『ダイよ…ドラゴンの子よ』
『見事だ。お前の今の強さこの世のものとは思えん』
『悟ったぞ。お前に勝つには余も魔獣と化さねばならん とな』
『たとえ二度とはもとに戻れなくとも…!!』
『勝利!! その二文字のためなら…!!』
CV:子安武人(2020年版)
概要
勇者ダイに追い詰められた真・大魔王バーンが、自らの魔力の源である第三の目『鬼眼』の力を開放し、自身の肉体に重ね魔獣化した最強の姿にして最終形態。単純な戦闘力では竜魔人をも凌駕する、紛れもなく最強にして最凶の敵。
荒々しい岩山の様な頭部と、肩装甲を持つ異星人の如き巨人で、腹部に巨大な眼を持つ異形の容姿。額部分にバーンの下半身が髪や両腕ごと埋まる。
本人も最強の姿と自負しているが、他者に魔力を与え干渉するとは違い、魔力の源である自身の肉体を変質させるので二度と元の姿に戻れない最後の手段でもある。
強力無比な極大呪文や秘奥義の体術を駆使していた頃と違い、原始的な殴る蹴るの打撃が中心だが、巨大な質量を高速で振り回す攻撃の威力は単純にして圧倒的で、巨体故に小回りは利かないものの機動力と速度は高い。
加えてドルオーラの直撃にも耐え、唯一の弱点である腹部の鬼眼も硬質の瞬膜で覆い保護するなど、驚異的な防御力を誇る。
これといった名称はないが、肩当てから無数の光弾を追尾発射し、拳打や突きなど技らしいものを披露する。腹部の鬼眼から破壊光線を発射することも可能で、武具に亀裂を入れるなどかなりの威力を持つ(劇中ではダイのダメージなかったため閃光を発したように見えるが、後のファンブックにて光線であることが判明した。メディアミックスでの技名は『鬼眼砲』)。この他、腹部の鬼眼から魔力を拳に収束させて放つ拳打も披露。
老人の姿の時点で圧倒的な強さを誇り、奥の手である全盛期姿も温存していたため、自身はこの姿になるほど追い詰められる事態になることは露ほどにも考えておらず、試す機会も無いと考え、せめて最強の姿を想像の中でも実現させようと作成させたのが『鬼岩城』である。
故に変貌すること自体が屈辱的だったが、全てを捨てて戦いに挑むダイに対しての勝利には、嘗てのハドラーと同様不退転の覚悟が必要だと悟り、敗北するよりは良いと力を開放。自らも全てを捨てて最後の戦いへと赴く。
この戦いの一部始終を傍観していた冥竜王ヴェルザーも、最終手段を取らせた勇者の力に「それ程の相手か…」と驚嘆し、鬼眼の解放がどれだけ異常事態なのかを裏付けた。
活動
「ダイ!! 竜の騎士!!!」
「お前にさえ勝てればッ…!!!」
「お前に勝つ事が今の余の全てなのだッ!!!」
二度と元の姿には戻れぬ覚悟で第三の眼を抉り、激しい痛みを伴いながらも解放。血は物質と変わり肉体を覆い巨大化。大魔宮の瓦礫と宇宙空間に闘いの場を移し、ダイと同じ覚悟を持って挑み掛かる。
その力は絶大で、原始的な攻撃手段ばかりながら、全盛期を凌駕した竜魔人ですら一蹴。更にはドルオーラを受けても微動だにせず反撃、爪を用いて重傷を与える。動かなくなったダイを見て勝利の美酒に酔い痴れる。
「………どうだッ……!!!」
「………勝った…!」
「…勝ったぞッ…!!! 余は勝ったッ!!!」
だが、一時戦闘不能になったダイに対しても「いかんいかん、奇蹟は起きる。何度でも…!!」と、即油断を振り払い、屍を粉々にして完全な勝利を得ようとする。
さらば!! 大魔王
直後、ダイの下へ最後の味方が駆けつけ、行く手を阻む。更に太陽の輝きと亡き母の幻がその意識を目覚めさせ、武器に宿った父の魂がダイを立ち上がらせ、両者は再び激突。ダイは全てを込めた真魔剛竜剣の一撃を放つが、それを以てしても鬼眼に致命傷を与えられず、逆に刀身が折れる。
真魔剛竜剣によって片腕を失うが、すかさず反撃に転じ哄笑。残った腕でダイを捕らえ、そのまま握り潰そうとするが、ポップの言葉を思い返したダイの渾身の力で手首を破壊され両手を喪失し脱出される。
決着を付けるべくダイを追撃するも、紋章閃の目眩ましで怯んだ隙に、変身前から胸に刺さったままの『ダイの剣』を握られ、そこを起点の斬撃で鬼眼ごと一刀両断にされて力尽き事切れる。
ダイ「さよなら。大魔王バーン・・・!」
鬼眼王の全身は自ら施した呪いにより、死と同時に石化。大半は崩壊した瓦礫と化して地上に降り注ぎ、砕けずに残った本体の上半身は、求め続けた太陽を背に宇宙空間へと消えていった。
皮肉な事に、その様は嘗て両断された鬼岩城の陥落と瓜二つだった。
肉体的な強さならば三界の神が作り出した『竜の騎士』すらも上回り、個の力では最後まで最強だった鬼眼王だが、誰もが弱く己と対等でない故に、自分と異なる者達との出会いと別れを通して、学び・教え・成長していく「絆の力」に敗れさった。
コラボ
ドラゴンクエストモンスターズジョーカー3プロフェッショナル
老バーン+ミストバーン+キルバーン+魔界神マデュラーシャの4体配合で「鬼眼王バーン」が仲間になる。
鬼眼王バーンはまさかの「超ギガサイズ」。これはモンスターズオリジナルモンスター以外はあのブオーンしかデフォで持たないサイズで、J3Pの裏ボスであるマデュラーシャを押しのけ配合の終着点にされたことも合わせてかなりの特別待遇であると言える。
さらに専用特技「鬼眼砲」を覚え、合体特性はHPを1000上げる専用の「鬼眼王」とこれまた特別待遇。
能力値はHPが最高値、攻撃も最高近く、守備もかなり高い重戦車タイプだが、賢さが恐ろしく低い。あまりに低すぎてAIが「アタックカンタ」や部下の「ファントムレイザー」などを半別できないため、ある程度の補強が必要となるだろう。
関連タグ
厄災ガノン:ガノンが変異したと思われる存在。ブレスオブザワイルドでは最終決戦の際に凄まじい超巨体の魔獣へと変貌する。そして仲間から授かった武器を手にした主人公と一騎討ちを繰り広げる。弱点は頭部に隠された巨大な瞳だが、普通に攻撃しても瞼を閉じて防御されてしまう。元ネタは未将崎雄のコミカライズ版に登場するガノンの最終形態「大ガノン」から。この漫画のガノンは「封印術を掛けられた全盛期の肉体から心臓部分が分離して活動している(心臓=意思を持った本体)」「ラストバトルの際に全盛期の肉体と合体し、凄まじい超巨体の魔獣へと変貌する(魔獣の内側に本体が寄生するように潜んでいる)」「主人公を圧倒するが親族の霊魂の励ましで立ち直られ、最期は仲間から託された武器によって本体を一刀両断にされ逆転敗北を喫する」などバーン戦ともよく似ている。