スペック
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概要
ヘリック共和国軍が開発したティラノサウルス型ゾイド。ガイロス帝国軍のゾイド・バーサークフューラーをベースとした兄弟機である。
ネオゼネバス帝国の新型ゾイド・セイスモサウルスの猛威に対抗するべく開発された。
開発を手掛けたのはゴジュラスギガと同じ部署で、ちょうど同じころ同盟を結んだガイロス帝国軍が提供したティラノサウルス型の野生ゾイドを基に、ヘリック共和国双方の技術、そして東方大陸の企業ZOITEC社のブロックスゾイドのテクノロジーを集約して完成した「対セイスモサウルス用ゾイド」である。
名称
漢字の機体名が付けられているのは、ネオゼネバス帝国によって中央大陸を追われた共和国軍に対して全面支援を行った東方大陸の人々に敬意を表し、地球人の移民が住まうこの大陸で使われている漢字を採用して「故郷の中央大陸に凱旋する」という期待を込めたのがその由来である。
完全な和名(日本語由来)のゾイドは極めて珍しく、他にはサビンガしかいない。
性能
野生体の特徴を色濃く残すバーサークフューラーと同じ素体を使用しているだけあって、パワーや機体出力など、素の能力はあらゆる項目が高水準である。
この時代の大型ゾイドとしては、理由は不明だが、珍しく牙と爪のどちらにもストライクレーザークローや類似する機構を搭載していない。『ゾイドフューザーズ』では、ブレード機はエレクトロンバイトファングを使用していた。
また、この手のゾイドでは珍しく(飛燕用に)マグネッサーウイングを装備しており、イオンブースターと併用して凱龍輝自体も飛行が可能である。『ゾイドバーサス3』でも、専用オプションに飛行ブースターがあり、通常のブースターと交換するだけで飛行が可能だった。
集光パネル
装甲の各部に散りばめられているオレンジ色に輝くパーツ。敵の光学兵器による攻撃を吸収し、自機のエネルギーとしてしまう新技術であり、更に吸収したエネルギーを集め増幅して撃ち出す集光荷電粒子砲は同クラスのゾイドの中では最高レベルの破壊力を誇る。
しかし、光学兵器には威力を発揮する一方で、実弾兵器や格闘攻撃などにはパネルが破壊されやすいという弱点もある。実質的に、集光パネルを装備することによって防御力が下がる面があると思わしい。
超長距離からの砲撃を行うセイスモサウルスに対しては、この集光パネルを活用してセイスモサウルスの超収束荷電粒子砲を凱龍輝が防いでいる隙にディメトロプテラのジャミングで主導権を握り、ゴジュラスギガが接近戦で葬る、という戦法が確立された。
しかし、初戦でセイスモサウルスのゼネバス砲を受けた際には過負荷により内部回路が破損して集光荷電粒子砲で撃ち返すことができず、期待されていた能力を活かす事ができなかった。この時はデータ不足もあるが、ゼネバス砲自体が予想以上の出力であったことに起因している。後に、この問題は集光パネルの改良により改善された。
この装備とコンセプトは、後にレイズタイガーへと受け継がれた。
集光荷電粒子砲
凱龍輝に初めて搭載された新タイプの荷電粒子砲。機体コンセプトである「セイスモサウルスへの対策」の一環であり、敵の荷電粒子砲やエネルギー砲を吸収して、自らの荷電粒子砲の威力を底上げして撃ち返すことが可能である。
キットでは荷電粒子を吸入する機構を装備していないため、通常の荷電粒子砲の使用が可能なのかは不明だが、『ゾイドフューザーズ』では使用可能となっており、むしろ集光荷電粒子砲を使用した場面は一度もなかった。
また、機体のパワーや制御力が向上したためか、大型の荷電粒子砲を装備していながらアンカーを必要としていない。『ゾイド-ZOIDS-』では、ジェノザウラーの弱点としてアンカーが描かれていたので、一見地味ながら大きな技術的進歩だと思われる。
B-CAS
バーサークフューラーと同様に、素体となるゾイド本体に装甲を装着する方式が採用されているが、本機にはブロックスゾイドと合体・分離が可能な「B-CAS(Blox-Changing Armor System)」が導入されている。
分離した装甲はツバメ型の「飛燕」、カブトガニ型の「月甲」の2体のブロックスゾイドとして、それぞれ上空と水中または地上から凱龍輝本体を支援する。飛燕も月甲も、キットでは武装が列挙されていないが格闘戦が可能であるとされる。
他にも、イノシシ型の「雷電」もいたが、諸般の事情により戦争時には実用化されなかった。
Ziユニゾン
その他のブロックスゾイドとの連携も想定されており、合体した際はゾイドコアが足し算の要領で追加動力源になって本体もパワーアップする。
ディスペロウと合体することで砲撃戦に特化した形態「凱龍輝デストロイ」になり、エヴォフライヤーと合体することで高速戦闘に特化した形態「凱龍輝スピード」となる。この他にもバスターイーグルのバスターキャノンを装着した長距離砲撃仕様の「凱龍輝バスター」が存在する。
様々なブロックスゾイドとの連携により、巧みに戦略を変えるというのは、同時期にロールアウトされた同僚機であるゴジュラスギガにも通じる戦略コンセプトである。
チェンジマイズの組み合わせによっては、「司令凱龍輝」「強化型飛燕」「強化型月甲」などのバリエーションも存在する。
ゾイドフューザーズ
サベージハンマー所属のZiファイター・ブレードの二代目の乗機であり、最強のゾイドを生み出すべくピアーズ博士がエナジーライガーと共に製造した機体でもある。また、主人公のライバルが原典では主人公機と同勢力の機体に乗り換えるという珍しいパターンでもある。
独自の装備として、飛燕のエネルギー砲(モールド自体はキットにも存在する)や、グラビティーゾイドをも捉える「次元レーダー」という装備が確認されており、分離時の月甲がEシールドを張って防御する描写もあった。ちなみに、集光パネルは「レイエナジーアキュムレイター」と呼ばれていた。
凱龍輝スピードにユニゾンした際は、翼のようなオーラが現れる。バイザーの奥の目が光る描写もある。アニメ版では初めてバトルストーリー側に寄せたのか、黄色の荷電粒子砲を発射する。
設定上では、企画倒れとなったサポートブロックスの雷電が存在しており、雷電を含めた合体形態を「凱龍輝・真」と呼ぶ。リヒタースケールによって開発されていたが、必然と戦い方も重量型となるため、ブレードの戦闘スタイルに合わず、結局使用されなかったらしい。
- しかし、凱龍輝デストロイを初めて使用した際には、アイアンコングの群れ相手に大火力の重砲撃を繰り返して愉悦に浸っている場面もあったのも事実である。
デビュー戦にて主人公・RDの駆るライガーゼロフェニックスを破り、更にはファイヤーフェニックスを破壊、RDに大きな敗北感を与えた。その後も様々なゾイドを撃破して破竹の勢いで勝利を重ね、更には野良ゾイドと化したディスペロウやエヴォフライヤーと同調し、各Ziユニゾン形態を獲得。
後に、エヴォフライヤーは本性を現したピアーズ博士の駆るエナジーレイライガーとの戦いで破壊されたが、最終決戦ではディスペロウとZiユニゾンした凱龍輝デストロイでライガーゼロファルコンと共闘し、ブルーシティを襲ったリヒター・スケールが操るセイスモサウルスと戦った。
なお、フェニックスと思われる霊体が現れて凱龍輝を含むレジスタンス側のゾイドたちに力を与えており、自らを殺害した凱龍輝の助力をしていることから、フェニックスを(聖人にちなんで)聖獣と呼ぶ視聴者もいたらしい。
キット
キットはバーサークフューラーの仕様変更品であり、頭部を含めた装甲を全て取り外した素体の状態でも爪や牙などの造型が異なっている。駆動ギミックはバーサークフューラーと同一で、外付け式電池ボックスにあるスイッチを切り替える事でそれぞれモーターによる歩行と集光荷電粒子砲発射形態への変形ギミックが楽しめる。
前述の通り各部の装甲はそれぞれ飛燕・月甲へと組み換え可能で、更に各部にある5mm径ジョイントを使えば他のブロックスのパーツを用いての様々なチェンジマイズが可能。
『ゾイドフューザーズ』放送時に発売された凱龍輝・真には、前述した雷電の新造ランナーを新たに追加。飛燕・月甲分離時に不自然に余る脚部と尻尾の装甲はこの雷電を構成するパーツとなっている。また、シールも同シリーズに準じたものに改められ、パイロットのフィギュアも共和国軍兵士からブレードへと変更された。
余談
- 『ゾイド・ザ・ワンブロックス』にて発売が予定されていたが、実現しなかった。
- バーサークフューラーは兄弟機と言える。また、バトルストーリーでは当機が放った荷電粒子砲を凱龍輝が吸収し、撃ち返すシーンもある。
- バスタークローを装備するバーサークフューラーと比較すると、凱龍輝はより火器を増設した機体コンセプトが特徴である。
- バーサークフューラーの没案の一つに、『電撃ホビーマガジン』に掲載されていた「ゴジュラスMk.3」(通称「G-Rex」)が存在し、これが後に凱龍輝にリライトされた。
- 企画段階と完成商品では、頭部の印象が非常に異なるデザインをしており、恐竜というよりもより「龍」らしさが描写されていた。