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221系の編集履歴

2023-01-20 16:02:00 バージョン

221系

にひゃくにじゅういちけい

JR西日本の近郊型電車。

概要

1989年から1992年にかけてJR西日本が新製・投入した直流近郊形電車

JR西日本では初の在来線用新造車両。

(よく勘違いされるが、初の新形式ではない)


そのデザインと走行性能はJR西日本のイメージアップに大きな貢献を果たし、以後のJR西日本の一般型車両の基本形を作り上げたといっても過言ではない。


本形式の最大の特徴として、車体は普通鋼製であるがアルミ車両に匹敵する軽量車体であることと、異なるユニット方式の混在が挙げられる。

通常、一形式内のユニット方式は一種類であるが、221系はMM'方式と1M方式の両方が採用されている。MM'方式は「221」、1M方式は「220」の形式を使用している。

最高速度は120km/hであるが、初期グループの一部は681系開発のために改造の上で湖西線での160km/h試運転を実施した実績もある。

潮風の影響を受けやすいJR京都線JR神戸線での走行に対応するため、海寄りに空気制御部品、山寄りに電気部品関係を集中的に配置した。


車両編成は当初2両、4両、6両とあり、のちに8両編成が登場した。

2011年3月までに2両編成はすべて4両編成に組み替えられた。


性能

最高速度120km/h
歯車比16:83=1:5.19
制御方式直並列組合せ抵抗制御界磁添加励磁制御
起動加速度2.5km/h/s(登場時)→2.1km/h/s
減速度3.5km/h/s(常用最大)、4.2km/h/s(非常)

走行機器は205系1000番台213系の設計を踏襲している。

MM’ユニット車であるクモハ221形・モハ221形には主電動機としてWMT61S(定格120kw 端子電圧375V時)を搭載し、クモハ221形に搭載されたWCS57B形主抵抗器によって2両分8台が制御される。

単独M車であるクモハ220形・モハ220形には主電動機としてWMT64S(定格120kw 端子電圧750V時)を搭載し、各車両に搭載されたWCS59C形主抵抗器によって自車の4台が制御される。

213系に引き続き、補助電源装置には静止形インバータを採用。クモハ220形・モハ221形・モハ220形に搭載され、空気圧縮機や冷房装置、添加励磁装置などの電源を供給する。

台車はヨーダンパ取付台座付のWDT50H・WTR235Hである。当初はヨーダンパが未設置であったが、1998年以降、順次取り付けが行われている。


電動車比率は1:1が原則とされ、現在は8・6・4両編成が存在。

2両編成については、編成組み換えにより現在は消滅している。

クモハ221-モハ221-サハ221-クハ221を基本とする「221形グループ」と、クモハ220-サハ220-モハ220-クハ220を基本とする「220形グループ」が並行して製造され、以下のように編成組成された。

編成形態1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車
8両クハ221サハ220モハ220サハ220モハ220サハ221モハ221クモハ221
6両クハ221サハ220モハ220サハ221モハ221クモハ221
4両クハ221サハ221モハ221クモハ221
2両→4両クハ220モハ220サハ220クモハ220

※太字は220形グループ。

※221形グループはモハ221形に、220形グループはクハ220形・サハ220形に空気圧縮機を搭載する。

※2両編成はクハ220-クモハ220の組成で登場し、8両・6両編成から抜き取ったモハ220-サハ220を組み込んで4両化。


運用

当初は混雑が激しくなっていた東海道山陽本線系統(JR琵琶湖・京都・神戸線)の新快速等に投入され、117系を置き換えた。

同時期に関西本線大和路線)の快速大和路快速にも投入され、113系の運用を置き換えた。


登場初期に夏場の紀伊・山陰方面への臨時急行にも充当されていたことがある(いわゆる「遜色急行」だが、当時まだ山陰方面で残っていたディーゼル急行や関西地区で残っていた純粋な急行型である165系よりは速度も速く、騒音も少なく座席の質は良かった)。


製造開始から5年後に130km/h性能の223系が登場して以降、定期運用では新快速から撤退し、アーバンネットワーク内各線において快速・普通列車に広く運用されるようになっている。

223系に比べると車両のバリエーションや改造も少なく、塗装も登場時より変わっていない。

JR西日本の鋼製車で行われている塗装単色化については、221系については今の所は行う予定がない事が同社から発表されている。


2024年までに225系の導入によりJR京都線・神戸線から全車撤退し、玉突きで奈良支所の201系を置き換える予定。

その先陣を切る形で2022年ダイヤ改正でおおさか東線の定期運用から201系を追い出した。

さらに同年から奈良電車区所属の一部の編成が京都支所に転属し、113系117系を置き換えており、今後も少しずつ置き換えが進むと思われる。

2023年度からは207系321系に代わって直通快速運用に入るが、そのままでは編成数が足りなくなる為、上記2形式もおおさか東線内普通列車としてとして運用される予定。


体質改善工事

JR西日本221系 体質改善工事施工車

これまで国鉄型車両を対象に施行されてきたJR西日本の体質改善工事だったが、2012年末より自社オリジナル車である本系列にも施行されることになった。


工事内容は213系に施行されたものとほぼ同じ要領だが、ヘッドライトがHIDランプ4灯(左右各2灯)になった点が最も注目を浴びている。

制御方式は更新されず、直並列組合せ抵抗制御界磁添加励磁制御のままである。

他にドアチャイム・ドア上へのLEDの設置・正面の行先LED・トイレの大型化・立席スペースの拡大と同スペースの椅子の補助椅子化などが行われ、吊り革も225系と同様のものに変更されている。

単独運用にしか使用しない編成を除き、順次先頭車両の先頭部に転落防止ホロを装着している。

側面行先表示機のフルカラーLED化が追加で行われた編成も存在する。

体質改善工事は2020年3月末までに全車に対して施行され、原型車は消滅している。

ちなみに京都鉄道博物館のモックアップは更新されていない。


編成・配置車両所

←長浜・JR難波・京都(嵯峨野・山陰線)

上郡・播州赤穂・加茂・京都(奈良線)→

8両クモハ221(Mc)モハ221(M')サハ221(T)モハ220(M1)サハ220(T1)モハ220(M1)サハ220(T1)クハ221(Tc)
6両クモハ221(Mc)モハ221(M')サハ221(T)モハ220(M1)サハ220(T1)クハ221(Tc)
4両(MM')クモハ221(Mc)モハ221(M')サハ221(T)クハ221(Tc)
4両(1M)クモハ220(M1c)サハ220(T1)モハ220(M1)クハ220(T1c)
2両(消滅)クモハ220(M1c)クハ220(T1c)

網干総合車両所本所

  • 8両編成:A編成
  • 6両編成:B編成
  • 4両編成:C編成

吹田総合車両所京都支所

  • 6両編成:F編成
  • 4両編成:K編成

吹田総合車両所奈良支所

  • 8両編成:NB編成
  • 6両編成:NC編成
  • 4両編成:NA編成

余談

形式名は213系の続形式として「215系・217系※」とすることも検討されたが、新生JR西日本の意気込みを込めて、一の位を1とした「221系」となった。

215・217は後にJR東日本されることになる。

※電動車方式ごとに別形式を採用するという案だったため、2つの形式が検討されていた。実際は221系の1形式に集約されたが、電動車方式の違いは形式の奇数・偶数(221形・220形)で区別することになった。


関連イラスト

天王寺駅


関連タグ

JR西日本 近郊形電車 大阪環状線 嵯峨野線

311系721系811系:JR他社における同世代・同構造の電車。

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