戦である第一次世界大戦が起こった。日本はこれに連合国側として参戦。
連合国の勝利後は敗戦国であるドイツの権益を一部引き継ぎ、また当時の国際連盟の常任理事国になった。
日本国内においては、大正デモクラシーと呼ばれる民主主義の台頭が起こった。
また文化的には、主に都市部で大正浪漫と呼ばれる華やかな文化が隆盛した。
大正12年に関東大震災が首都圏を襲い、その後起こる世界恐慌の遠因となった。
年表
- 大正元年 - 乃木希典大将殉死（9月13日）。
- 大正2年 - 木村鈴四郎・徳田金一の両中尉が墜落死し航空界の初犠牲となる。翻訳劇が流行し松井須磨子の「カチューシャの唄」が全国を風靡。大正政変。
- 大正3年 - 桜島爆発噴火（1月）。東京停車場竣工（3月）。昭憲皇太后崩御（4月）。第一次世界大戦（8月23日宣戦）。青島を占領する（11月）。
- 大正4年 - 即位御大礼が行われる（11月10日）。大隈重信首相の車窓演説・与党の大勝利（総選挙）。邦文タイプライターの発明。
- 大正5年 - スミス・アートの来日（5月）。簡易生命保険法が公布される（10月）。裕仁親王の立太子式（11月）。
- 大正6年 - 小額紙幣の発行（10月13日）。東京芝浦にて第3回極東オリンピック大会（5月8日）。地中海にてドイツ海軍と戦う（6月）。金輸出禁止（9月）。チャップリン髭の流行。
- 大正7年 - シベリア出兵に決定（7月）。米騒動（8月）。欧洲大戦休戦条約なる（11月）。
民謡の流行（安来節・鴨緑江節・小原節など）。
- 大正8年 - 戦艦陸奥の進水（5月30日）。ヴェルサイユにて平和条約調印（6月8日）。東京市で平和祝賀会挙行（7月）。活版職工の罷業（8月）。第1回国際労働会議派遣代表鎌田栄吉ら出発（10月）。東京・大阪間に初めて郵便飛行を試みる（10月）。世界大戦講和条約正文発表（11月）。東京麹町区永田町の松本虎雄訓導が殉職（11月20日）。世界風（感冒）の流行。
- 大正9年 - 明治神宮造営。尼港事件の報が伝わり世論惹起（5月）。第1回国勢調査（10月）。明治神宮鎮座祭（11月）。
- 大正10年 - 皇太子海外巡遊（3月3日。9月3日に還啓）。熊谷一彌・清水善造の両テニス選手がデヴィス・カップ戦に出場（8月）。原敬首相が刺される（11月4日）。ワシントン会議開会（11月）。皇太子が摂政に任じられる（11月）。
- 大正11年 - 国勢院調査の結果日本総財産額が860億円と決定（2月）。平和記念大博覧会（3月10日）。イギリス皇太子が入京（4月）。宮城県の小学校訓導小野さつきが殉職（7月）。監獄を刑務所と改称（10月）。理化学研究所が合成酒を発明。
- 大正12年 - ロシア代表ヨッフェが入京して後藤新平と会見（2月）。普選示威運動（3月22日）。郡制廃止（4月）。関東大震災（9月1日）。『国民精神作興に関する詔書』煥発（11月10日）。
- 大正13年 - 皇太子ご成婚（1月）。アメリカ議会排日法案通過で内外の論議沸騰（4月）。メートル法実施（7月）。各省に政務官（政務次官・参与官）を設置（8月）。
- 大正14年 - 東京放送局がラジオ初放送（3月22日）。四ヶ師団廃止（3月）。秩父宮が英国ご留学（5月）。但馬・豊岡・城崎地方の激震で死者数千（5月）。初風・東風の両飛行機が訪欧飛行（7月25日出発、10月27日ローマに安着）。片岡弓八がスペイン沖にて八坂丸金塊引揚に成功して帰国（9月）。皇孫照宮成子内親王ご誕生（12月）。小鳥の愛玩が大流行。ピス健と名乗る殺人強盗・大西性次郎が現れて世間を騒がせる。
- 大正15年 - 第2回女子オリンピック大会に出場した人見絹枝が国際女子運動競技連盟より名誉賞授与（8月）。鬼熊と通称された殺人犯が世間を騒がせる（9月）。神宮体育大会（10月28日）。長慶天皇を皇統に奉列する（10月）。大正天皇崩御、昭和天皇践祚（12月25日）。
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