概要
情弱とはデジタルデバイド(=インターネット恩恵の欠如)によって情報を得られない人、または得られたとしても「質」「量」「速度」に劣る情報しか得られず、情報を正しく扱えない人のことを指す「情報弱者」の略称。
先進国や都市部でブロードバンドの普及によるIT化が進み、情報や通信のインフラストラクチャが整うにつれ、次第に発展途上国や田舎(山村、離島など)での特有の問題に移行しつつありスケール的に決して小規模ではない問題となりつつある。
こうしたことを背景に、ネット環境を活用できる「デジタル人間」(※現在では死語になりつつあるが……)に対して、TVや新聞などの旧来の情報媒体でしか情報を入手できない・あるいはしようとしない「アナログ人間」を区別するためにこの概念が出現した。
しかし現在ではネット普及率が高まり、離島にも海底ケーブルが敷設され、識字率もほぼ100%である日本においてはデジタルデバイドというものは事実上存在せず、後者の「侮辱的な」意味合い(もしくは単なるレッテル貼り)で用いられることが多い。
まとめると、
- そもそも世の中の最新かつ最適な情報を得るための手段(=主にネット環境)が存在しない。
- 上述の手段があっても、それを的確に用いて建設的な状況にもっていくためのキャパシティが無い。もしくは数ある情報を立体的につなぎあわせる(すなわち自身や周囲に関連づける)能力に乏しい。(=メディアリテラシーの欠如ほか)
のどちらかと捉えるかで意味が分岐するものといえる。
情弱と情強
情弱の対義語は情強であり「情報強者」の略であるが、どちらかというと用いられる頻度は情弱の方が圧倒的に多い。
ネット上で情弱という言葉が使われるときは、侮辱的な意味合いを持つことが多い。「そんなことも知らないなんて情弱だ」などというレッテル貼りが2chなどのネット掲示板で飛び交うことは決して珍しいことではない。
しかし、そういった発言をする人間が情強なのかといったら、ほぼ確実に嘘なので無視して良い。前述のように、現在ではインターネットがない人間の方が少数派であり、むしろ何も知らないという人間こそ珍しいからだ。
また、情報に偏りがないか注意しなければ「自分で情強と思っているだけの情弱」になりかねない。ネットニュースは扇動的(すなわちゴシップ重視)な記事も多く、無批判にそれらを受け入れるのは情報を正しく摂取しているとは言えない。また、Twitter等のSNSで真偽不確かな情報を流したりそれに加担したりする行動は、単に何も知らないより悪質だと言える。
「そんなザンネンな人種、ネット社会になる以前にだっていっぱいいたじゃん」だって? まあそうだけど……
そもそも情報を手に入れても、実際に活用しなければ意味がない点も注意すべき所だろう。
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