情報商材
じょうほうしょうざい
概要
有料で販売される情報や、それを使って行われるビジネスのこと。販売自体は「情報販売」という。
内容は様々あり、例えば通信教育の教材(教科書や練習用のビデオ)なども広義の情報商材といえる。
代表的なのは「月に○○万円儲かる副業」や「○か月で恋人を作る方法」といったハウツー、マニュアルなど。
主にインターネット上で、PDFやDVD、冊子の形態で販売される。また、アフィリエイトなどによる誘導もあり、その場合は購入者→アフィリエイター→販売者というように売り上げが分配されることになる。
内容が商品となるため、購入者が転売したり盗作して販売したりしないよう、購入後に対面のセミナー形式で指導することもある。
問題点
情報自体が商品なので、当然ながら購入するまでは内容は分からない。
しかし、いざ購入してみると「○○万円手に入る→借金しろ」や「恋人ができる→出会い系サイトを使え」など、何の役にも立たない情報である事も少なくない。
仮想通貨やFX、不動産投資など、一攫千金のハイリスクな事業とセットで勧めてくるパターンも多い。
また、既に手垢が付きまくってる古い情報である事も多い。
このような詐欺の被害はインターネットの普及と共に増加しており、情報商材屋と呼ばれる。
別名として情弱ビジネスや信者ビジネスとも呼ばれ、基本俺様口調で上から目線でもあるため意識高い系ビジネスと蔑まれることもある。
そしてこの問題の本質は、被害を受けるのは詐欺被害者だけにとどまらず、
- 情報商材屋の「(実際はそこまで利益にならない)特定の商品の転売を行え」という情報を買った利用者が騙されてなった本来なら起こりうるはずのないジャンルでの転売ヤーの増加(もちろん得するのは情報を一方的に売った情報商材屋のみである)
- 知名度の高い制作スタッフや著名グループの中心メンバーなどが情報商材屋の言うことを鵜呑みにする、又は自身が情報商材屋になってしまったせいで人格が豹変し、作風や商法にまで悪影響を及ぼしゲームや音楽などと言ったコンテンツに泥を塗ったり、それによってファン離れが起こったり、最悪数十年キャリアを築き上げてきたブランド崩壊やグループの解散に至る
- 一度情報商材ビジネスに成功すれば、周りに自分の意見に忠実に従ってくれる利害関係となる信者が付いてくれる。それは、上述のコンテンツ潰しのような迷惑行為や不謹慎発言、反社会的行為を行っても、利益が失われることを恐れた信者が必死で守ってくれるため、道徳を捻じ曲げることすら容易になるという意味でもある(このため、擁護しているアカウントのプロフィールを見れば「副業」「年収」「アフィリエイト」「コンサルタント」といったビジネス用語がズラリと並んでいるケースがほとんど)
など主に娯楽系や経済を中心に、無関係な周囲の人間までもが巻き込まれる二次災害に至る場合も珍しくないことである。言うなれば生きがいの死であり、ファンからすれば溜まったものではない。
近年ではSNSを利用し、情報商材を販売する手口が横行している。
例えばTwitterであれば、「○○万円儲かりました!」といった内容と口座残高を写した画像をツイートしてカモを釣り、プロフィール欄から購入リンクに誘導する方法が多い。
もちろんこれはスパムにあたり、殆どのSNSで禁止されているため、通報するのが望ましい。
2020年前後に入るとオンラインサロンと合わせてぼったくり級の金を巻き上げる情報商材屋YouTuberが急増。その中には芸能人までもが含まれており、YouTuberの負の象徴、というか代名詞と呼ぶまでに至っている。
この手のYouTuberは、YouTubeが比較的新しいメディアであるのをいいことに、「新しい売り方」「(批判している媒体に対し)まだ古いやり方に囚われてるんですね笑」「批判する奴が洗脳されてる」「貧乏人の嫉妬」などと常套句を並べて反論してくるのも特徴。
だが、新しいのはあくまでその技術のみであって、情報商材による詐欺手法にそれほど大きな違いはないということは忘れてはいけない(1998年に問題になったTOSHIのホームオブハート騒動が良い例である)。要はこのようなビジネス自体は昔から存在し、インターネットの普及で市民権を得て以降目にする機会が爆増しただけなのである。
…と、ここまでの記述を見てもらえば分かる通り、ほとんどが人々が抱える「将来への不安」が資金源となっているため、不況になればなるほど優位に働くビジネスである。
もちろん全ての情報商材が詐欺目的で販売されているわけではないが、どのような人脈や会社が販売しているか、値段や販売方法は適切か、十分確認する必要がある。
情報商材に騙され…
ロケットニュース24のライター・耕平氏はかつてライターになる前は情報商材に多額を注ぎ込むという悪循環にあり、ある時知らなかったとはいえロケットニュースの編集長であるGO羽鳥氏の画像を情報商材の実践にて無断使用した事が本人にバレてしまう。この時は誰がこんな事をしているのかは不明であり、羽鳥氏が徹底調査を行った事で判明。耕平氏は編集部に謝罪に赴いた…が、なんとライターとしてスカウトされており、ロケットニュースの情報商材系(と薄毛対策)ライターとなった。