アポカリプス(X-MEN)
あぽかりぷす
概要
アポカリプスはMARVELコミックスのスーパーヴィラン。X-MENの宿敵の一人で、初登場は1986年。
本名は、『第一の者』を意味するエン・サバー・ヌール"En Sabah Nur"。
灰色肌と青い唇は生まれつき。分子構造を自由に操ることができ、自分の体を自由に変えられる。クイックシルバー並の約800km/hのスピードで動く事ができ、テレポート能力を持つ。ハルク並の怪力を持ち、知能も大変高い。「適者生存」を信念としている。
不老に近い超長寿のミュータントである「エクスターナル」の1人。基本的に冷酷な人格をしているが、瀕死のX-メンを見逃したり、自分と戦って勝ったアークエンジェルに殺されることを願ったりと、その行動は私欲というよりは徹底して信念のためという美学を持つ悪役でもある。
アポカリプス・トゥエルブの最終決戦では、元の肉体を失い、新しい肉体を手に入れようとするが、ネイトを救う為に自ら犠牲になったサイクロップスに無理矢理融合させられてしまい、その後は姿を消す事になる。
しかし、ジーン・グレイとケーブルの活躍によって融合は解除されてしまい、自らの精神も消滅させられてしまう事になるのだが、その後のサイクロップスはアポカリプスとの融合で精神に深刻な悪影響が残ってしまった様で、その後の彼の暴走に近い行動の数々からも推察出来る。
配下
4人のミュータントからなる「フォーホースメン(黙示録の四騎士)」を配下にしている。このフォーホースメンにはX-MENのメンバーが洗脳させられて加わる事も珍しくない。過去にはエンジェル(アークエンジェル)、ガンビット、ウルヴァリン、サンファイア、キャリバン、ポラリスらが加えられている。ただしミュータント能力を使うごとに洗脳は解けていき、全X-MENが最終的には彼の支配下から逃れている。
上記の四騎士とは別に、ダークライダーズと称する九人組(ナズグルを意識している?)と、オジマンディアスという従者がいる。
かつてはオジマンディアスが支配者であり、エン・サバー・ヌールはピラミッド造りに従事する奴隷の一人であったが、能力覚醒によって主従が逆転、『永遠の虜囚』とされたオジマンディアスは不死身の肉体を与えられ、石壁に歴史を刻み続ける日々を送っている。
実写版
演:オスカー・アイザック、日本語吹替:松平健
X-MENに登場するヴィランの中でも、マグニートー並に重要な存在で、ファンも非常に多かったのだが、長らくの間、実写映画に登場しなかった。
しかし、2014年公開の映画『X-MEN: フューチャー&パスト』のエンドクレジット後のシーンで初登場しており、2016年公開の映画『X-MEN: アポカリプス』にて、遂にヴィランとして本格的に登場。
古代エジプトの支配者であり、自らが老いると他のミュータントに魂を移して生きながらえていた(したがって、いつ生まれたかは不明)。作中では魂の移し替えの儀式のさなか、反逆者による襲撃を受け、崩れたピラミッドに生き埋めになる。
現代(1983年)、カルト集団によって目覚めさせられ、人類の文明が道を失っていると判断し、現代の四騎士としてストーム、エンジェル、サイロック、マグニートーを選び、彼らを強化する。
さらに、テレパシーでマグニートーに話しかけたプロフェッサーXを逆探知で支配、テレパスで全世界の政府に核兵器を廃棄させ、チャールズを誘拐。彼を介して全世界に宣戦布告した上、彼に自分の魂を移し換えようとする。
しかし、恵まれし子らの学園のミュータントたちの反撃により、儀式は失敗、エンジェルは死亡、マグニートーは説得され離反、最後にはジーンとストームの攻撃を受け、かつて人々を支配し、導いていた自分が今の世に不要だと悟り、消滅した。
ゲーム
1994年にテレビ東京系で放映されたアニメ版X-MENにもアポカリプスは登場しているが、日本でこのキャラクターが有名になったのはなんといってもCAPCOMの対戦格闘ゲームでボスキャラとして起用されてからである(MARVELvsCAPCOMも参照)。
初登場は『X-MEN VS. STREET FIGHTER』(1996年)。
最初は通常のキャラよりやや大柄な姿で登場し、プレイヤーキャラとの会話が表示され(ここまでは『MSH』のサノスと同様)、その後アポカリプスの姿が消えたかと思うと、天を衝く巨人の姿で再登場。
「見るがよい、我輩アポカリプスの真の力を!
そしてその命をささげるのだ!」
地面の上に上半身しか現れていないにもかかわらず、頭部が画面上端に届くほどである。
ハイパーアーマー状態でガードはせず、しゃがみやジャンプといった挙動もない。
攻撃方法は拳で地面をたたき衝撃波を生む、拳を鉄球に変え振り下ろす、拳をドリルに変え突進、肩から火炎弾を放つ、レーザービット射出(ビットは破壊可能)などで、格ゲーキャラというよりワイリーマシンのようなシロモノ。
・・・が、実のところ鈍重なので攻撃と攻撃の合間に結構余裕があるしモーションさえ覚えてしまえばスーパージャンプやアドバンスとガードでよけるのも容易い、更にはアポカリプスの腕よりも右に回ると一部の攻撃が当たらなくなる、等々隙だらけ過ぎてここまでこれたプレイヤーなら初見でもまず勝ててしまうほど弱く見掛け倒しもいいところ。
続く『MARVEL SUPER HEROES VS. STREET FIGHTER』(1997年)でも巨大アポカリプスが登場し、さらにその後も『画面全体を覆う巨大ボス』はオンスロート(MARVEL)・アビス・ギャラクタスと受け継がれてゆくシリーズの伝統となる。
…が、アポカリプスは『XVS』でも『MVS』でも、『物語上の黒幕』でありながら『ゲーム上のラスボス』ではない、という微妙に情けない立場での起用となっている。
また一部の家庭用移植版ではプレイヤーがアポカリプスを操作できるモードが追加されている。
ちなみに彼を参考にしたのがかの巨貧兵。こっちはアグレッシブに動きます。