ブウウーイッ まったくよく寝たわい。
さて…。ルドルフはどこだ。かくすとためにならんぞ。
…まあよいわ。体ならしに キサマらから血まつりにあげてやるわ!
解説
かつてルドマンの遠い先祖「ルドルフ」が、サラポナの北の名もない山村(ビアンカの故郷)にほど近い小島の祠に安置されている魔法の壷を使って封印した伝説の魔神。
かつて"伝説の大泥棒"ゴロステが、こいつに食われたという伝説もあるが、ゴロステを食べたのがきっかけで腹痛を起こしたところを封印されている。
山のような巨体を誇るシリーズ屈指の巨大モンスターであり、生半可な装備やレベルでは太刀打ちできない強敵でもある。
特撮怪獣クラスの超巨大モンスターであり、おそらくドラゴンクエストシリーズでコイツと肩を並べられる巨体を持つものはラプソーンとナドラガぐらい(特にナドラガは客演したブオーンと戦っている)で極めて少ない。顔つきは少しアークデーモンに似ている。
その演出のインパクトや強さなども相まって多くのプレイヤーの心に(主にトラウマとして)残るであろうモンスターであり、ラスボスの影を薄くしている一匹である。ここまで存在感が強い魔物なのに主人公との直接的な因縁が全くないどころかシナリオ上必ず戦う(※)のに物語の本筋にも一切関わってこない。…と、中々稀有な要素を持つボスである。そもそも、ミルドラースの手下なのかどうかすら不明
※ ゴロステと一緒に飲み込まれたというさいごのかぎがラスボスの元へ行くのに必要。遅くともイブールを倒した後には戦わなければならない。また主人公専用の最強防具である王者のマントが眠っている封印の洞窟の攻略や、大神殿に保管されている天空のよろいの入手にも必要である。これらのために、早々の攻略を目指すプレイヤーは少なくないはずである。
経歴
ブオーンの封印については家に伝わる役目となっており、青年時代前半にフローラと結婚したあとにルドマンから、祠の壺の色を確認してほしいというお使いを頼まれる(このときは、まだ壺の色は青のまま)。
その後青年時代後半に、主人公がサラポナを訪れるすこし前に、ルドマンが封印した壺が赤く光っていると行商人からの報告を受けて封印が解けかかっているという危惧を抱いて、酒場に入り浸ったりするなど周りからも不審に思われていた。
そして150年の歳月が流れ復活したその姿は三つ目と蝙蝠の翼をもつ巨大な山羊の魔神で、あまりの大きさと長きにわたって封印されていたせいか、全身が苔生している。とは言え自身にとっては数日程度の感覚でしかなかったようで、「ルドルフはどこだ」と既にこの世にいない人の名を呟きつつ主人公一行に襲い掛かる。
主人公一向によって討伐され、ブオーンは再び壺に封印されることとなった。
リメイク版で追加されたその後の動向はプオーンを参照。
つよさ
見た目に違わずHP・攻撃力・防御力ともに高く、さらに見かけによらず意外に素早さもあるため先制されることも多い。攻撃は通常攻撃、「はげしいほのお」、「いなずま」、さらに補助として「スカラ」も使ったりと芸達者。特に通常攻撃は100前後のダメージを叩きだし、はげしいほのおによる全体攻撃も高威力なため、回復や補助を怠った瞬間にプレイヤー側に死亡フラグが立ってしまう。強さとしては、中ボスの中でも上位に入るであろう。
さらにPlayStation 2版では「ルカナン」と2回攻撃という虎の子を引っ提げて参戦。多くの冒険者たちを血祭りに上げていった……。
とにかく、こちらも「スクルト」や「バイキルト」でステータスを底上げし、強い攻撃を受ければ即座に回復に回るなど、慎重な戦略を要求される。しかも上記戦略は、多くのプレイヤーは1回全滅させられてから行う。
……というのも、ルドマンなどから得られる事前の情報が非常に少ない。出てくる情報が『先祖がバケモノ封印した、山みたいにデカイ』程度。しかもこの時期はろくなボス戦もない(本格的なボス戦はボブルの塔のあいつらまでない)こともあって「強力メンバー余裕ww」と高を括って挑んだ結果、もれなくフルボッコされるプレイヤーも多い。
なにより辛いのは、戦場となるのが「見はらしの塔」という「ダンジョン扱いの塔」である事。馬車が入れない場所なので入れ替え戦法が完全に封じられてしまう。また、一連のイベント発生時にサラボナを訪れた際にここでメンバーが人間中心に入れ替わっていることで仲間モンスターが使えることに気づかないケースもある見落としも怖い。それでも心配で念を押すならレベルの低い人間キャラをグランバニアに預けてくればよいが、主人公だけは参加必須。
そのため、『ドラゴンクエストⅤ』でも屈指の初見殺しとして冒険者に深いトラウマを植え付けた。
『ドラゴンクエストⅤ』では他にイブール、ミルドラース、エスタークしかいない固有デザインのボスでもある。
余談だが勇者の攻撃呪文であるデイン系を無効化する。ある意味"勇者の天敵"と呼ぶべきヤツ。ただし本作の勇者はベホマラーを使えるので、習得しているなら加入推奨である。
登場演出
その登場の際の演出は、スーパーファミコンでのドラゴンクエスト初作品ともあって凝ったものとなっている。
- スーパーファミコン版では画面暗転→拡大という演出で登場。また、戦闘時にも出現時には塔の頂上に見立てた戦闘背景の下から全身を現し、撃破時には揺れながら沈んでいくという簡素ながら専用の演出がある。
- PlayStation 2版はミルドラースが完全に霞むほどの演出強化。具体的には——
- 封印が破れて飛び出す
- 遠方に着地して雄叫び→雷の鳴る中をサラボナに向けて侵攻
- 塔にたどり着くと主人公達に宣戦布告して雄叫び
- エンカウント
- カメラがブオーンを舐め回す
- 雄叫び
- コマンド入力
- 戦闘開始
- 勝利で戦闘終了
- 消える前にぶっ倒れる(轟音立てて)
- Nintendo DS版は戦闘中の演出がなくなったがPlayStation 2版と同様。
そのため『凝り過ぎでは…』と思っている人も少なからずいる。
外伝作品での出演
Ver.3.4より追加された謎の島(正確にはブオーンのへそ)に訪れると出会える。本作では歴代最大級の巨体であり、『ドラゴンクエストⅤ』での彼が豆粒に見えてしまうほどの巨体になっている。因みに現時点では敵役ではなく殆ど味方寄りのキャラクターとして登場している。
彼と会話するとブオーンの体内に入るイベントが発生する。中に入ると「シャーロットの墓」などがある。
「最愛の友 シャーロット ここに眠る」と書いてあるが、最愛の友(ゆう)シャーロット→ゆうしゃーろっと→ゆうしゃろと→勇者ロトの事だと思われる。
ナドラガンドの決戦では息子のプオーンの呼びかけに答え次元の裂け目を超えて登場。ナドラガに殴りかかり大迫力の接戦を繰り広げる。その際ナドラガから「魔神族(※)」と呼ばれ主人公たちを助けてくれた、ナドラガ撃破後「男の約束は果たした」といいプオーンと共にアストルティアへ帰っていった。
※外の世界からやってきた神にも等しい程の力を持つ異形の存在のこと、サイズに程度の差はあれど「どんな願いも叶え」たり「無限の魔力を持ち、数千年の永きに渡りアストルティアにレベル100の精鋭ですら苦戦する魔物を創造し襲わせる」などの凄まじい権能を発揮している。
なお、Ver.6.4にて魔神族について本格的に掘り下げられ現在魔神族だと判明しているキャラで唯一悪事を働いていないので、意外と平和主義で温厚な性格なのかも知れない(一応ジャイラジャイラの妹である魔神ジュリアンテも魔神族に含まれると思うが魔界に引きこもっているため、特に出番はない)。
『ドラゴンクエストⅩ』と同じく『ドラゴンクエストⅤ』よりも遥かに巨大。ヘルムードの配下となっており、光の塔を破壊する。
DLCでは戦うことが可能になっており、戦艦バトシエから魔弾砲で攻撃して気絶した所で顔の上に飛び乗れば弱点である目とその周りに攻撃できる。
『モンスターバトルロードⅡ』から合体モンスターとして登場。サイズは原作より小さいが、HPの高さと雷属性の全体攻撃が強力。レジェンドクエストⅤにも敵として登場した。
組み合わせはアンクルホーン、ビックアイ、ホースデビルの3体。全員『ドラゴンクエストⅤ』に登場するけもの系の悪魔達で、イメージとしては毛むくじゃらなビッグアイをベースにアンクルホーンの角や翼、ホースデビルの顔つきや蹄を組み合わせた感じなのだろう。
- ドラゴンクエストモンスターズシリーズ
『ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー2』では本作の目玉である超巨大モンスターとして登場。雪山を歩きまわっており、こいつを上手く利用しないと進めない箇所も存在。
担当声優は古田新太。
『ドラゴンクエストⅤ』本編での反響からか、映画内では逆にストーリーに大きく関わり、サラボナ到着時には既に復活していて町に被害を出している、天空の剣をかけてリュカ、ビアンカらと死闘を繰り広げて忠誠を誓わせる、最終戦にはヘンリー率いるラインハット兵を乗せた帆船を持ってリュカの下に駆けつけるという活躍も見せた。